What's 海外就職

【専門家が解説】英語力ゼロでも海外就職でき?真実を伝えます!

最近、私は英語が全く話せないのですが、海外就職はできますか?という質問をよく受けます。

確かに、英語はできないけど海外で働いてみたいと思う方にとっては英語力ゼロでの海外就職は魅力に感じると思います。

また、英語力ゼロでも海外に行けば英語は何とかなる、と考える気持ちもよくわかります。

今回は、海外就職をする際に必要な英語力について解説をしていきます。

後半では、ある程度英語をできるようにして海外就職をした方と、全く英語が話せないまま海外就職をした方が2年後どのようになっていったか?その後キャリアの展望などもご紹介します。

英語を使ってグローバルな人材になりたいという方には必見の内容となっていますので、是非最後までご視聴いただけますと嬉しいです。

今回の内容はこちらです。

  • 英語力がゼロでも海外就職はできるのか?
  • 各国の就職に必要な英語力の目安
  • 海外就職をする上での英語の考え方
  • 実際の海外就職事例

■英語がゼロでも海外就職はできるのか?

それでは、英語力がゼロでも海外就職はできるのか?という点についてお話をします。

私の結論から言うと「英語力がゼロでも海外就職はできます。ただしオススメはしない。」となります。

確かに「海外で働いてみたい。生活をしてみたい。」という理由だけで海外就職をするのであれば、英語力がゼロでも海外就職は可能です。

しかし、海外就職可能な国や就ける仕事はかなり限定的になるでしょう。英語をコミュニケーションとして使う職種はまずほぼ無理と考えた方が良いと思います。

例外はあるものの、一般的には職種としては日本語のみを使うコールセンターくらいに限られるのではないでしょうか。

これは、皆さんが現地企業の経営者であると想像してみるとよく理解できると思います。

例えば、あなたが日本で会社を経営していたとして、日本語を全く話すことができないベトナム人を日本語が必要な仕事をしてもらうために、わざわざ採用はしませんよね?

ましてや、アジア就職を前提とした場合、日本人である皆さんは現地の人々の数倍の給料をもらうことがしばしばです。英語や現地の言葉が全くできない人を採用して、その言葉が必要な業務に就かせることはまずないでしょう。

もし、皆さんが海外で働くことのみが目的であるのなら、英語力がゼロでもコールセンターに就職することは良いと思います。

ただ、英語力を習得してグローバルな仕事をしたいのであれば、ある程度の英語力を日本で身につけた上で海外就職をすることをオススメします。

なぜなら、ある程度の英語力があれば、英語を日常的に使う仕事に就くことができて、そして現地で英語を使うからこそ、さらに英語力を伸ばしていくことが可能だからです。

■各国の就職に必要な英語力の目安

それでは、アジア各国の就職に必要な英語力について解説していきます。

それぞれの国に就職するために必要な英語力はこちらになります。

  • シンガポール…TOEIC900点以上
  • マレーシア…TOEIC800点以上
  • フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、インド…TOEIC600点以上

TOEICのみで仕事で話せる英語力を測れないのは十分承知していますが、物差しとして今回はTOEICのスコアで目安を設定しました。

もちろん、仕事内容や職種、年齢やスキルによっても異なりますし、例外的な事例もありますので、あくまで目安としてご理解をいただければと思います。

また、タイやベトナム、インドネシアなど英語が標準語、共通語として使われていない国でも社内の公用語は英語であったりするなど、少なくとも就職の段階では英語力があれば十分です。

具体的に見ていくと、やはりシンガポールはTOEIC900点と、アジアの中では英語力のハードルは一番高いと思います。そしてそのハードルは年々上がっていっています。

何か特別なスキルや現地に特別なコネがない限り、現地採用で英語力が低いままシンガポールに就職を果たすことは難しいと思います。

次に英語のハードルが高いのがマレーシアです。

こちらはTOEICで言うと800点とかなり高めです。ただ、700点後半であっても、30代前半まで、ある程度スキルや職歴があれば就職される方もいらっしゃいます。

フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、インドはTOEIC600点程度あれば、海外就職をするチャンスは十分あります。

もし今現在英語が苦手であれば、TOEIC600点程度を獲得して、これらの国に就職するのは現実的な方法だと思います。

特にフィリピンは英語が公用語の一つですし、ハードルも高くなく、日本人も比較的生活しやすい環境が整っているので最初の就職先としてはオススメです。

■海外就職をする上での英語の考え方

次に海外就職をする上での英語の考え方についてお話をしていきます。

まず、これまで多くの方の海外就職のサポートをしてきた中で思うのは「海外就職は手段であり、目的ではない」と考えられる方は、ある程度長い目で見た時成功しています。

例えば「海外就職を、英語を使ってグローバルに仕事をするための成長手段」としてとらえた場合、その方は2〜3年もするとかなり成長されて望むキャリアを叶えています。

一方、海外就職を目的と考える人は、どうしても給料や待遇、就職先のネームバリューばかりに目がいってしまい短期的な利益に固執しがちです。結果、思うようなキャリアを歩めない方も多くいました。

そのため、海外就職を「仕事で成果を出しつつも英語力に磨きをかけて成長する場」と考えるならば、日本である程度英語力を高めて、英語を使うことが求められる職場に就職することは非常に戦略的だと思います。

そして、このように考えるのであれば、アジア海外就職は最適であると思います。なぜなら、英語力によって海外就職できる国を選ぶことができますし、あなたの英語力やキャリア次第で別の国へのステップアップも十分可能だからです。

今英語力がイマイチであったとしても、英語力を短期間で伸ばす方法はあります。

そのため、私のオススメとしては、速攻である程度の英語力を身につけて、アジア海外就職を果たしてしまう。そして、海外で英語力と業務経験に磨きをかけながら、より成長して新たなステージに挑戦するというキャリア方針が良いと思います。

それでは、実際の事例を見ていきましょう。

■実際の海外就職事例

フィリピンで就職を果たした20代後半のAさんとBさんの英語力、就職先、海外就職後のキャリアの展望について事例をお話しします。

ご相談をいただいた時には、ほとんど英語力に差がなかったAさんとBさん。お二人とも英語力ゼロとまではいきませんが、TOEICのスコアは当初450点前後でした。

その後、Aさんは1年ほどかけて英語力をTOEIC650点ほどに上げて、フィリピンの製造商社に営業として入社されました。仕事上、英語と日本語を使う割合は半々くらい。積極的に英語でフィリピン人と交流していました。

一方、Bさんは英語力を向上することなく、すぐにフィリピンに海外就職を果たします。職種はコールセンターでした。現地での仕事内容はかかってくる電話に日本語で対応すること。日常でも英語はあまり話さなかったとのことでした。

2年後、2人はどのようになったのか?

まず、Aさんはフィリピン現地で受験したTOEICのスコアが895点とかなり英語力が伸びていました。最近では英語での電話会議や商談、プレゼンテーションまでこなしています。また最近、シンガポールの商社へ転職を果たし、給料は一気に2倍になったと喜んでいらっしゃいました。

一方、Bさんはあまり英語力の向上はなかったとのことです。最近、転職も考えていて転職エージェントに登録したものの、紹介される求人案件は現職と似たようなコールセンターの案件ばかり。転職エージェントと話をしてもそれ以外の案件は見つからないとのことで、日本への帰国も考えているそうです。

ここでのポイントは2つあります。

一つは、英語についてです。

Aさんはある程度の英語力をつけてから就職したために、英語を使う仕事に就くことができました。また、業務に英語が必要だったため、英語学習を継続することで2年後にはビジネスで通用する英語力を身につけることができました。

一方、Bさんは英語を必要とする仕事に就くことができずコールセンターに入社されました。仕事で英語を使うことはありませんので、英語学習を継続することなく、2年後もあまり英語力が向上することはありませんでした。

もう一つのポイントは、得られた業務経験についてです。

Aさんは英語を使って海外の製造商社でのB to Bの営業経験を積むことができました。これは今後のキャリアにとって非常に貴重な職務経験・スキルになります。この経験を積むことができたのが、シンガポールへの転職に大きく寄与したと考えられます。

一方でBさんの日本語でのコールセンターでの職務経験は残念ながらそこまで大きく転職市場で評価されるものではありません。そのため年を重ねてしまった分、転職市場での評価を上げられず、キャリアの迷子に陥ってしまった可能性があります。

このように、海外就職前はほとんど変わらない英語力であったとしても、選ぶキャリアの方向性によって僅か2年で全く異なるキャリアの状況になってしまいます。そして、その差を分けたものはごくごく小さな意思決定によるものです。

皆さんはどのように感じましたか?

今回の記事をまとめますね。

英語力がゼロでも海外就職はできるのか?というテーマでお話をしました。私の結論としては「無理ではないがオススメしない」というものでした。

また、各国の就職に必要な英語力の目安についてもお話をしました。各国ごとに必要な英語力は異なりますが、英語が苦手ならハードルが低い国を狙ってステップアップする方法もあることをご紹介しました。

次に海外就職をする上での英語の考え方についてお話をしました。速攻である程度の英語力を身につけてアジア海外就職を果たしてしまう。そして、海外で英語力と業務経験に磨きをかけながら、より成長して、新たなステージに挑戦するというキャリア方針についてご説明をしました。

最後に、実際の海外就職事例をお話ししました。海外就職の最初のステップで取ったキャリア方針によって、たった2年で全く異なるキャリアの展望になってしまう可能性があることをお伝えしました。

いかがだったでしょうか?

一口に海外就職と言っても、そこに何を求めるのか?どのような方向に進むのか?によって全く歩むキャリアが異なってきます。是非、皆さんには後悔のないキャリアを選び取っていただきたいです。

本日は以上になります。

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岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒