転職エージェント訪問記:【フィリピン・マニラ】REERACOEN Philippines Inc.
目次
REERACOEN Philippines Inc.とは?
2014年の4月に設立された、日本の大手人材紹介会社であるネオキャリアグループの海外ブランド、REERACOENのフィリピン拠点。
日系企業を中心に業種・業態を問わず、幅広く多様な求人を紹介できるのが強みです。
オフィスはマニラ中心部のマカティにある、First Life Centerビルの6階に位置します。
*当日伺ったお話や企業HPを基に執筆。
ご担当の中島様にお話を伺ってきました!
今回お話を伺ったのはGeneral Managerの中島様(写真右)。
2018年8月よりフィリピン拠点へ赴任され、フィリピンでの生活歴は1年半ほど。
ご自身で英語学習に励まれるなど、フィリピンという環境を存分に活かせるよう日々ご活躍されているとのことでした。
なお、写真左側の熊田様には今回はお会いできませんでしたが、日本人求職者の方々をサポートされているそうです。
今回は中島様にフィリピンでの生活やお仕事についてたっぷりとお話を伺ってきました。
是非ご一読下さい!
フィリピンの現状について
── 最近のフィリピンにおける日系企業の進出状況や採用の動向について教えて頂けますか?
最近の日系企業の進出動向については、上がりも下がりもせず、横ばいという印象です。
一方、進出が横ばいだからと言って、採用も横ばいなのではなく、現地採用の求人は増えています。
ここには各社がコスト削減のため、従来は駐在員が就いていたポジションを現地採用に切り替えようという動きが出ているからです。
フィリピンにおける日本人の求人状況について
── 日本人の求人状況について業種・職種別に教えて頂けますか?
業界・職種別の求人状況については下記の通りです。
業界について
基本的には製造業が中心で、製造業系の企業様は営業だけでなく、事務・総務の求人を出されるケースも多いので、必然的に求人が多くはなります。
ただ、フィリピンの場合はIT・エンタメ・コールセンター・・・多様な業種が進出しており、業界バランスが非常に良いという印象があります。
まだ日本人の採用を始める段階には至っていませんが、最近ではカジノや仮想通貨に関するビジネスでの進出があったりもしています。
今後伸びていく国であるからこそ、様々な企業がビジネスチャンスを求めて進出するのもフィリピンで働く面白さかもしれません。
職種について
基本的には営業が中心で、技術系については生産管理や製造設備管理のお仕事が多くなります。
コールセンターについては、オペレーター業務のみならず、オペレーター社員たちのマネジメントを担うような人材が求められることもありますね。
また、一時的な傾向ではありますが、最近突発的に総務・事務での求人が増えています。
基本的にどの案件についても、日本人だからできることや日本人にお願いしたい仕事が中心です。
営業が多い理由としては、日系企業様との会話は「日本語」になるためであり、コールセンターについても「きちんとした日本語」が必要なため、日本人を採用したいというニーズがあります。
逆に言えば、サービス業関連など、フィリピンの方にお願いできるお仕事に関する求人が、日本人向けに出てくることはあまりありません。
フィリピンの方々は英語が堪能で、英語で接客もできるので、日本人の必要性を感じにくいという状況はありますね。
*ここでの「専門職」とは、会計・財務・税務に加え、コンサルタントを含みます。
── 勤務地についてはいかがでしょうか?
下記の通り、マニラ首都圏・その近郊での求人がほとんどです。
マニラ首都圏でも、マカティ周辺やボニファシオ・グローバルシティ(BGC)での勤務をされる場合は求められるスキルのレベルは高くなります。
── なるほど。一般的にフィリピン就職で求められるスキルや語学力について教えて頂けますか?
語学力不問の求人はなく、最低でも日常会話レベル以上の英語力は必要です。
TOEIC600点以上が目安になると思っており、事前にこのレベルをクリアできない場合は、企業様側から「準備不足」と判断されてしまいます。
他国では語学力が不問とされるようなコールセンターの場合でも、フィリピンではフィリピン人スタッフとの会話が業務上必須のため、上記の通りとなっております。
営業職の場合、営業経験はあった方がなお良いですが、未経験でも可とする求人もありますし、必ずしも同業界での経験である必要はありません。
コミュニケーションが問題なく取れて、お客様に可愛がられる愛嬌や人柄とやる気があれば、まずはOKという求人も多いですよ。
── ビザ発給の要件についてはいかがでしょうか?
フィリピンの場合、明確なビザ発給基準がないことから比較的取得しやすいとされてきましたが、近年少し厳しくなっているようです。
また、業界によって取得の難易度が違うとも言われています。
フィリピンでの生活・待遇について
── 現地採用の場合の給与について教えて頂けますか?
マニラとセブに分けてお話させて頂きますね。
なお、下記は額面での金額なので、そこから税金が差し引かれる形となります。
*レートについては1ペソ=約2.15円で計算。(以下についても同様)
マニラ首都圏・近郊の工業団地で勤務する場合
- 新卒・ジュニアレベル(社会人経験3年程度):8万ペソ~10万ペソ(約17.2~21.5万円)
- 役職者あるいは30代以上で経験豊富な方:10万ペソ~12万ペソ(約21.5万円~25.8万円)
- 拠点長レベル:15万ペソ(約32.3万円)
拠点長レベルの求人はあまりありませんが、特に製造業だと、20万ペソ(約43万円)ほどにまで跳ね上がるケースもあります。
セブで勤務する場合
セブの場合はマニラ首都圏やその近郊とは事情が異なり、役職により金額が上がるということもあまりありません。
セブでは最低で4万ペソ~5万ペソ(約8.6万円~10.8万円)で、給与水準が低い分、社宅や寮といった福利厚生で補っている部分があったりします。
スタートは5万ペソ程度が一般的で、経験者でも6万ペソ~7万ペソ(約12.9万円~15.1万円)程度というところでしょうか。
これには、語学学校が多く、留学にいらっしゃった方をそのまま採用できるという背景があるため、給与水準が上がりにくいという背景がありますね。
セブはマニラに比べて、リゾート地や語学学校が多いというイメージもありますので「英語のスキルをもう少し伸ばしながら働きたい」という方に合いそうな印象です。
セブで就職が決まった求職者様は、週末などにアイランドホッピングやサーフィンなどを楽しまれているようです。
── 保険やその他待遇についてはいかがでしょうか?
6~7割程度の企業様については、日系の海外旅行傷害保険に加入されています。
残りの3割程度の企業様については、フィリピン人スタッフの方々と同じHMOでカバーされていますね。
── 現地採用の場合の家賃や住宅手当について教えて頂けますか?
住宅手当については、補助がある企業様とない企業様の割合が大体半分ずつ程度です。
製造業系の方で、郊外で勤務される場合でも、住居はマカティ周辺になりますので、その場合は会社側が社宅等を借り上げており、補助が出るケースがあります。
一方、マカティ周辺エリアで勤務する場合は、支給される給与の中でやり繰りをするケースが多いと感じています。
最近ではマカティ周辺エリアの家賃が大きく高騰しており、現地採用の方でも3万ペソ~5万ペソ(約6.5万円~10.8万円)ほどのコンドミニアムにお住まいです。
モールオブアジア周辺やボニファシオ・グローバルシティ周辺はマカティ周辺よりも高いという傾向があります。
ただ、最近は住宅価格の高騰という事情を踏まえた上で、会社から住宅手当を支給するか社宅を借り上げるかで調整をしようという動きは出てきています。
── 意外と家賃が高いんですね! 通勤については皆さんどうされているのでしょうか?
工業団地近郊で勤務する方については、ドライバー付きの車で1〜2時間ほど掛けて通勤しています。
マカティ周辺で勤務される場合は、通勤手当が必要な距離に住まわれることは少なく、会社から徒歩圏内に住み、徒歩で通勤される方がほとんどです。
── 日本と比べて待遇が下がるケースもあると思いますが、貯金等はできているのでしょうか?
ここは人による部分はあります。
飲み歩きが好きな方でなければ、食費を抑えることは十分可能です。
一方、お酒やタバコのような嗜好品は高いので、嗜好品にお金を掛ける方の場合は貯金が難しいかもしれません。
フィリピン就職をご検討の方へのメッセージ
── 大変詳しく教えて頂きまして、ありがとうございました! 最後に、フィリピン就職をご検討の方へメッセージをお願いします!
「目的」をしっかり持って臨まないと、せっかくのチャンスが無駄になってしまうと思っています。
食事や生活、仕事…すべてにおいて日本とは違うので、正直なところすごく過酷な部分もあります。
仕事においては、フィリピン人スタッフの方のフォローに入ったり、日本人だからこそ負うべき責任もあるので、「楽に働きたい」というマインドだと、非常に大変だと思います。
一方、目的意識を強く持ち、自ら切り拓いていきたいという方にとっては、今後の可能性が広がるという意味で、大変魅力的な環境だと感じています。
仕事における裁量も大きく、自ら決断して動くことがたくさん求められますし、英語でのビジネス経験を積みつつ、現地の方々とのコミュニケーションスキルを磨くこともできます。
ここで培った語学力やスキル、経験を活かすことで、今後日本や東南アジアで活躍の場はかなり広がっていくと思います。
まとめ
英語が公用語で、これからどんどん成長していくであろうフィリピン。
常に向上心を持ち、自らを高める意識を持てば、英語での実務経験を積む過程で、語学力だけでなく、マネジメントスキルをはじめとしたビジネススキルも身に付く、非常に魅力的な環境だと感じました。
中島様がおっしゃる通り、確固たる「目的意識」とフィリピンで腰を据えて頑張り抜く「覚悟」を持ち合わせて臨む必要がありますよね!
中島様はこちらのご質問に対し、大変丁寧にご回答頂きましたし、和やかで大変話しやすい雰囲気でした。
フィリピン就職をご検討の方は是非一度REERACOEN Philippinesに問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?