海外起業をする際に絶対に気をつけるべき5つリスク

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先日、「起業を志すなら「国内起業」より「海外起業」の方が難易度が低い5つの理由」というタイトルの記事の中で、「海外起業」のメリットについて書いてみました。

具体的なメリットについては次の5つになります。

①市場が成熟しておらずしかも伸びているのでチャンスが山ほどある。
②日本で起業するよりも競合が弱い、もしくは少ない。
③日本のサービスを提供すれば質がそこそこでも売れる。
④物価が安いので初期投資が安く済む。
⑤物価が安いので生活維持コストが非常に低い。

しかし、海外での起業にはメリットだけではなく、起業に伴う海外特有のリスクやデメリットもあります。私はフィリピンのセブで英語の語学学校を設立して運営していますが、海外特有の様々なリスクや苦労を強いられることも多々あります。以下そのリスクやデメリットについて書いていきたいと思います。

①現地の複雑な法制度を理解してビジネスをしないと非常に危険であること

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海外にせよ、国内にせよ、事業を行うには様々な法律に従う必要があります。例えば会社法(商法)、税法、労働法、さらには各種の条例や海外企業に対する特有な規制にも対応しなければなりません。また、そもそも発展途上国においては法整備自体に不備があることも多々あります。私はフィリピンで事業を行っていますが、法律自体が非常に複雑ですし、日本にはない法律や慣習も多いため、対応するのに苦労しています。個人や企業単体でこのような法律的な知識をつけて対応するのはほぼ不可能ですので然るべき専門家を雇って対応することが必要になります。しかし信頼出来る専門家を選ぶ事自体難しい問題ですし、きちんとした専門を雇うにはそれなりのコストがかかります。もちろん、制度自体を理解するために勉強する必要があります。このような法的な問題を理解せずに無視してビジネスを行うと現地当局に摘発されて罰金を取られたり、最悪の場合、海外退去や禁固刑などの処罰の対象になってしまいかねません。私の回りでも法律の理解や遵守の必要性の認識が十分ではなかったため、ビジネス自体が駄目になってしまった例を多く見ています。

②日本企業を騙そうとする人や不誠実な役人の存在

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海外でビジネスを行う外国人は基本的にはとても弱い立場に置かれる事を理解しておいた方が良いと思います。私たちは海外に行くと外国人になります。当然、現地に慣れていなかったり、無知であることも多いため、外国人や外国企業を騙そうとする人に食い物にされる恐れがあります。また、「現地の複雑な法制度を理解してビジネスをしないと非常に危険であること」でも述べたように法律的な無知はそういった人たちに付け入るスキを与えてしまうこともあるかもしれません。さらには役人が賄賂を要求してくることも多々あります。私も海外で事業を興す際には本当に苦労をしました。日本では信じられないようなことが普通に起こるのが海外です。この点については用心して用心しすぎる事はないでしょう。

③日本のサービスがそのまま受け入れられるとは限らず現地に適したものに合わせる必要があること

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現地の人へのサービスを提供する場合、日本でのやり方をそのまま適用させてもうまくいかない場合はよくあります。例えばレストランを展開する場合、現地の人の好みや趣向を調査するのは当然ですし、商品やサービスの見せ方を工夫したりする必要があります。また販売価格もきちんと考慮しないと現地の人が手がでない値付けをしてしまうかもしれません。さらには文化や慣習の違いも理解しないと思わぬトラブルに巻き込まれてしまうかもしれないので注意が必要です。最近、中国で餃子の王将が撤退したというニュースが流れましたが、日本でうまくいったモデルをそのまま持ち込んでも難しいという例の一つでしょう。

④人件費や物価の高騰や為替リスクの存在

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最近は脱却したと言われてはいるものの、デフレ経済に慣れてしまった私たち日本人にはイメージできないかもしれませんが、海外、特にほとんどのアジア地域では物価の上昇は著しく、毎年5〜8%の物価上昇は珍しくありません。特に賃金については物価上昇のスピードに輪をかけて早い場合もあります。国によっては政府による最低賃金の引き上げや労働組合によるストライキによる賃上げ要求が激しいこともあります。また、海外の労働者は賃金や待遇に不満があるとすぐに仕事を辞めて転職してしまいます。この点についても考慮する必要があるでしょう。
 さらに為替相場の変動についても考えておく必要があります。この記事を執筆している時点では急激な円安が進んでいますが、このような相場変動によって利益の半分がすっ飛ばされてしまうこともあります。為替については日本国内にいるとあまり意識をしないかもしれませんが、非常に大きなリスク要因になります。

⑤インフラの未整備や治安の問題

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海外、特に発展途上国でのビジネスを行う上で、インフラの未整備や治安の問題は避けて通れません。国や地域によっては電気や水道、インターネット接続といったビジネスや生活をする上で不可欠なインフラであっても供給が不安定なこともあります。私が住んでいるフィリピン・セブでも最近は良くなっているものの、時々停電や断水となることがあります。さらに国や地域によっては治安が心配されることもあります。これらの情報は事業を行う前に事前に調べる事も可能ですし、いざという場合を想定してある程度対策を講じる事もできると思います。

リスクを事前に想定することは大事だが必要以上に臆病になる必要はない

ここまで海外で事業を行うリスクについて書いてきました。しかし、私はリスクを事前に想定することは大事だが必要以上に臆病になる必要はないと思っています。どんなに心配しても、対応策を取ったとしてもリスク自体をゼロにすることはできませんし(小さくはできますが)、想定しない事はビジネスを行う上で必ず起こります。それなのに起こってもいないことばかりを考えていると一歩も前に進めなくなってしまいます。ある程度、事前にリスクについて把握したら、後は何か起こった時に善処する、というスタンスで良いと思います。「起業を志すなら「国内起業」より「海外起業」の方が難易度が低い5つの理由」でも述べましたが、海外就職・転職だけではなく、海外起業もこれからどんどん一般的になってくるかと思います。海外にはまだまだたくさんのチャンスがあります。是非、一歩踏み出して下さい。

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About Author

岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒

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