コラム

「海外就職」と「ノマド」について考えてみた

仕事のやり方やライフスタイルととしての「ノマド」

「ノマド」もしくは「ノマドワーカー」という仕事の仕事のやり方やライフスタイルをご存知ですか?

ノマド(nomad)は、英語で「遊牧民」の意味。近年、IT機器を駆使してオフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しいワークスタイルを指す言葉として定着した。このような働き方をノマドワーキング、こうした働き方をする人をノマドワーカーなどと呼ぶ。(※コトバンクより)

最近、カフェで仕事をしているビジネスマンを良く見かけるようになってきましたが、彼らの中には会社から独立してフリーランスとして仕事をしている人も多く、彼らのような働き方をしている人たちを「ノマド」と言います。

自由に仕事の場所や時間が選べて、面倒な上司や同僚もいない彼らの仕事の仕方やライフスタイルに憧れを抱く人も多いようです。実は僕もその一人です(笑)。

夫婦で1年に渡る世界一周の旅をして、また実際に「ノマドライフ」を送っている人と知り合いになりお話を伺う中でそのように感じるようになりました。(※世界一周については「世界一周を終えて2年、、「今」考えるあなたが世界一周をすべき5つの理由」を参照)

今回はそんな「ノマド」と「海外就職」の関係について考えてみました。

ノマドライフとは


レバレッジシリーズなどで有名な作家で経営者の本田直之さんの著書「ノマドライフ」によると「ノマド」を一つのライフスタイルであると捉え、「ノマド」的なライフスタイルを「ノマドライフ」と読んでいます。

ノマドライフとは…
仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2カ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それが良いスパイラルとなるライフスタイル。

これを読んで「ノマド」という働き方にとても魅力を感じました。

そして僕が目指しているライフスタイルととても似ている(というよりそのもの)であると思いました。

仕事と遊びの垣根がなくて、
世界中どこでも収入が得られて、
好きなところをいつも飛び回りながら
生活できるのって最高だと思いませんか?

僕の理想の働き方であり、僕はリアルにこの形態のライフスタイルをめざしています。

「ノマドライフ」の種類

本田直之氏によると「ノマド」といってもいくつかの形があり、自由度や移動する規模や距離、収入、難易度は異なるとのことです。

あなたはどの「ノマド」を目指しますか?

会社員ノマド
→会社員をしながら副業的なビジネスを始めたり、サラリーマンでありつつも場所や場所にとらわれない雇用形態で仕事をしているノマドスタイル。

グローバル・ビジネスパーソン
→サラリーマンであるものの、海外を飛び回りながら仕事をしているビジネスパーソン

ノマド
→自ら事業を立ち上げ、時間と場所に囚われずに仕事をしている。ただしビジネス形態や移動は国内に限る。

グローバルノマド
→国内・国外を問わず、また時間に囚われずに生活とビジネスを展開するノマドライフの究極の形。

僕の個人的なオススメは、「会社員ノマド」→「グローバル・ビジネスパーソン」→「ハイパーノマド/グローバルノマド」という経路を取ることが一番無理がなく、リスクも少ないと思っています。

「ノマドライフ」を手に入れるための6つのフェーズ

本田直之氏の著書によると「ノマドライフ」を目指すためには6つのフェーズがあるそうです。

①ベース構築期(5年)
→将来自分のコアとなる基本的なビジネススキルを身につける時期。
なにかに集中するのがポイント

②方向性の模索(3年)
→色々なところに顔を出してビジネスの種を蒔いておく時期。

③未来につながる実績を残す時期(5年)
→これまでの経験を基に仕事に集中して実績を出す時期。
これが将来のノマドビジネスのベースとなる。

④転換期(2年)
→ノマドライフを少しずつ構築していく時期。

⑤実践期(5年)
→ノマドライフの実践を行い、そのノウハウを蓄積していく時期。

⑥シェアの時期(以降の時間)
→ノウハウを伝えて仲間を増やしていく時期。

ちなみに会社経営者でありベストセラー作家の本田直之さんでも「ノマドライフ」を手に入れるのに15年間かかったそうです。括弧内の年数は本田さんが著書の中で示している目安の期間になります(合計20年)

ポイントは「会社員だからノマドライフができないと考えるのではなく、会社員だからこそノマドライフに安心してチャレンジできる」と考えることです。すぐに会社を辞めるのではなく、ベーシックな収入は会社員として得ながらも徐々に「複業」(複数の仕事をすること、まぁ「副業」ですね。)をしながら「ノマド」に転じていくのがベストということです。

「海外就職」と「ノマドライフ」の関係

僕の一番良いと思う「グローバルノマド」への経路は「会社員ノマド」→「グローバル・ビジネスパーソン」→「ハイパーノマド/グローバルノマド」ですが、「海外就職」は上記の流れの「グローバル・ビジネスパーソン」に該当します。

あなたにとって「ノマドライフ」を手に入れるのが理想であったとすると、「海外就職」をすることで将来的に「ノマドライフ」を手に入れることができるのでしょうか?

僕は「海外就職」は「ノマドライフ(特にグローバルノマド)」を手に入れるために非常に有効なステップの一つだと思っています。「ノマドライフ」を実現するためには、会社に頼らずに生きていける力(=自分のビジネス)が必要ですが、実は起業をするなら日本より海外(特にアジア)の方が難易度が低いと考えています。

詳細は別の機会に書きますが、簡単にいうと下記になります。

①市場が成熟しておらずしかも伸びているのでチャンスが山ほどある。
②日本で起業するよりも競合が弱い、もしくは少ない。
③日本のサービスを提供すれば質がそこそこでも売れる。
④物価が安いので初期投資が安く済む。
⑤物価が安いので生活維持コストが非常に低い。

次に僕が考える「ノマドライフ」に必要なスキルと「ノマドライフ」への具体的なステップを紹介します。

「ノマドライフ」に必要なスキル


僕が考える「ノマドライフ」に必要なスキルは下記になります。

「ノマドライフ」に必要なスキル=①コアスキル+②(ウェブ)マーケティング力+③語学力

①コアスキル
…会社に頼ることなく生きていくためには人に提供して買ってもらうための何らかの技術やサービスや知識、ノウハウといったものが必要です。例えばウェブデザイナーであるならばHPを作成する技術ですし、寿司職人であるならば美味しい寿司を握る技術であったり魚の善し悪しを見る目利きの能力です。

②(ウェブ)マーケティング力
…たとえ人が提供してほしい能力を持っていたとしてもそれを魅力的に伝え、買っていただくためのマーケティング力が必要です。特に店舗を持たず、知識や技術的なものを売る場合はインターネットで集客することが必要になってくるでしょう。その際にはウェブのマーケティング力は必須になってきます。

③語学力
…海外を起点にビジネスをしたり、海外で生活したり、海外の資源を使ってビジネスをする場合、語学力、特に英語は必須になります。ただペラペラの英語は必要ありません。僕の英語は全然ペラペラではありませんが、フィリピンで英語の学校を立ち上げて経営しています。この程度の英語力でしたら半年から1年もあれば十分に身に付きます。

上記のスキルは「ノマドライフ」を実現するためには絶対に必要な能力だと思っています。逆に上記の3つが揃えば、かなりの確率で「ノマドライフ」を実現することが可能だと思います。僕も現在進行形で上記の3つの能力を高めるべく行動しています。

「ノマドライフ」へのステップ

現在僕はフィリピン・セブで英語学校(CROSS×ROAD(クロスロード))を起業するという道を選び、「ノマドライフ」実現の途上にいますが、かなり「ノマド」的に仕事が出来るようになってきています。

最低月に一度は日本の他にセブ以外の海外に視察に行き、様々な人にお会いして現地の経済状況、転職状況を確認してそれを記事としてアップしています。また一緒にビジネスをやってくれる仲間と一緒に今の事業を行っているので、ある程度時間の自由もきくようになってきました。自分のこれまでのキャリアを振返った時、たくさんの回り道をしましたが「ノマドライフ」を目指す上で悪くないかなと思います。

僕が考える「ノマドライフ」実現のステップは下記になります。

①日本での仕事経験(3年〜6年)(難易度3)
資金を貯めつつ、将来ノマドとして仕事をしていくための基本的なコアスキルの獲得をめざす。

②世界一周(1年)(難易度1)
自由、好奇心、自分自身の価値観に目覚める、視野を広げるためにも是非、世界一周はしてほしいです。将来どこに住み、どのような仕事をしたいのか?どのようなライフスタイルを目指したいのか?についても考えるよいきっかけになります。語学習得の必要性も実感するでしょう。

③海外就職(2年〜5年)(難易度5(海外就職だけなら2))
海外ノマドを目指すならまずは自分の大好きな国に住んで、雇われながらもビジネス経験を積むことが必要です。ここでビジネススキルや語学を身につけつつ、将来のビジネスの種を蒔いたり、そのビジネスに必要な人脈を広げていきます。海外就職をするだけならそんなに難しくありませんが、それを2〜3年続けていくにはやはり大変なこともあるでしょう。

④ノマドビジネスの構築(3年〜6年)or 海外起業(国内)(難易度7)
海外就職で身につけたスキルや語学、経験、人脈を基にいよいよ自分のビジネスを構築するフェーズです。その際に必要な最低限のスキル(コアスキル+語学+(ネット)マーケティング)を使い、自分のビジネスを展開していきます。特にノマドを目指すなら(ネット)マーケティングスキルは必須です。

⑤ノマドライフの実現(1年〜2年)(難易度2)
最初は自分のビジネスに没頭する必要がありますが、徐々に人を雇ったり、仕組みを構築して自分がその場にいなくてもビジネスが回る仕組みを構築していきます。ネットを使い自動的(少ない労力で)集客できる仕組みを築く必要があります。

「海外就職」と「ノマドライフ」について思うこと

「ノマドライフ」は僕が個人的に目指しているライフスタイルでもありますし、多くの人にとって憧れとなるライフスタイルだと思います。でも難易度も高く時間もかかるため全員が目指すべきスタイルではないと思いますが目指す価値はあると思います。海外就職は特に「グローバル・ノマド」を目指すならその途中経過としてとても良いステップになると思います。なぜなら「ノマド」には自分のビジネスを持つ必要がありますが、そのために必要なスキルや経験、人脈、語学力といった資産を築くことが出来るからです。また日本でビジネスを持つよりも海外の方がチャンスに溢れていてある意味難易度が低いと思います。その準備段階として難易度が低い「海外就職」を挟むことはとても良いと思います。また海外就職をする前に世界を見て回ることも個人的にオススメします。僕が考える理想的なステップは「①世界一周」→「②海外就職」→「③ノマドビジネスの構築」→「④ノマドライフの実現」になります。もしあなたが「ノマド(特に「グローバル・ノマド」)」を目指しているのならば、「海外就職」から始めて見るのも良いのではないでしょうか。

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岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒