海外就職・転職を検討する前に必ずすべきキャリアの棚卸しと方向性の検討

海外就職・転職を検討する前に必ずすべきキャリアの棚卸しと方向性の検討

これまで多くの海外就職をした人と話をしてきました。その中でキャリアチェンジが非常にうまく行った人は自分の強みや弱みをきちんと理解していて、将来のビジョンや今後のキャリアについての方向性や戦略が明確です。逆にここが曖昧ですと一時的に良い条件で就職ができても後からキャリアが行き詰まってしまい、後悔することが少なくないです。僕がキャリア相談に乗らせて頂く時は下記の「キャリアシート」を埋めてもらいながら進めていきます。

「キャリアシート」の作成

「キャリアシート」は下記の項目に別れます。

①これまでのキャリアの棚卸し(過去・現在)
②今後のキャリアの方向性

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以下、①これまでのキャリアの棚卸しと②今後の大きなキャリア・人生戦略の立案の順に詳しくみていきましょう。

①これまでのキャリアの棚卸し
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過去・現在のキャリアについて①職種②職務③実績④スキル⑤自己評価・満足度の順に埋めていきます。これらの項目はそのまま職務履歴書に載せることになりますし、面接で必ず見られることになります。特に海外就職・転職においては即戦力を求められますので、これらの項目は採用・不採用を分ける上で非常に大切になってきます。

②今後のキャリアの方向性について検討
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過去・現在のキャリアの棚卸しをした後は今後のキャリアの方向性についての検討を行います。国内・海外を問わず、これまでのキャリアを無視して一足脚に就職先・転職先を探すことはできません。しかし、今後進みたい方向性や新たな挑戦についてはこれまでのキャリアを踏まえた上で盛り込んでいくべきです。ここでは①職種②職務③理想像④理由⑤国内/海外(国名)について記入して下さい。ただ、すぐに上記の項目について記入するのは難しく感じる方もいるかと思います。そのような方には以下のように考えることも有用です。

キャリアを考える上で不可欠な価値観の明確化

「あなたは今後どんな人生を送りたいですか?」
「どんな夢や目標がありますか?」
「キャリアについての明確な戦略はありますか?」

と聞かれて、あなたは即答できますか?

多くの人が難しいと思います。でもこのような大きな人生の目標や方向性、それに至る戦略がないと、海外就職・転職に限らず今の生活を続けていっても後から後悔することになるかもしれません。たとえ全力で仕事をして成果を出していたとしても間違った方向に進んでいるかもしれませんし、せっかく夢や目標を叶えたとしても、本来求めていたもの違ったということは少なくないからです。

例えば英語通訳・翻訳という仕事で当初インド就職をして現在マレーシアのクアラランプールで仕事をしているYさんは下記のようにすごく戦略的に海外就職を自身のキャリアに盛り込んでいます。

→「矢野さんのインタビュー記事」へ

彼は日本で学校の英語教師をしていたのですが、どうしても英語通訳・翻訳の業界に転身したくて、まずはインド企業に海外転職をしました。英語の通訳・翻訳業界は非常に厳しく競争が激しい世界です。その中で実力もこれから、実績もゼロの矢野さんは、国内では実績を積むのは難しいと思い、競争が少ない(というか通訳・翻訳業界で誰も行きたいと当時思わなかった)インドで就職をして新しいキャリアのスタートをきります。その後、着々と実力と実績をつけ、今度はマレーシアの日系企業に転職、現在はシンガポール企業での通訳・翻訳の仕事を狙っています。彼は最終的には日本での仕事をしたいそうです。しかし通訳・翻訳業界の人ではなまりの強いインド、マレーシア、シンガポールの英語を苦手する人が多いらしいのですが、後発のYさんはそこを自身の強みにしようと最初から戦略的に動きキャリア形成を行っています。また、彼らのクセのある英語だけでなく彼らの国民性や考え方を理解し、それを通訳・翻訳に活かすことが出来るのは今後アジア市場が伸びていく中で他の通訳のプロと比べて非常に差別化できます。彼のように現在の強みと弱みを分析し、将来のあるべき姿を描き、それを実現すべくキャリアを形成していく姿勢が求められます。

将来的にどこで勝負するのか?を考える。

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また、将来のあるべき姿を考えるのに将来的にどこで活躍をしたいか?を考えるのも有用でしょう。海外で活躍したいのか?国内に最終的には戻ってきたいのか?将来的に独立も視野に入れているのか?によって選択すべき業界や職種、国や都市自体が大きく異なってきます。仮に将来独立をすることを視野に入れているのなら欧米先進国やシンガポールといった既に社会や制度が出来上がり、規制も厳しく、起業に資本が必要な会社よりもベトナムやフィリピンといったまだまだ資本や技術が蓄積されていない後発の企業でもチャンスがあるかもしれません。仮に将来海外で独立することを目標として、現在国内で雇用されている場合、1年後に海外で雇用されることを念頭に動き、5年後に海外で独立を目指すという方向性もあるでしょう。

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さらに詳細に各項目を分解すると上記のようになります。今現在、あなたはどこにいて将来的にどこに行きたいのか?どの経路を辿っていくのがよいのか?この目標とするフェーズや経路によって選ぶべき国や職種・職務は変わってきます。

ここで留意すべきは通常は縦か横の動きは可能ですが、斜め方向や大きくフェーズをまたぐ移動はうまくいかないケースが多いということです。理由は、斜めへの移動は場所(国内・国外・途上国・先進国など)と就労形態(被雇用(一般職/管理/技術職)・独立など)の2つのフェーズを同時に超えることになるために難易度は非常に高いからです。

管理職(技術職)の壁

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またさらに留意すべき点として、上の表のように「海外・被雇用(途上国/一般職)」は特別な理由がない限り取るべきキャリアではありません。なぜなら海外では管理職・技術職と一般職はしっかり峻別されているケースが多く(管理職(技術職)の壁、管理/技術職のように上のフェーズに上がることが難しいケースが多いからです。その点については現地の転職エージェントともよく相談した上でご自身のキャリア戦略を練って行って下さい。

以上、海外就職・転職する前に必ずすべきキャリアの棚卸しと人生戦略について見てきました。これらを明確にした上で、どの国・都市で自分は働きたいのか?を考えていくことになります。

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