マレーシアにおける就職・転職活動の手順
1.マレーシア就職・転職の手順
マレーシアへの就職・転職活動は概ね下記の手順で進めていきます。海外就職をするということは今後のキャリアを考える上で非常に重要な決断になります。私は多くの海外就職を果たした方とお会いしお話をしてきましたが、成功している方はこれまでのキャリアの棚卸しや転職後の人生の方向性も含めてとても戦略的に海外転職活動を進めていました。後悔しないためにもじっくりと時間をかけて転職活動を行っていきましょう。
1.これまでのキャリアの振返りと今後のキャリア戦略を考え、海外就職する国を決める。
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2.複数のマレーシアの就職エージェントへの登録
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3.履歴書の作成及び転職エージェントとのSkype面談
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4.現地企業の紹介及びSkype面談
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5.現地での最終面談
2.これまでのキャリアの振返りと今後のキャリア戦略を考え、海外就職する国を決める
これまでのキャリアの振返りと今後のキャリア戦略を考えることは非常に大切なプロセスになります。まずはご自身の過去を振返り自分の強みと弱みを把握して下さい。そして将来的な方向性を定め、各国・地域の経済・政治状況や日本人の求人状況を検討した上で、就職する国や地域を決定します。その際に検討すべき項目は「海外就職・転職先の国・都市の選択」の記事にまとめてあります。間違ってもこれらのプロセスを飛ばして何となく国を選定してしまったり、その国の転職エージェントにすぐに相談することはしてはいけません。今後のキャリアを考える上で、どの国を選ぶかは一生の方向性を左右する重要な決定になります。ある特定の国の転職エージェントに相談した場合、当然その国での就職・転職を前提に求人情報を紹介します。例えば、これまでのキャリアや今後進みたい方向性を加味して最適な就職先がマレーシアだったとしても、よく調べずにベトナムの転職エージェントに相談した場合、当然のことながらベトナムの求人情報しかもらうことができません。また、転職エージェントはあくまで収益団体ですので、自己の利益と求人募集をしている会社を最優先するケースも考えられます。必ずしも海外就職希望者の要望のみから最適な国や地域、企業を紹介してくれるとは言い切れませんので注意をして下さい。
→「海外就職・転職を検討する前に必ずすべきキャリアの棚卸しと方向性の検討」へ<
→「海外就職・転職先の国・都市の選択」へ
3.複数のマレーシアの就職エージェントへの登録
(クアラルンプールはマレーシア語で「泥が合流する場所」という意味があり、市中心部にある代表的なモスク「ジャメ・モスク」の付近で、ゴンバック川とクラン川が合流していることが基になっています(Wikipediaより))
最適な国がマレーシアであると確信出来た時点で複数の現地転職エージェントに登録して下さい。特にマレーシアは大手の転職エージェントが進出しているものの、最近進出したばかりというケースもありますし、名前が日本では通っていなくても古くから地元に根付いて日本人の就職活動をサポートしてきた企業も多くあります。そのため僕はこの時点で一つのエージェントにしぼることはオススメしません。理由は下記になります。
①エージェントによって抱えている求人情報が異なる
これまで多くのマレーシア転職エージェントを訪れてインタビューや情報交換をさせていただきました。その中で気がついたことは各転職エージェントで抱えている求人情報は大きく異なるということです。あるエージェントは小売りやサービス業に強く、あるエージェントは製造業や工業団地の企業に強いなど、それぞれ求人に強みと特徴があります。そういう意味でも複数の転職エージェントに登録するメリットはあります。
②転職エージェントのスタンスが異なる
訪問したエージェントのほとんどは良い印象を受けましたが、それでも1社か2社は、海外就職希望者ではなく、求人を出した企業の方ばかりを見て仕事をしているという印象を抱きました。転職エージェントは求人企業からの依頼を受けてタイで働きたい候補者を探し、就職まで至った場合に求人を出した企業からフィーをもらう仕組みになっています。そのため、求人企業は転職エージェントからすると顧客に当たるわけです。求人企業を優遇するのは当然ですが、あくまで第三者的な立場で仕事をしてくれなければ、海外就職希望者である応募者が不利益を被ってしまう恐れがあります。この辺りのスタンスも転職エージェントにより微妙に異なります。こればかりはエージェント側と話をしてみないとわからないのでいくつかのエージェントに登録をして実際に話をすることが大切です。
③転職エージェントの担当者との相性
転職エージェントの担当者との相性も非常に重要なファクターになります。私は7名以上のマレーシアの転職エージェントの担当者とお話をしましたが、やはり人によって少し取っ付きにくいと感じる方もいらっしゃいました。私自身人間ですのでその方との相性がたまたま合わなかったのかもしれません。また複数の転職者の方とお話をしたのですが、エージェントの担当者によっては非常に失礼な対応をされて気分を害したことがあるとのコメントもありました。もちろん、そのようなエージェントとは付き合う必要はありません。
→「オススメ転職エージェント」へ
4.履歴書の作成及び転職エージェントとのSkype面談
転職エージェントとのやり取りの中で履歴書(英文も含む)を作成し、マレーシアの転職エージェントとSkype等で面談を行います。Skype面談ではある種転職エージェントによる一時面接の意味合いを含んでいますのできちんとした準備をして臨んで下さい。なぜなら、あまり適当な受答をしてしまいますとこの時点で転職エージェント側が企業の紹介をせずにはじいてしまうこともあるからです。転職エージェント側としてはあなたという人材を企業に紹介して紹介手数料をいただくわけです。当然、いい加減な受答しかでいない転職希望者を企業に紹介するわけにはいきません。この点には十分注意をして面接に臨んで下さい。
5.現地企業の紹介及びSkype面談
上記の3.履歴書の作成及び転職エージェントとのSkype面談を受けて、現地転職エージェント側で転職希望者の経歴やスキル、パーソナリティに合う求人を選定し提案が行われます。通常複数の提案が行われ、提案された求人情報の中から転職希望者の希望に合った案件について、現地企業とSkype面談が行われます。場合によってはSkype面談はなしで現地での面接を受けることを提案されるケースもあります。
6.現地での最終面談
面接では必ずスーツ、革靴、ネクタイで臨みましょう。服装には気を使い一分の隙も見せないように。国や都市、企業によって面接の方式(英語、日本語、現地語)や合否の連絡までの時間は異なります。そのため、複数の面接企業がある場合は出来れば2週間程度、最低でも1週間程度は現地に滞在できると良いです。また、折角現地に来たのですから以下についてチェックをする必要があります。
① オフィス周辺の環境
② 住宅地の環境、交通状況
③ コンビニやスーパーの状況
④ 日本食や手軽に入れそうなレストランの有無
⑤ 現地に在住している人から直接話を聞く
言葉の問題はあるかもしれませんが、面接で一番大切なのはあなたの人柄と熱意を伝えることです。それは言葉を越えて伝わります。少なくとも、「なぜこの国で働きたいのか?」「なぜ御社を選んだのか?」「日本ではどのような業務を行ってきて、その経験をどのように活かして貢献出来るのか?」は必ず聞かれますのできちんとした受答ができるように練習しておいて下さい。