アジア起業家

「旅行業でセブを盛り上げる!」セブでツアー会社を営む彼のモットーは“とにかく挑戦!”

こんにちは!
BEYOND THE BORDER ライターのペクです!

「なんとなく現状に違和感を感じているけど、何をしたいのかがわからない」
「明確な目標がないから挑戦できない」

そんな思いを抱えている方も多いのではないでしょうか?

もちろん、何かに挑戦するとき、それが最終的な目的に近づくための手段であることが理想的です。
しかしながら、「やってみないと分からない」部分があるのも事実ですよね。

そのような中、

「世の中の動きがとにかく速いので、いかに行動するかが肝だと思います」

そうお話して下さったのが、今回お話を伺った小山陽平(こやま ようへい)さん。

日本で仕事も趣味も私生活も充実した日々を過ごしていた小山さんですが、25歳で海外移住を決意。
以来、フィリピン留学からオーストラリアでのワーキングホリデーを経て、フィリピン・セブで海外インターン・海外就職を果たし、現在はご自身にとって転機となったセブを旅行業で盛り上げるべく、ツアー会社を営んでおられます。

「挑戦したい!」や「楽しそう!」と思ったらとにかく挑戦し、行動を重ねてきた小山さん。
「想像がつかない人生にしたい」という思いで海外移住を決意し、そこでの出会いや様々な経験を通して、ご自身の適性や挑戦したいことを見つけながら進んでこられました。

過去の経験から自己理解を深めることも非常に大切ですが、小山さんのように新しいことに挑戦し続けることで、今までに気付けなかった自身の強みや弱み、大切にしている価値観や考え方を知ることもあるのではないでしょうか?

海外就職、海外起業をご検討の方は是非ご一読下さい!

 

小山陽平さんとは?

セブでツアー会社を営む 小山陽平さん

小山陽平さん プロフィール
高校卒業後、町工場で勤務するかたわら、バンドマンやイベンターとして活動。特に、20歳から始めたイベンターとしての活動では、200人以上の集客を達成するなどの功績を残す。25歳で海外移住を決意し、フィリピン(バギオ・セブ)に3ヶ月の留学を経て、2年間オーストラリアでワーキングホリデーへ。その後再びセブへ戻り、ゲストハウスでの海外インターンシップを経て現地の旅行会社に就職し、約8ヶ月間勤務。そのかたわら、友人が運営するツアー予約システムを買収し、運営し始める。現地の旅行会社を退職した後、買収したツアー予約システムを活かし、オプショナルツアー会社“セブセレクトツアーズ”を2019年5月に設立。立ち上げ半年間で6名のフィリピン人スタッフとともに、旅行業でセブを盛り上げるべく奮闘中。
※プロフィールはご本人から頂戴した資料(紙媒体)や当日伺ったお話を基に執筆

 

「完璧な人生」から「想像がつかない人生」へ

 

── バンドマンやイベンターとして活動されていたとは・・・ユニークなご経歴をお持ちですね!

 

元々ものづくりや手を動かすことが好きで、高校から建築やデザインを専攻し、そのまま町工場へ就職しました。
たまたま当時就職した会社は社長がバンドマン、会長が海外旅行好きで、社外での活動に対して理解が大きかったんです。

音楽が好きだったので、町工場で勤務するかたわら、まずはバンドマンとして活動を始めましたね。
ただ、メンバー間の意見の相違もあり、最終的に2年ほどでバンドが活動を休止することになりまして・・・。

 

── それは残念でしたね。イベンターとして活動するようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか?

 

大好きな音楽に、大好きなイベントを掛け合わせようとDJイベントを開催することで、イベンターとしてデビューする運びとなりました。

ただ・・・20歳でイベンターとしてデビューしたとはいえ、周囲には同年代で同じようなイベンターはたくさんいました。
その中で突出した成果を上げるべく、誰もやっていないことに挑戦しましたね。
結果的にサマーソニックに出演されているような方をゲストとしてお招きしたり、企業様がスポンサーについて下さるなどして、200〜300人ほど集客できるようになりました。

本業でもきちんと収入があり、副業のイベンターとしても順調に活動、その上素敵な彼女までいて・・・(笑)、もはや「完璧」と言える日々を過ごしていました。

 

── にもかかわらず、25歳で海外移住を決意。一体何があったのでしょうか?

 

本業の町工場で一緒に頑張っていた同期が突然退職して、ドイツ・ベルリンへ行くと言い出したんです。
それを聞いて驚きを感じるとともに、直感的に面白そうだと感じ、そのまま僕も会社を退職してしまいました(笑)。

ただ、先のことは何も決めずに会社を退職してしまっていて・・・。
これから何をしようかと考えたとき、「想像もつかないような人生」にしたら面白そうだと思ったんです。

 

── 随分と思い切りましたね(笑)! 「想像もつかないような人生」にするためにそこからどのように行動したのでしょうか?

 

英語を学ぼうと海外へ飛び出すことにし、まずは当時語学留学で盛り上がっていた、フィリピンのバギオへ1ヶ月間留学に行きました。
元々20歳の頃から年に1〜2回バックパッカーとして海外旅行をしており、英語は少し話せる程度で、きちんと話せる訳ではなかったので。
それに、20歳の頃に現地の大学に留学している友人を訪ねてイギリスに訪れた際、英語を話す友人の姿がかっこよく見えて憧れていたんですよ。

ただ・・・きちんと英語を勉強してきた訳ではないにもかかわらず、1ヶ月で英語をマスターできると自分で見積もったのは甘かったですね(笑)。
結局1ヶ月では足りず、その後すぐにフィリピンのセブで3ヶ月間の留学をすることになりました。

 

── その頃からフィリピンにご縁があったんですね! セブ留学後にオーストラリアへ渡ったのはなぜですか?

 

3ヶ月の留学を終え、ある程度自信を持って英語を話せるようになったのはよかったのですが・・・。
英語を学ぶためにお金を使ってしまったことが悔しくて、今度は学んだ英語を活かしてお金を稼ごうと思ったんです。
ちょうど留学先の学校で出会った仲間にオーストラリアが面白いと言われたので、2年間ワーキングホリデーに行くことにしました。
日本よりも海外にいる方がより“自分らしい”と感じ始めたのは恐らくこの頃ぐらいからでしたね。

オーストラリアでは、とにかく貯金すること・学んだ英語で外国人の彼女を作ることを目標に、日々頑張り続けました。
そしたら・・・また順調に2つとも目標を達成してしまったんです。
何事も順調なこと自体は嬉しかったのですが、また次の目標を探さないといけないとも思いましたね。

 

次なる目標を求めてセブ移住。「セブを盛り上げたい」という強い思いで起業するまで。

ちょうど次の目標を探していた頃、親しい友人がフィリピン・セブでゲストハウスを経営するという話を耳にします。
元々ゲストハウス経営はいつか挑戦したいと思っていた上、引き続き海外で挑戦したいという思いもあったという小山さん。
これは一度見に行くしかないと思い立ち、再びセブへ渡ったそうです。

 

── 順調に進みすぎて次の目標を探していたところ、挑戦のきっかけを見つけてセブへ。当初は具体的にどのようなことをされていたのでしょうか?

 

知人の経営するゲストハウスでインターンとして半年間勤務しました。
業務を通して学べることを学びつつ、お客様の窓口となり、滞在中のサポートをさせて頂いていました。
お客様と直接向き合えるカスタマーサポートのお仕事については非常に楽しく、やりがいも感じていましたね。

ただ、業務自体はやや単調な部分もあり、自身の成長を考えるともう少しチャレンジングな環境に移るべきだと感じたんです。
そこで、今度は現地の旅行会社へ転職し、約8ヶ月間ガイドやカスタマーサポートの仕事に携わっていました。

 

── ゲストハウスで勤務後に一度旅行会社へ転職。そこから起業に至った経緯について教えて頂けますか?

 

変わらず直接お客様と向き合える仕事にやりがいを感じてはいたものの、ガイド業での伸びしろが見え始め、更に面白い事がしたいという思いがありました。

そんな折、個人でオプショナルツアー予約サイトを運営していた同僚が急遽日本に帰ることになりました。
元々経営にもすごく関心があったので、相談した末に運営していたツアー予約サイトを買収し、そのサイトを活用しながら事業を行うようになりました。
サイトを買収した段階で、感覚的に自分の力でツアー会社を経営できる気はしていましたね。

ただ、実は・・・僕が起業したことや経営者であることを自覚したのは、実際に会社登記をした後に気付かされたという感じが大きいんです。
例えば、スタッフに「社長」と呼ばれるようになることで、改めて実感するという感じでしたね。

 

── 「会社登記をした後に気付かされた」とは具体的にどういうことでしょうか?

 

勤めていた旅行会社を会社都合で退職することになり、僕にとってはセブで生き残るための術としての起業でした。
セブで腰を据えて頑張りたいという思いを実現するのに必要な仕事を失い、今後について考えたとき、今持っているものでなんとかするしかなくて・・・。
幸いにも、元同僚から買収したサイトから収益は上がっていたので、これを上手く活かそうと考えました。

もちろん、元々「いつか起業したい」という思いもありましたけどね!

 

── なるほど・・・困難な状況から強い思いを胸に、前を向いて進み続けたところがすごいと感じました。

 

当然後ろ向きになった時期もありましたよ(苦笑)。

ただ、オーストラリアで「仕事ができなければクビになる」という環境で2年間生活してきたので、日本とは違って実力主義の世界であるという前提でセブへ来ていました。
だとすると、仕方がないですよね・・・。
「自分はできる!」と示すためにも、事業を必ず成功させるんだという意地はあったかもしれません。

あとは・・・セブで腰を据えて頑張りながら、セブ島を盛り上げたいという気持ちがあったからですね。
マーケティング、WEBデザイン・・・かつて挑戦したことのないことばかりでしたが、とにかく手探りでがむしゃらに進み続けた感じです。

 

── 当然意地もありましたが、セブを盛り上げたいという気持ちも強かったんですね。その背景について教えて頂けますか?

 

僕にとってセブは海外移住を考えるきっかけとなった場所です。
フィリピンに留学していた頃、フィリピンの方々の人懐っこくて、ホスピタリティの高さに触れ、日本にはないものをたくさん持っていると感じました。
それに、留学していた頃、僕自身ストレスが少なく、健康で幸せな日々を過ごすことができたんです。

だからこそ、観光を通してもっといろんな方にセブの魅力に触れて欲しいという思いがありますし、現在の事業においてもその思いはとても大切にしています。

 

"We Share, We Happy" 現在の事業と充実した日々に迫る!

誕生日をスタッフの方々とお祝いしたときの様子(写真中央が小山さん)

 

── 素敵な思いですね! 現在の事業について詳しく教えて頂けますか?

 

フィリピン・セブ現地で観光客の方向けにオプショナルツアーを販売するツアー会社“セブセレクトツアーズ”を経営しています。
ちょうど昨年に法人登記をしたばかりで、現在は6人のフィリピン人スタッフとともに日々業務に当たっています。
他と比べて規模も大きくないので、インスタグラムで映えるような写真を撮るためだけのツアーや深夜発のフライトまでの時間を活用した市内ツアーなど、他にはないような独自路線を強めたツアーの催行に力を入れています。

どうしても価格競争になりがちな業界にはなりますが、安易に価格を下げると業界全体の首を締めることに繋がります。
数の取り合いではなく、本当のセブの魅力を伝えることで、お客様に海外旅行の行き先の選択肢としてセブを加えて頂き、もっともっとセブを盛り上げていきたいですよね!

 

── お話から「セブを盛り上げたい!」という強い思いが伝わってきます。お仕事のやりがいや楽しさについて教えて頂けますか?

 

僕自身は事業の中でも、経営者としてドライバーやガイドといったフィリピン人スタッフのマネジメントに携わっています。
ツアーを楽しんでくださったお客様の声はもちろん、そのツアーに携わったガイドやドライバーから楽しさが伝わるような報告を頂く瞬間が嬉しいですね。
事業を通して関われた方の幸せを共有して頂くことで、僕自身がどんどん幸せになっている気がします。

世の中にある大抵のことはお金で解決できると僕は思っています。
ただ、そこから得られる幸せには限りがあると同時に思ってもいて・・・。
"We Share, We Happy"と僕はよく言っていますが、楽しさや幸せを共有することで、より幸せになれると考えています。

 

── 逆に、難しさや大変さについて教えて頂けますか?

 

基本的にポジティブ思考なのか、細かい苦労はあったかもしれませんが、難しさはあまり思い浮かびませんね・・・。

強いて言うなら、これまでガイドやカスタマーサポートとして直接お客様と向き合える仕事をしていたのに対し、今はデスクワークが中心なのですごく寂しいというぐらいです(笑)。
どうしても今の仕事はマーケティング、WEBデザインが主な仕事になっているので、なかなか人と直接関わる機会が少なくて・・・。

 

── えっ・・・難しさは思い浮かばない!? 起業に際してやスタッフの方のマネジメントで困難に直面することはなかったのでしょうか?

 

フィリピン人マネジメントが難しいというお話はよく聞きますが、僕はさほど難しいと感じていません。
ただ、誕生日やクリスマスなどのイベントを通して従業員に対して感謝の気持ちを伝えたり、日頃からなるだけネガティブな感情を見せずに、お互い気持ちの良いやり取りを心掛けるなど、細かいフォローアップは常に意識していますね。

あとは、社内体制としてフィリピン人マネージャーを置き、フィリピン人スタッフの声をマネージャーからきちんと拾い上げるという仕組みにしようとしています。
フィリピンの方々は日本人の経営者に対して直接何か意見することをためらう傾向があるので、他の日系企業様を見てもその方が上手く行っている気がします。

 

── なるほど。長い海外生活の中で前向きに進み続けてこれた秘訣のようなものはありますか?

 

僕の周囲で上手く適応している方に共通して言えることでもありますが、気分転換は大切にしています。
何か嫌なことがあっても、そこに目を向けるのではなく、なるだけポジティブなことにだけ目を向けるようにする意識は必要ですよね。

ひどい渋滞、いきなり仕事をクビになる、レストランでの食事やショッピングに際しての待ち時間が長い・・・細かく見ればストレスが溜まるような状況は正直たくさんあります。
それらすべてにイライラしたり、時間を割くのは勿体ないと思っているので・・・。

これについては、周囲にポジティブな方々がいて下さっているおかげでもありますね。

 

気になる今後と海外で働きたい方へのメッセージ

 

── 小山さんご自身の今後や今後の事業展開についてはどのようにお考えですか?

 

先程やりがいについてお話したときも申し上げたのですが、周囲の人々と幸せを共有できることが僕の幸せです。
よって、常に「周囲にいる人々を幸せにする」ということは忘れないよう進んでいきたいと考えています。

来年以降、今のツアー事業については現状のまま続けつつ、飲食またはリラクゼーションのサービスを新しく提供できるよう動き始めようと考えています。
昨年は日本人観光客44万人がセブ島に来ていて、伸び率は14%程度と観光産業はどんどん伸びています。
にもかかわらず、飲食サービス、特にバーは数えるほどしかないなど、夜の選択肢が少ないように感じており、みんなが集まれるような場所を作りたいと思っています。
デスクワークが中心で少し寂しいので、作業場所を確保しつつ、人の出入りがあるような空間を作りたいという思いもあります(苦笑)。

世間の流れがすごく速いので、それ以降の目標については今は特に考えていません。
これまでの人生も「やってみよう!」と思ったらとにかく行動するスタンスで進んできました。
考え込み過ぎず、いかに行動を積み重ねるかが肝になると思っています。

 

── 確かに・・・これまでとにかく行動を続けておられますよね! ご自身の経験も踏まえ、海外で働きたい方へ何かメッセージやアドバイスをお願いします!

 

航空券も宿も安く手配できる時代なので、現地を訪れることが大切だと思っています。
事前情報で調べることも大切ですが、インターネットで情報を拾うには限界があるので。
現地を訪れて様々な方と出会う中で、従業員を探している企業や人の存在を知ることもあります。
僕自身も知人の紹介でお仕事をさせて頂いていた経験もあり、現地で人の繋がりを作っていくことも大切だと思っています。

あとは、経営者としての目線でも、ご自身のキャリア形成という観点でも、最低でも1年以上は腰を据えて頑張って欲しいと思っています。
そのためには、スキルに見合った収入を得られる仕事を選ぶことが大切です。
海外への憧れだけで就職し、十分な収入を得られずに帰るケースも散見されるのがすごく悲しいと感じています。

 

まとめ

いかがでしたか?

「考え込み過ぎず、いかに行動を積み重ねるかが肝」
そのお言葉通り、「面白そう!」や「挑戦したい!」というご自身の気持ちに素直になって行動を重ねてきた小山さん。
起業のスタイルも「やりながら学ぶ!」だったいうお話からも、ご自身が定めた目標に向けて手探りでも進み続ける力強さが感じられました。
途中小さな苦労もきっとたくさんあったと思いますが、なるだけ物事のポジティブな側面に目を向けながら、前向きに進む姿が印象的ですよね!

事業に関する思いもとても素敵で、お客様や従業員の方をはじめ、周囲の方々を幸せにしたいという気持ちやご自身の人生の転機となったセブを盛り上げたいという強いお気持ちがたくさん感じられた取材でした。
そんな小山さんが手掛けるツアー、いつか必ず参加してみたいものです。

小山さん、改めてこの度は素敵なお話をお聞かせ頂きまして、本当にありがとうございました!
事業の益々のご発展と小山さんの今後の活躍を心より祈念しております。

*今回ご紹介した小山さんが経営する“セブセレクトツアーズ”のホームページは>こちら
*小山さんのSNSはこちら>InstagramTwitter

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Jiyoung Baek

セブ留学がきっかけで東南アジアの虜に!! フィリピン・セブでの海外インターンを経て、ベトナム・ハノイで海外就職。約2年に渡って大好きな東南アジアで働きながら、旅をする生活をしていました。 現在は自身の海外経験を基に、旅するインタビュアーとして海外で活躍する方々を取材し、「海外で働くとは」について発信することで、海外で働きたいけど一歩踏み出せない方に挑戦のきっかけを作るべく奮闘中。 どんなときもアジアの眩しい陽射しのような笑顔を忘れず、頑張っています! 日々大事にしていること「やらない後悔よりやって後悔、何でもやってみる!」