大手企業のキャリアを捨て海外へ移住。ベトナム・ホーチミン現地採用の道を選んだ高林さんの夢とは?
こんにちは!
BEYOND THE BORDERの代表のタク(@tokamoto1979)です。
今回はベトナムのホーチミンでフリーペーパーの企画・広告営業及びウェブメディアの運営をされている高林凌さんにお話を伺いました。
新卒で楽天に入社し、社内でも高い評価を得ていた高林さんが何故、現地採用という立場でベトナムに渡ったのか?彼が思い描く将来の夢とは?若き挑戦者の素顔に迫ります。
目次
高林凌さんとは?
愛知県豊橋市出身。早稲田大学商学部を卒業、新卒で楽天株式会のECコンサルタントとして就職。担当企業の売上向上のコンサルティング業務に従事(2年9ヶ月)。その後、(私たち)BEYOND THE BORDERの就職サポートを受けながら、ベトナム・ホーチミンのSunrise Advertising Solutions Co Ltdに入社。週刊Vetterの現地フリーペーパーの企画・広告営業及びウェブメディアの運営を担当している。
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元々海外で働いてみたいと考えていたのでしょうか?
幼少期にアメリカで過ごした経験があり、海外への憧れは元々ありました。社内公用語が英語ということもあり、新卒で楽天に入社をしましたが、いずれは海外で仕事をして生活をしていきたいと思っていました。
社会人、当初は目の前の仕事を全力でこなすものの、国内での仕事や生活の中で、しがらみや窮屈さを次第に感じるようになりました。日本人の同質的な考え方に、もやもやを感じることが多くなっていったんです。
アジア、特にベトナムを選んだ理由とは?
欧米ではなくどうしてアジアでの就職を志したのですか?
大学4年生の時にタイやカンボジア、シンガポール、マレーシアなどに旅行をしていたのですが、東南アジア各国にある夜の屋台や路面店などのカオスな感じが好きになりました。僕が前職で携わっていた楽天市場の雑多な感覚も近いものがありましたね。
その中で、社会人2年目の頃、BEYOND THE BORDERの岡本さんの東洋経済の記事に出会い、著書である『キャリアシフト〜人生戦略として海外就職〜』を読んだのが一番のきっかけです。
東南アジアでの就職を知り、今まさに経済が伸びていく中で仕事をすることに可能性を感じました。また、就職のハードルも低く、地理的にも文化的な背景も近い。初めて海外に出るには日本人としてチャレンジしやすいし、日本人であるという強みを活かせるというのも理由ですね。
アジアの中でもベトナム・ホーチミンを選んだ理由は何ですか?
アジアで就職をしようと考えた時、BEYOND THE BORDERの岡本さんの勧めもあり、楽天での仕事をしながらも週末などを利用して東南アジアを旅しました。ちょうど転職活動を始めた2018年6月以降のタイミングです。旅をした国は、韓国、シンガポール、フィリピン、タイ、ベトナムの5ヶ国です。
その中で、タイは魅力的だけど、すでに日本人も多く希少性がない。フィリピンのマニラは英語圏という魅力はあるものの、治安の面で少し不安を感じました。シンガポールは大都会でビジネスしやすいものの、東京のように発展していて、新しくチャレンジをしたいという感覚にはなりませんでした。韓国は今回は選択肢としては上がらなかったです。
一方、ベトナムに対しては、英語圏ではないものの、高い将来性と経済の伸びしろを感じました。今の社長から言われましたが、これから5年は特に面白い時期であり、現地で働いている人たちも起業家気質の方が多いように感じました。
ベトナム料理は美味しいし、食事面、治安、生活、仕事面など総合的に判断して決めました。あと、女の子が可愛かったのも、大きな理由でしょうか。笑
ベトナム・ホーチミンの仕事内容は?
現地採用でホーチミンの情報を発信するメディアを選んだ理由は何ですか?
現在は、ベトナムのSunrise Advertising Solutions Co Ltdに入社して、週刊Vetterや年間誌などの現地フリーペーパーの企画・広告営業及びウェブメディアの運営を担当しています。
弊社を選んだ理由は、メディア事業が情報を扱う仕事で、取材や営業活動を通じて、現地の人々の生活やビジネス情報を直接知ることができ、学びが大きいと考えたからです。また、集客マーケティングという観点では、広告は前職の楽天市場で営業やECサイトのコンサルをやっていたので、その経験を活かして貢献できると感じました。
弊社としても、当時はウェブ事業を立ち上げるタイミングだったのですが、ウェブに強い人材がいませんでした。その中で、自分が入社することで大きくサービスを向上させる役割を果たせるのではないかと考えました。タイミングもよかったのだと思います。
日本で働いていたのと近い分野とのことですが、異なる点はありますか?
マーケティングは大学から学んできた関心のある好きな領域です。マーケティングという概念に出会ってから8年以上経ちますが、そこはこれからもブレない自分の軸として仕事をしていきたいと思っています。
僕が現在の会社を選んだ理由の一つが会社の規模感です。前職は大手のピラミッドの末端として仕事をしていました。そのため自分発信の提案(WILL)よりもトップダウンでの指示や業務(MUST)が多く、歯がゆい思いをしてきました。
弊社は、全社で25名程度のベンチャーで組織の全体像が見えやすく、自分の一歩が会社の一歩になっている、という感覚があります。まさに自分たちでサービスを作り上げていく経験ができるフェーズです。そのため、仕事はエキサイティングでやっていて楽しいですね。
どのようなところにやりがいを感じていますか?
営業数字を達成することはとても嬉しいですし、自分が会社の成長に貢献していると実感できる点はやりがいを感じます。チーム全体の営業成績を伸ばしたり、組織の活性化に貢献している点についても、評価をしていただいていると感じています。
また、日本とは商慣習が異なり、言語の壁もあるベトナム・ホーチミンという環境の中で、事業の仕組みや仕事の進め方自体を提案して変えていける環境で仕事ができる点についてもやりがいを感じています。
ベトナムで仕事をするようになって英語力は伸びましたか?
ベトナム就職をする時点で英語は勉強をしており、TOEICのスコアは845点でしたが、ベトナムに来てから、英語力かなり向上したと思います。仕事の商談は英語で行われますし、英語が必要となるタイミングは多いです。もちろん、社内でも英語で現地のスタッフと会話をしますし、毎日使うので伸びますね。
ベトナム・ホーチミンでの仕事や生活環境は?
(日本人も多く住んでいるVINHOMESセントラルパーク)
ホーチミンではどのようなところにお住まいですか?
住居はランドマーク81という商業施設内の部屋を友人とルームシェアしています。ジム・プール付きでテニスコートやゴルフ練習場も無料で使えて、月5万円ほどの家賃です。ホーチミンの中心から車で10分〜15分という立地で便利で快適だと思います。
こちらではどのような食生活を送っているのですか?
あまり自炊はせずに外食中心となります。ベトナムはローカルの料理も美味しいので外食が多くても比較的安く食事が取れます。また、デリバリーサービスもよく使いますね。仕事柄、クライアントとの外食も多いですし、同世代の日本人と食事をすることも多いです。
休日やアフターファイブはどのようにお過ごしですか?
ベトナムに来てからジムでのランニングや筋トレをする機会が増えました。僕のルームメイトが週5でジムに通っているので、その影響が大きいと思います(笑)。僕は週に2回の頻度ですが、自宅の1階にジムがあるので、そこによくいきます。
また、日本人のコミュニティのテニスのサークルに所属していて、テニスをすることもあります。このような日本人の趣味のコミュニティは色々あるので、こちらで就職された方は探してみると良いと思います。
それから、カフェで読書をしながら時間を過ごしたり、ベトナム語の勉強をすることもあります。
移動は手段はどのようにしているのでしょうか?
配車アプリのGrabでバイクやタクシーを掴まえて移動しています。ホーチミンはコンパクトシティなのでどこへ行くにも便利ですし、特に自分でバイクや車を持つ必要もないかもしれません。
高林さんが見据える未来とは?
現在どのような目標を持っていますか?
短期的は目標としては、現在の会社の中で新しいウェブ事業を立ち上げて軌道に乗せることです。来年は動画の制作・配信も手掛けていきたいですし、自分を中心に仕事を回して、マネタイズしていければと思います。一方で中期的な目標としては、20代のうちに起業独立したいと考えています。
今の職場はホーチミンの情報を得ることができますし、様々な人に会うことができて、自分が起業する際にもプラスになると思っています。これらは全て勉強になりますし、起業の練習にもなります。本当に良い経験をさせていただいていると思います。
将来的にどのような分野での起業を考えているのでしょうか?
今は、Webを絡めたコンサル関連の仕事をしたいと考えています。自分の提案で定量的な成果が出て、それによってお客様に「ありがとう」と感謝されたときに、やりがいを感じるからです。でも、ホーチミンには、飲食業、アプリ開発、他の分野にもチャンスは多いので、たくさんのビジネスのネタがあると思います。
ここまでのベトナムでの仕事や生活を振り返ってみてどうですか?
ベトナムに来て満足している自分もいます。でも一方で、今やっとスタートラインに立ったばかりという想いもあります。正直、ベトナムに就職してからの最初の半年くらいは苦しい時期もありました。
仕事面においても目の前のことを愚直にやりながらも、楽天時代に培った「Get Things Done」のマインドを忘れずに、より高い視座を持って仕事をしたいと思っています。
社内で与えられた数字を達成するのは当たり前。田畑さんが言うように、社内の記録に残る仕事ではなく、人の記憶に残る仕事を現職でもやっていきたいですね。
これから海外で働きたいと思う人へ
これから海外で働きたいと思う人へ一言お願いします。
もし、海外で働きたいと思っているのなら、20代のうちに絶対にチャレンジした方がいいと思います。東南アジアはめちゃくちゃ面白いです。エネルギーや勢いが凄いですし、まさに国や経済が成長している実感があるなかで仕事をすることができます。
今のベトナムは、日本の1960年代後半、高度経済成長期の中ごろの状態に近いと言われていますが、今の日本と比べても、伸びしろやチャンスが多く、それが日々見つかります。
海外で働くようになって、他に変わったことはありますか?
ベトナムで生活をして仕事をすることで、日本のことも客観的に見ることができるようになりました。そして、日本についてより興味を持つことができたと思います。
自分のことを自分で客観的に判断することが難しいように、日本国内いるよりも日本の外から見て初めて自分たちのことがわかることもあると思いました。やはり、比較対象がないとわからないですよね。
ホーチミンは若い人が多くエネルギーに満ち溢れていますし、圧倒的に発展していっています。新しいサービスや新規参入も多く、市場の変化も激しいですが、そんな中にいることで、自分もイキイキとできるし楽しいです。
ホーチミンは、面白い人たちや独立心のある人が集まっている街です。ここに来てもらえれば、日本であまり会うことができない、面白い人達と会える確率がぐんと上がります。
また、ホーチミンにはベトナム人以外のヨーロッパの方も多く多様性のある環境だと思います。是非、このような環境を求めている人には来てもらいたいですね!
(私たち)BEYOND THE BORDERのキャリアコンサルティング
高林さんは私たちBEYOND THE BORDERのキャリアコンサルティングを通してベトナム就職をされていますがどのようなきっかけでしたか?
BEYOND THE BORDER(以下、BTB)については、代表の岡本さんの著書である「キャリアシフト〜人生戦略としてのアジア就職〜」を読んで知りました。岡本さんはフィリピン・セブ在住なのですが、僕の実家である名古屋に訪問していることをSNSで知り、実際にお会いしてBTBのサービスを受けることを決めました。
BTBのキャリアコンサルティングはいかがでしたか?
地方在住であまり情報のない中、海外就職で相談できる人がいませんでした。そのような状況の中、BTBのキャリアコンサルティングのサービスは有り難かったです。
常にアジア各国の訪問し現地の最新情報を入手し、それを元にコンサルティングをしていからこそ、もらえるアドバイスをいただきましたし、感謝しています。
実際にどのようにプログラムは進んでいきましたか?
プログラムでは自己分析からスタートしましたが、とても良かったです。自分の人生観・キャリア観を改めて考えるきっかけになりました。
これまでモヤモヤしていたことを言語化できたのはよかったと思います。僕のように働きながら自分だけで自己分析をするのは難しいと思いますが、それができたことでキャリアシフトにつながったと思います。
その他にどのようなサポートがありましたか?
様々な転職のハウツーも教えてくれました。初めての転職、しかも海外への転職だったので正直不安もありました。しかし、転職する国の選定や(日本語・英語の)面接対策、職務経歴書の書き方や添削、企業の選定までプロの方に相談に乗ってもらえて助かりました。
特にオススメの人材紹介会社の紹介や、実際に企業を選ぶところまで伴走してくれたのがよかったです。本を読むだけだとわからなかったり、自分のケースに当てはめられない部分も実際にお話をしながら進められました。すごく丁寧に相談に乗ってもらえてよかったです。
今回インタビューをして感じた感想
ベトナム・ホーチミンに転職された高林さんとは久しぶりに再会してお話をさせていただいて思ったのは、彼が自信を持って現在のキャリアを歩んでいることです。日本で海外就職の相談に乗らせていただいている際には、悩んだり、迷ったりされることも多かったように感じました。
もちろん、今でもそういうこともあると思いますが、自分が正しい道を歩いているという確信、これまで成し遂げてきた自信、将来に対する期待やワクワク感を抱いていることが高林さんの言葉の端々から伺えました。
僕も高林さんのサポートをさせていただいたことに誇りを感じましたし、本当に嬉しかったです。仮にまた道に迷うようなことがあれば、友人として相談してほしいな、と思いました。高林さん、海外で挑戦する者同士、切磋琢磨しながら頑張っていきましょう!