海外インタビュー

セブ就職→世界的コンサルティング会社日本法人へ! その道のりで得たキャリアより大切なものとは?

こんにちは!海外キャリアコンサルタントの岡本(@tokamoto1979)です。

今回は2015年にフィリピン・セブ留学を経て、同じくセブに海外就職を果たした清水さゆりさん(33歳)にインタビューをしてきました(インタビュー時は2017年10月22日)。

彼女は僕たちが運営するフィリピン・セブの英会話スクールを卒業後、世界的なコンサルティングファームであるアクセンチュアのフィリピン法人に入社、その後、同アクセンチュアの日本法人に転籍されました。

清水さんは海外就職(現地採用)→日本法人へ転籍というパターンでキャリアアップを続けています。そんな輝かしいキャリアを歩み始めた彼女ですが、この過程で得たキャリアよりももっと大切なものがあるとのこと。それは一体何なのか?

彼女の世界を舞台にした挑戦とそこで得た大切なもの。是非1人でも多くの方に知っていただきたいです。

1.プロフィール

清水さゆり
1984年生まれ。大学卒業後、日系メーカーで7年間、事業戦略推進室にて秘書業務に従事。当時は航空会社転職を希望しており、50社以上の航空会社にアプライするも全敗。その後、英語力の向上を目的にフィリピン・ゼブ留学を経てアクセンチュアのフィリピン法人に入社し2年間勤務。現在はアクセンチュア日本法人に転籍し、大企業へのITインフラ導入、サーバー管理、それに付随した業務に携わっている。

2.フィリピン・セブで海外就職をするに至った経緯とは?

・今現在のお仕事の状況を教えてください。

フィリピン・セブのアクセンチュアに2年間ほど現地採用として勤務していましたが、半年程前から東京にあるアクセンチュア・ジャパンに転籍となり、もうすぐ地元に近い大阪に異動する予定です。仕事内容は、大企業へのITインフラ導入、サーバー管理、それに付随した業務に携わっており、とってもやりがいがあります。

・そもそもフィリピン・セブで海外就職をするに至った経緯を教えてください。

元々、日本ではメーカーで秘書業務のお仕事をしていましたが、どうしても航空業界のお仕事に携わりたかったのです。ただ英語には全く自信がなくて。それで最近話題のフィリピン留学をするためにセブに来ました。そこでセブで海外就職をするという選択肢を知り、セブで働くことになりました。

・アクセンチュアといえば、戦略立案からITソリューションやアウトソーシングなどを提供する世界有数のコンサルティングファームです。そんな会社であるとご存知でしたか?

いえ、全く知りませんでした。笑
そもそも、私にはITの知識は全くありませんでしたし、英語も微妙でしたし。たくさん(記事執筆者の岡本)に聞いて初めて知りました。

アクセンチュア(グローバル・グループ) 会社概要
設立年:1989年
拠点数:世界55カ国 200都市以上
従業員数:およそ42万5,000人
売上高:329億USドル(2017年8月期)
事業内容:「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供
アクセンチュアHPより:詳細はこちらをご覧ください。

・なるほど(笑)。採用試験とは厳しかったのではないですか?

セブのオフィスにて、会社の概要を伺い、面談や英語のチェック後、採用して頂きました。当時はセブのオフィスを拡張していたため、日本人人材のニーズがあったのだと思います。現在もセブオフィスと連携する日本のプロジェクトが多く、日本人を募集していると聞いています。

3.フィリピン・セブでの仕事内容とは?

セブのアクセンチュアが入っているITパーク

・現在は日本でお仕事をされていますが、セブでの仕事はどのようなことをされていたのですか?

日本・フィリピン間のアウトソーシング事業が2015年から本格的に始まり、その第1期メンバーとしてシステムの運用・管理を担当しておりました。システムエラーを検知後、障害報告をし、解決までスムーズにもっていくため日本・フィリピン間の架け橋となることが主な業務です。手順書の翻訳もしていたことがあります。

・英語での業務は大変でなかったですか?

セブでの業務の8割以上は英語での業務になるので最初は大変でしたね(笑)。フィリピン留学する前のTOEICのスコアは550点ほどで留学当初は英会話は全くできませんでした。留学中にTOEICは670点前後に上がりましたが、まだまだ仕事をしていくには十分ではなくて。。しかもIT関連の英語はさらにチンプンカンプンでした(笑)。

・IT知識ゼロでITソリューションを提供する海外のコンサルティングファームで英語で仕事をするって凄いですよね。

周りの同僚、上司に恵まれていたと思います。業務時間外にも英語やITの勉強をしていましたし、休日も同僚とITの勉強会開催しお互い学び合いました。セブのオフィスは日本人、フィリピン人問わず仲間意識が強く、個性的なメンバーが揃っていて最高の環境だったと思います。

・苦手だった英語での業務ですが、どのように克服したのですか?

足りない英語は仕事の中で覚えていきました。また、フィリピン人メンバーがとても優しくて、私の文法の間違いなども直してくれました。フィリピン人スタッフと英語と日本語でお互いの言語を教え合ったりもしましたね。会社の福利厚生で英会話のレッスンも受けさせていただいていました。その他にも英文メール書き方の参考書を読んだり、フィリピン人メンバーのメールを参考にしていました。

外部linux研修を受けた時の写真。全部英語だったが、隣の同僚が随時助けてくれたのこと。

4.フィリピン・セブでの生活

・フィリピン・セブの生活について教えて下さい。

私たちのメインの業務がサーバー管理のお仕事でしたので、4勤(1日12時間)週休3日でした(配属されるチームによる)。シフトは昼シフト夜シフトがあり不規則な生活になりがちでしたが、毎週3連休を取れるのでよく海外も含めて旅行にいきました(シンガポール、韓国、リゾートなど)。便利な場所に住んでいたので、ITパークやアヤラモールなどでショッピングにも行きました。

・どのような場所に住んでいたのですか?

マボロ地区のコンドミニアムに住んでいました。家賃は23,000ペソ程(50,000円前後)でした。ただ、部屋は広かったですし、週1回クリーニングやシーツ交換、ジムやプールも付いていますし、24時間セキュリティーガードが滞在しているので安心で快適でしたね。

清水さんがセブで宿泊していたコンドミニアムのお部屋(特別にいただきました。)

日本人が経営しているオランゴ島のプール

・交友関係はどうでしたか?

同じコンドミアムに日本人の方も住んでいらっしゃったのでその方達と食事に行ったりしました。パイロットや語学学校経営者など個性的な方が多く、彼らとの交流はとても楽しかったですし、刺激をいただきました。

コンドミニアムのご友人やハウスキーパーさん達

・いただいた給料で生活は余裕はありましたか?

はい。レストランで食事をしたり、ショッピングや旅行に行ったりと特に意識して貯めることはしませんでしたが、2年間で100万円以上は貯金が増えたので生活に余裕はありましたね。日本での一人暮らしより貯められるかもしれません。

5.フィリピン・セブから日本法人への転籍の経緯

清水さんがよく買い物に行っていたアヤラモール

・どのような経緯で日本法人に転籍されることになったのですか?

私は元々、フィリピンでの仕事は2年までと決めていたこともあり、2年目を迎える前に上司及び日本から来たシニアマネジャーに相談しました。その際に日本法人への転籍を提案されたんです。

・提案を受けた時どのように感じましたか?

「まさか、自分が。。」という感じでした。セブから日本法人への転籍は当時は前例がなかったですし、IT知識もゼロだった自分が世界有数のコンサルティングファームの日本法人で採用されることは思ってもいませんでしたし、2カ月間ずっと悩みました。でも上司から「自分が思っている以上にスキルはあるし、もし溺れかけたら、手を差し伸べるから安心して来て。」と言っていただき、決心がつきました。

・清水さんは人や環境に恵まれていますね(笑)。

はい!「ちゃんと良いことが自分に返ってくる人だよね」と言われたことがあります。それは、ただラッキーなだけでなく自分が辛い経験をしたので、人の気持ちも分かろうと自然と心がけているところがあります。会社やみんなのことが大好きですし、もう少しみんなと仕事をしたいと思いました。

・日本でのお仕事はどうでしょうか?

日本でも仕事は楽しくさせていただいています。現在はセブの時と同じプロジェクトで、セブでの業務とは違った立場で仕事をしています。来月からは更に一歩踏み込んだ業務に挑戦し、新しいプロジェクトの立ち上げを担当します。また、マネジャー以上の方ばかりの組織のPMO業務も任せていただきました。セブ時代もそうでしたが、日本の同僚もとても優秀な方ばかりで刺激をいただています。

6.これまでのキャリアとこれからのキャリアについて

セブのリゾートの写真

・セブ留学から海外就職、日本転籍まで振り返ってどうですか?

私、セブ留学前、日本で仕事をしている時は自分に自信が持てませんでした。「自分にできることってなんだろう?」といつも考えていましたし、挑戦できなかったと思います。いつも周りの声を気にしていました。でも今は少し自分に自信を持つことができたと思います。

・現在はどのように仕事やプレイベートを考えていますか?

以前よりも周りの声を気にせず挑戦できるようになったと思います。セブでも悩むことはありました。でも悩んでいたら、フィリピン人の同僚に「そんなこと気にしてどうするの?」と声をかけられて。それで自分で動いたり、チャレンジしたら意外と解決できたり、うまくいったりしました。こういったことを積み重ねてきた結果、小さな自信になったと思います。

・この数年で自分は変わったと思いますか?また何を得たと思いますか?

変わったと思います(笑)。小さいことを気にしなくなりましたし、前よりも積極的になったと思います。今考えると、昔は何事も受け身でした。でも、セブの職場や今の職場では自分から色々なことを提案するようになりました。昔は提案しても、どうせ誰も聞いてくれないだろうと思っていました。でも、実際に提案すると皆真剣に聞いてくれ、それが正しければ採用してくれますし、ズレていても「こうすればいいかも」ときちんとアドバイスをくれます。それは自信になりましたね。この数年で多くのものを得たと思いますが、それは「こんな私にでもできる」という小さな自信だったのだと思います。

また、言語だけではなく文化・習慣の違いを乗り越え、お客様へ安定したサービスを提供できるよう365日24時間チームで助け合い取り組んだ経験は、今後グローバルな仕事をするにあたりとても良い経験になりました。

悩んだ時はこういった英語のポエムを読んでポジティブに考えるようにしていたとのこと。

・将来のキャリアはどのように考えていますか?

今は現在の会社(アクセンチュア)でもっと活躍できるようになりたいです。例えば、ITの資格を取ったり、できる仕事の範囲を増やしていきたいと思っています。新しいことにチャレンジしたいですし、専門知識を増やし人から頼られる人になりたいと思っています。

・これから世界を舞台に挑戦する人へ一言いただけますか?

悩み始めたら、セブに留学したらどうでしょうか(笑)。そして出来れば、さらにそこからもう一歩踏み出すことが出来れば良いと思います。私も、昔自分に自信がなくて悩んでいましたが、踏み出してみたら何とかなりました。今考えるとその時間はもったないですよね。英語もITのスキルもなかった私がここまできたんですから、誰にでもできるはずです。飛び込んでみて、たとえ失敗したとしても、後から振り返えれば笑えるし、後悔しないと思います。

7.インタビューをした感想

今回、久しぶりに清水さんと再会して、お話をして、最初にお会いした2〜3年前と比べてすごく魅力的な女性になったなぁと思いました。

そしてそんな彼女を見ることができて、本当にうれしかったですし、誇りに思いました。今の彼女の中には謙虚さの中にも自分に対して自信を持っている強さが感じられます。それはこれまで彼女が積み重ねてきたものから来るものでしょう。

「3年前、海外に飛び出す前の自分から、今の自分を見たら憧れる存在に映るんじゃない?」という僕の言葉に、はにかみながら頷いた彼女の笑顔が素敵でした。

ちなみに清水さんはセブのアクセンチュアから日本法人への転籍第1号でしたが、その後、既に数名の方が清水さんの後に続き、日本に転籍しているとのことです。そういう意味でも清水さんはパイオニア的な存在だったのだと思います。彼女のように世界に飛び出し、そしてその経験を基に日本に戻ってきて活躍する人材が増えていけば、日本はもっと良くなっていくのではないでしょうか?

さゆりちゃん(清水さん)ありがとう!この数年、本当に頑張ったね!インタビュー後の食事会でした今後の話も楽しかったね。また再会しましょう。

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岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒