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転職エージェント訪問記:【マレーシア】Pasona HR Malaysia Sdn Bhd

Pasona HR Malaysia Sdn Bhdとは?

世界14ヶ国、54拠点を構えるパソナグループのマレーシア拠点。
日系企業のグローバル人材ニーズに応えるべく、人材募集のサポートを中心に、研修教育サービス・アウトソーシング・人事労務ホットラインサービス・適性検査(内田クレペリン検査)・HR関連セミナーでの情報提供など、幅広いHRサービスを展開。
人材紹介グループでは、日本人スタッフが4名、マレーシア人スタッフが15名で日々業務を行っています。

オフィスはMRL Bukit Nanas駅至近のBangkok Bankビルの中にあり、大変便利な立地です。

※当日伺ったお話とパソナマレーシア 会社概要を参照し、執筆。

 

ご担当の方にお話を伺ってきました!

パソナ マレーシア

社内の様子(パソナマレーシア様より頂戴しました)

 

今回お話を伺ったのはご担当の夏秋様。
求職者支援・企業様の支援の双方に携わっており、今年でマレーシア在住歴4年目になるそうです。
とてもお話しやすく、ひとつひとつのご質問に対して、大変丁寧にご回答下さる方でした。
そんな夏秋様にマレーシアの就職状況についてたっぷり伺ってみましたので、是非ご一読下さい!

 

マレーシアの現状について

最近のマレーシアの経済状況や日系企業の進出状況について教えて頂けますか?

 

マレーシアの経済は現状大幅に伸びている訳ではありませんが、停滞してはいないという状況です。
実際GDPの成長率に着目すると毎年4~5%は伸びており、国としても先進国入りを目指しています。(JETRO マレーシアの基礎的経済指標ページを参照。)

なお、日系企業については進出する企業様もあれば撤退する企業様もあり、横ばいと言えます。
1990年代から2000年代にかけて製造業を中心に多くの企業様が進出されていましたが、製造業については現在減少傾向にあります。
一方、流通・サービス業が2000年代中頃から増え始め、現在も増加傾向にありますね。

 

そのような中、日本人の求人状況についてはいかがでしょうか?

 

2018年の政権交代以降、ビザ取得の難易度が上がっており、企業が外国人を雇用するのが難しくなってきています。
よって、企業も日本人の方よりも日本語が話せるマレーシア人の方の雇用を増やしている傾向があります。
ただ、語学力不問、未経験でもご応募ができる求人もありますし、日本人向けのコールセンターのお仕事は増加し続けています。

 

日本人の求人状況について

マレーシア 日本人 求人状況

 

なるほど。求人の多い業界はどのような業界でしょうか?

 

先程日系企業の進出状況についてお話した際、製造業の進出については減少傾向にあるとお話したものの、マレーシアの産業の中でGDP比率が最も高いのは製造業であり、求人についても依然製造業が多いという状況です。

また、IT産業についても進出が盛んで、最近増えてきているITサポートのコールセンターを含めると多くの割合を占めます。
BPOといわれるビジネスの進出が顕著で、コールセンターや総務・経理・人事といったバックオフィス業務に関するシェアサービスの進出も進んでおり、日本人の需要もかなり高まっています。

 

職種についてはいかがでしょうか?

 

職種としては、やはり営業職が多いですね。
海外で日本人を採用する目的は、日本人のお客様に対して、日本と同様のきめ細やかな対応をするためです。
そのため、BtoBの営業職、BtoCのカスタマーサポート職はとても高いニーズがあります。
なお、ここでいうカスタマーサポートにはコールセンターや経理・人事のシェアサービスを含みます。

エンジニアについては、製造業系の技術職・ITエンジニアともに需要は高くなっています。

※補足:マレーシアで最近増えている経理や人事のシェアサービスについて※
近年日本の大手企業などが、世界全拠点の経理や人事等のバックオフィス系業務を一元管理するための企業をマレーシアで新設するケースが相次いでいるようです。
この背景には、シェアサービスやコールセンターなどの情報通信技術(ICT)企業に対するMSCステータスという税制や外国人労働者のビザ発給に関する優遇措置があります
業務としては本社や各拠点からの連絡を受け、その要望に応えていくという要素が強く、カスタマーサポートに近い業務になります。

 

勤務地についてはいかがでしょうか?

 

大体8割程度がクアラルンプールでの勤務で、その他が2割程度でしょうか。
コールセンターの場合は圧倒的にクアラルンプールで勤務するケースが多く、ペナンで勤務する場合は製造業・物流関連の企業様が多いですね。

 

求められるスキルや経験について教えて頂けますか?

 

一定レベルの英語力があることが前提条件となります。
ビジネスレベルまで到達していなくても、最低限の社内コミュニケーションが取れるレベルは求められれます。
求められる英語力については企業様にもよりますが、TOEIC700点以上であれば紹介できる企業様は多くなり、業界や職種の選択肢も増えます。

あとは、営業経験があると望ましいです。
これについては必ずしも同業種である必要はなく、異業種での営業経験でもよいとされるケースがほとんどです。
特に、法人営業の経験があるとさらに有利ですね。

営業職での就業に不安を感じる方をよくお見掛けしますが、マレーシアでの営業は日本人コミュニティでの繋がりを活かしながらの営業するなどで、日本での営業活動と比較して、ハードルは低いように思います。
営業経験がなくても、人と関わるのが好きということでれば是非挑戦して欲しいと思っています。

 

ビザの発給要件についてはいかがでしょうか?

 

一般的なビザの取得要件については、以下の通りです。

  • 四年制大学卒業の場合:3年以上の職務経験
  • 短期大学卒業の場合:5年程度の職務経験
  • 高校卒業の場合:7年程度の職務経験

ビザの発給要件が上記の通りなので、20代後半から30代前半の方を求める企業様が多いですね。

 

マレーシアでの生活・待遇について

 

現地採用として採用された場合の月額給与について教えて頂けますか?

 

年齢によって給与が変わるということはほとんどなく、6,000~8,000リンギット(約156,000~208,000円)が一般的な相場です。
マネージャークラスの方であれば、8,000~12,000リンギット(約208,000~312,000円)が相場ですね。
ビザの発給に数年の職務経歴を要しますので、新卒の方にご紹介できるお仕事はMSCステータスを持ったコールセンター、あるいはシェアサービスのみとなります。

コールセンターの場合の給与はプロジェクトごとに異なり、英語があまり必要にならないプロジェクトで6,000~7,000リンギット(約156,000円~182,000円)程度、英語でアウトバウンドコール(営業電話)が掛けられるレベルの方であれば、8,000~9,000リンギット(約208,000円~234,000円)程度になることもあります。
他社と給与比較をして競争力のある給与設定にしているため、コールセンターにおける人材需要・人件費が高騰していますね。

なお、ここまでのお話はすべて額面給与ですので、そこから累進課税制に基づき税金が引かれる形となります。
税金は大体月額5,000~6,000リンギットの方で11%程度ですが、最初の6ヶ月間については非居住者とみなされ、28%差し引かれます。
こちらについては、マレーシア滞在が1年のうち183日を超え、居住者として認められた段階で超過分については還付されます。

※レートについては、1リンギット=約26円で計算(以下も同様)。

 

賞与についてはいかがでしょうか?

 

毎年11月〜1月にかけて1回支給されるという企業様が多く、賞与の額としては大体月給の1〜2ヶ月分という企業様がほとんどです。
賞与を年2回支給したり、多いところだと5ヶ月分支給するという企業様も中にはあります。

 

保険、年金、その他の待遇についてはいかがでしょうか?

 

日本のような国民皆保険制度はありません。
医療保険については、入院・手術が保証される保険に加入していることが一般的で、外来に関しては年間1,000~2,000リンギット(約26,000~52,000円)程度の範囲内で企業様側が負担するというケースがほとんどです(医療補助と言われる福利厚生)。

こちらもコールセンターについては待遇が手厚く、入社時の片道航空券を負担するという企業様もあります。

 

通勤や交通費についてはいかがでしょうか?

 

交通費については支給されない企業が多いです。
営業職の方であれば、営業用に支給される社用車で通勤するというケースが多いですね。
この場合、ガソリン代は会社負担となります。

営業職以外の方であれば、オフィスから徒歩圏内に住むか公共交通機関を使って通勤されています。
コールセンターのようなシフト勤務の場合は、深夜の勤務がありますので、公共交通機関がない時間帯はタクシーで通勤されていますね。

なお、クアラルンプール近郊での勤務の場合、営業職の方であれば社用車支給のため問題はありませんが、事務職の方の場合はご自身で車で移動できる方でないと難しいとされるケースもあります。

 

家賃はどの程度掛かるのでしょうか?

 

大体1,800~2,500リンギット(約46,800~65,000円)程度が相場です。
1,800~2,000リンギット(約26,800~52,000円)程度でスタジオタイプが中心、2,500リンギット(約65,000円)ほど出せば1LDKのコンドミニアムに住めます。
また、コンドミニアムにはジムやプールが付いていますし、家具・家電も備え付けです。

 

日本にいる頃よりも待遇が下がるケースもあると思いますが・・・。
問題なく生活できるのでしょうか?

 

物価も基本的に高くはありませんし、食費もローカルフードであれば大体1食200~300円程度で抑えることが可能です。
日本食については日本と同じくらいの値段なので、ローカルフードと日本食のバランスを上手く取りながら生活している方が多いように思います。
ただ、お酒は高いので、お酒がすごく好きな方は大変だと思われます(苦笑)。

 

マレーシアで働くとは

 

夏秋さんご自身がマレーシアで約4年間ご勤務されていますが、
マレーシアでの生活はいかがですか?

 

仕事でもプライベートでも基本的に英語を使っているので、英語のスキルは上がったと実感しています。
また、同じマレーシア人でもマレー系・中華系・インド系と分かれていますし、世界の様々な国からマレーシアへ移住してきている方がいらっしゃるので、多種多様な文化に触れることができます。
そのおかげで、日本を客観的に見られるようになりました。
日本の文化や価値観にとらわれず、文化的背景の異なる人達の意見を尊重し、その中でも自分の意見はしっかり伝える努力が必要だと感じ、日々学んでいます。

 

語学の面でも人間性の面でも成長を実感しながら充実した日々をお過ごしなんですね!
逆に、大変なことや難しいことはありますか?

 

私自身は、公的機関の担当者ごとに言っていることが違うことに最初はよく戸惑いましたし、こちらの仕事の進め方に慣れるのに苦労しました。
責任を転嫁し合うような部分があったりもしたので、「すべては自己責任」という意識を持って、徹底的に確認をするようになりましたね。

また、一般的に仕事面で言われているのは、以下2点でしょうか?

  • 社員教育の制度が確立されている企業が少なく、日本で働くより早期で現場担当に就くケースが多い
  • 現地の方々よりも高待遇での雇用となるため、早期に高いパフォーマンスが求められる

 

当然海外なので大変なこともありますよね・・・。
余暇についてはどのようにお過ごしですか?

 

比較的仕事とプライベートに区別があるので、残業が少なく、プライベートの時間を多く持てている方が多いように思います。

娯楽は少ないと言われるクアラルンプールですが、中心地にはお洒落なカフェやバーストリート、超大型ショッピングモールなどがあり、アフター5も充実すると思います。
日本人コミュニティでのサークル活動も盛んですし、いろんな国の方がいらっしゃり、マレーシア人の中には日本語を学びたい方も多いので、Language Exchangeに取り組む方もいらっしゃいますね。

また、格安航空会社のAir Asiaはマレーシアの航空会社なので、日本をはじめ、オーストラリア、インド、アジアの国々に安価で訪れることができます。
周囲で旅行好きの人は、ほぼ毎月いろんな国に出掛けたりされていますね。

 

マレーシア就職をご検討の方へのメッセージ

 

私生活も仕事も充実しそうですね!
最後に、マレーシア就職をご検討の方にメッセージをお願いします!

 

英語力に自信はないけど英語力を伸ばしたい、英語をビジネスで使用しながら異文化を理解したい方には是非マレーシアへお越し頂きたいです。
マレーシア人にとっても英語は第二言語なので、ご自身で努力をしながら英語力を伸ばしていこうとする方には非常的に魅力的な環境だと思っています。

「転職」は、人生の転機です。
その大事な転機を任せて頂けることを、とても嬉しく思っております。
今後のキャリアプランを一緒に考えて作り、マレーシアでの生活環境を含めてご相談・アドバイスをさせて頂いております。
何かお困りの事があれば、パソナまで一度お気軽にご連絡ください!

 

まとめ

いかがでしたか?

今回のお話から、多民族国家という環境で様々な文化に触れながら視野を広げつつ、公私ともに英語を使う頻度も高い環境で、成長を実感しながら充実した日々をお過ごしになっている様子がたくさん伝わったのではないでしょうか?
日本よりも営業活動におけるハードルも低く、未経験から営業職に挑戦できるという点でも、新しい環境で新しい仕事に挑戦したい方にとってはすごく魅力的な環境なのではないかと思いました。

夏秋様は一つひとつのご質問に大変丁寧に、真摯にお答え下さる様子が印象的でした。
マレーシア就職をご検討の方は是非パソナ マレーシアへお問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?

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Jiyoung Baek

セブ留学がきっかけで東南アジアの虜に!! フィリピン・セブでの海外インターンを経て、ベトナム・ハノイで海外就職。約2年に渡って大好きな東南アジアで働きながら、旅をする生活をしていました。 現在は自身の海外経験を基に、旅するインタビュアーとして海外で活躍する方々を取材し、「海外で働くとは」について発信することで、海外で働きたいけど一歩踏み出せない方に挑戦のきっかけを作るべく奮闘中。 どんなときもアジアの眩しい陽射しのような笑顔を忘れず、頑張っています! 日々大事にしていること「やらない後悔よりやって後悔、何でもやってみる!」