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転職エージェント訪問記:【シンガポール】パーソル シンガポール

パーソル シンガポールとは?

日本の人材業界最大手であり、アジア12ヶ国の国と地域に展開するパーソルグループのシンガポール拠点。
アジア太平洋地域のPERSOLのブランドは、日本のPERSOL Groupと米国Kelly Serviceの合弁会社であるPERSOL KELLY社のもとで運営をされており、PERSOL Singaporeも人材紹介、人事コンサル、派遣・契約社員のご紹介まで、幅広い事業を展開しています。
各拠点が連携し、日系企業だけではなく、ローカル企業や外資系とのつながりを活かして、幅広く提案ができるのが強みです。

オフィスはDowntown駅至近にあり、大変便利な立地です。

パーソル シンガポール会社概要をもとに執筆。
また、アイキャッチ画像につきましては、パーソル シンガポール様より頂戴したものを使用しております。

 

ご担当の山本様にお話を伺ってきました!

パーソル シンガポール 山本様

今回お話を伺ったのは、ご担当の山本様。
現在シンガポール在住歴は約3年、明るく笑顔でとても楽しそうにお話される様子が印象的。
和やかで親しみやすい雰囲気の中、たっぷりとお話を伺ってきました。
是非ご一読下さい!

 

シンガポールの現状

 

最近のシンガポールの経済および採用状況について教えて頂けますか?

 

今年は特に、金融業界が苦戦をしていたように感じています。
周辺国と比較してある程度発展している国なので、これから飛躍的に伸びる訳ではないですが、引き続き大幅に経済が落ち込むということもないと思います。
ただ、人材マーケットについては、慣習的に定期的な人の入れ替わりは発生するため、若干の前後はあるものの、採用数もある程度は見込めるのではないでしょうか。

 

日系企業の進出状況についてはいかがでしょうか?

 

日系企業の進出についても伸びておらず、むしろローカル化・縮小化を進めているという状況です。
シンガポールが外国人の雇用を規制しているという背景もあり、元々シンガポールに拠点を置いていたにも関わらず、他国へ拠点を移す企業様も散見されます。
社内のローカライズが進んでいることから、採用する人材もより高い語学力や専門スキルが求められており、求職者様にとっては一気に自身の成長を目指すチャンスになるかもしれません。

 

シンガポールにおける日本人の求人状況

 

日本人の求人が多いのはどのような業種になるのでしょうか?

 

無形商材を扱う企業様よりも有形商材を扱う企業様の方が割合としては多いですね。
なかでも、電子系や半導体を中心とした製造業が多く、IT業界の求人も少し見掛けます。
お仕事を探される際、業界にこだわるよりも職種で見て頂いた方が可能性が広がると思います。

 

なるほど。では、日本人の求人が多いのはどのような職種になるのでしょうか?

 

営業やカスタマーサポートなど、フロントラインの求人が中心です。
バックオフィス系の職種についてはビザの発給が難しく、求人はあまり多くありません。

 

ビザの発給要件につき、詳しく教えて頂けますか?

 

シンガポールの就労ビザについては、EPとSパスの2種類あります。
それぞれについてご説明させて頂きますね。

 

EP(Employment Pass)

学歴や年齢、職務経歴によって定められる給与基準を満たした場合にのみ発給されます。
発給基準を満たすか否かについては、シンガポール労働省(MOM)のホームページから必要事項を入力すれば、どなたでも自己評価することが可能です。

なお、一度EPで就労ビザが発給された場合でも、EPの発給基準は年齢とともに上がっていきますので、更新時に規定の給与額を満たせず、更新できない方もいらっしゃいます。

 

S Pass

給与基準については、2,300SGD(約179,400円)以上と要件は緩やかではあるものの、発給のためにはその他にも細かい要件を満たす必要があります。

・外国人1名に対して、シンガポール人(国籍所有者または永住権所有者)7名を雇用する必要がある。
・Sパス保持者の人数により、企業側が300~600SGD(約23,400~46,800円)のLevy(外国人雇用税)を企業が負担し続ける必要がある。

よって、EPでの更新が難しく、Sパスで就労ビザを更新する場合でも、Levyを含めると、その方に掛かるトータルコストがEP取得基準を満たす場合とさほど変わらないケースもあり、企業側が敬遠するケースもあります。

また、Sパスの発給枠ギリギリまで使用されている企業様でSパスで就労している場合、現地の方々の退職等で更新が難しくなるケースもあります。
Sパスで就労される場合は、会社の人数、うち外国籍社員の人数、そしてご自身がSパス取得者の何枠目なのかを、エージェント経由で必ず確認するようにして下さい。

※レートについては、1SGD=約78円で計算(以下同様)。

*補足*
なお、S Passの発給要件については来年から一部変更があるようです。
就労ビザ取得に関する最新情報については常に現地の転職エージェント様へご確認下さい!

 

発給要件はかなり厳しいですね・・・。
ビザ発給要件を踏まえた上で、求められるスキルや語学力について教えて頂けますか?

 

シンガポールの転職市場で今最も求められている方は、冒頭申し上げた通り、英語が堪能で、営業のできる方です。
語学力についてはTOEICで言えば850点以上、日常のコミュニケーションはもちろん、会議に英語で参加できる、英文の契約書を問題なく理解できる程度の英語力は必要になります。
営業経験については、3年程度の営業経験があれば問題なく決まっている方が多いと思います。

 

シンガポールのはビザ更新のハードルも高く、就職しても努力が欠かせないと思います。
シンガポール就職を果たした後に身に着けるべきスキル等はあるのでしょうか?

 

後で身に着けられるハードスキルよりも、ソフトスキルをしっかりと磨いた方がいいように思います。
どの企業様においてもローカライズが進んでいるため、上司や同僚はもちろん、お客様がローカルの方というケースもよくあります。
そのような中、真面目で勤勉、きめ細やかなフォローといった日本人の良さをいかに活かしつつ、ローカライズができるかがここで生き抜く上でのポイントだと私自身強く感じております。
実際に採用の現場でも、多少不足しているスキルの部分をコミュニケーションスキルの高さで補える方が採用される傾向が高いです。

まずはいろんな事に積極的に挑戦し、周りを巻き込みながらお仕事をしていくことで、海外でしかできないスキルを身に着けられるのではないかと思います。

 

シンガポールにおける生活や待遇

シンガポールのMRT車内の様子

 

現地採用社員として採用された場合の給与はどの程度なのでしょうか?

 

新卒や社会人経験2年未満の方で3,200~3,500SGD(約249,600〜273,000円)程度、20代後半〜リーダークラスの方で、4,200~5,300SGD(約327,600~413,400円)程度となっています。
大手企業の拠点長となると、ほとんどが駐在員となってしまうのですが、現地採用のマネージャー職の方であれば7,000~8,000SGD(約546,000~624,000円)程度が相場ですね。

ここから税金が差し引かれる形とはなりますが、シンガポールの場合は税金は年に1度(年末締め・翌年6~8月頃支払い)支払う形となり、金額もさほど大きくはありません。
そのため、実際に手元に残る金額は日本より断然多いと思います!

 

家賃と物価がかなり高いので、貯金ができるか不安だと感じていました。

 

確かに家賃は高い(詳細は後述)のですが、携帯代等も安いですし、家賃にすべて光熱費も含まれている場合が多いので、固定費はさほど掛かりません。
海外旅行などに頻繁に行く方でも、近隣国であれば旅費は安価ですし、国内では食費が主な出費になりますが、中には1,000SGD(約78,000円)ほど毎月貯金できているという方もいらっしゃるようです。
日本側で出費(保険や奨学金など)がない限り、生活に困るということはなく、シェアハウスに抵抗がない方であれば、日本よりずっと充実した生活が送れるのではないでしょうか。

 

なるほど、ありがとうございます!
保険や年金、その他の待遇についてはいかがでしょうか?

 

残念ながら、日本のような年金や保険制度は外国人にはありません。
しかしながら、診察料についてはMOM(労働省)ルールに基づき、会社にて全額負担が基本です。
その他の薬代については企業様により異なっており、グループ保険に加入している企業や、年で上限額を決めてカバーされている場合もあります。

健康診断については、カバーされている企業様は少ないですが、その他の福利厚生で現金でカバーしてくれるケースもあります。
日本の保険もあとから請求できる場合があるので、ご自身がお持ちの保険等を事前にきちんと確認されてみてはいかがでしょうか。

 

家賃についてはどの程度必要でしょうか?

 

シンガポールの家賃は高いとよく言われますが、最近は住宅の建設が進み、以前より物件も増えていることから徐々に下がっていると聞いています。

一般的に一人あたり1,000~1,500SGD(約78,000~117,000円)程度の家賃で、ルームシェアでお住まいです。
お一人で住もうとすると、1,500~2,000SGD(約117,000~156,000円)程度は掛かってきますね。
ただ、あくまで参考程度ですが・・・私は1,100SGD(約85,800円)ほどで1人で住んでいるので、掘り出せば1,500SGD未満で1人で住めるお部屋が見つかるかもしれません。

新卒や経験の浅い方であれば、基本的にはシェアでお住まいです。
この場合、HDB(シンガポール人を対象とした公団住宅)で大体一人あたり500SGD(約39,000円)、コンドミニアムで一人あたり750SGD(約58,500円)程度の家賃です。

 

通勤や交通費についてはいかがでしょうか?

 

基本的に電車やバスといった公共交通機関で通勤します。
遠くても片道約1時間程度の距離に住まれていますし、電車の本数も多いので、日本ほどの通勤のストレスはありません。
会社からの交通費支給がないケースが多いですが、多くても1ヶ月70~80SGD(約5,460~6,240円)なので、さほど大きな負担にはならないと思います。

 

シンガポールで働くとは

 

山本様ご自身も3年シンガポールで就業されておられますが・・・。
シンガポールでの生活はいかがですか?

 

社内もお客様もローカル化が進んでいることが多く、ローカルの方々とやり取りをすることが増えています。
多様なバックグラウンドを持った方とお仕事をすることで、様々な価値観や考え方に触れられ、日々新たな気付きを得られるのが一番の魅力だと感じています。

また、ワーク・ライフ・バランスがしっかりしているので、メリハリをつけて仕事に臨めるのもいいですよね。
当然それゆえの難しさや葛藤も少しはありますが・・・(苦笑)。

 

例えば、どんなことでしょうか?

 

こちらはワーク・ライフ・バランスを気にする方が多く、担当領域以外の業務に携わることに抵抗を感じる方が多いという印象があります。
もう少し融通が利くといいなと思うときも正直ありますが(苦笑)、良く言えば、プロフェッショナル意識が強いと言えるかなと思いますね。

また、これは日本人ならではだと思うのですが、日本側の企業文化とローカルの企業文化の板挟みになって身動きが取れない事例はよく聞きますね。
日本人として入社する以上、日本の常識や働き方が求められる部分もあれば、シンガポールの文化に上手く適応すべき部分もあり・・・。

ただ、いずれも文化の違いのひとつとして受け入れて頑張ることが経験だと思っていますし、その適応力や柔軟性はかなり身に着いたと実感しています。
難しさも含めて楽しいと思いながら日々を過ごしていますよ!

 

素敵ですね!そんなご自身のご経験も踏まえて、
シンガポール就職をご検討の方へメッセージをお願いします!

 

まずは、「なぜ海外で働きたいのか」を明確にすべきだと考えています。
日本で働く場合と違って、会社だけでなく、その国の文化・食生活・・・など適応しないといけないものが多いので、ある程度強い意思を持ってチャレンジをして頂くことで、様々な困難も乗り越えられると思います。
せっかく海外で就労できるチャンスを手に入れられたので、最低でも2~3年ほど経験を積み、次のキャリアにその経験を活かせるようになってこそ、心底「海外に出てよかった」と思って頂けるのではないかと私は思っています。

逆に言えば、ある程度明確な目的をしっかり持つことができていれば、業務経験が若干足りなくても採用されるケースもあります。
この国で精一杯ご活躍いただくためにも、明確な目的意識や意志の強さが面接官に見られているケースがあると感じています。

あとは、先程もお話しましたが、あまり業種にこだわってしまうと就職活動が難航する場合があります。
業種ももちろん重要ですが、「自分にとって何を最優先にするのか」という取捨選択が重要だと感じています。

今日はやや厳しいお話もお伝えしましたが、多様なバックグラウンドを持った方と切磋琢磨しながら、ダイナミックなお仕事ができるチャンスがシンガポールにはあります!
シンガポール就職に挑戦したい方は是非弊社へお問い合わせ下さい!

 

まとめ

いかがでしたか?

ビザ取得のハードルが高く、語学力も求められるビジネススキルも非常に高いシンガポール。
お客様や会社から求められる能力も高く、自分の力量で対処できないようなことに直面することもあるそうです。
ただ、そのような環境で鍛え上げられることで、「どこででも生きていける」という自信やスキルが身に着く環境のように感じました。

厳しい現実を伝えながらも、シンガポール就職をご検討されている方を後押ししたいという思いが強く感じられた山本様。
取材後、日々シンガポールで生活ができることに感謝をしながら前に進んでいるという、素敵なお話もお聞かせ頂きました。

シンガポール就職をご検討の方は是非一度パーソル シンガポールへお問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?

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Jiyoung Baek

セブ留学がきっかけで東南アジアの虜に!! フィリピン・セブでの海外インターンを経て、ベトナム・ハノイで海外就職。約2年に渡って大好きな東南アジアで働きながら、旅をする生活をしていました。 現在は自身の海外経験を基に、旅するインタビュアーとして海外で活躍する方々を取材し、「海外で働くとは」について発信することで、海外で働きたいけど一歩踏み出せない方に挑戦のきっかけを作るべく奮闘中。 どんなときもアジアの眩しい陽射しのような笑顔を忘れず、頑張っています! 日々大事にしていること「やらない後悔よりやって後悔、何でもやってみる!」