転職エージェント訪問記:【フィリピン・マニラ】John Clements PERSOL Philippines
目次
John Clements PERSOL Philippinesとは?
日本の人材業界最大手であり、アジア12ヶ国の国と地域に展開するパーソルグループのフィリピン拠点。
フィリピン国内で40年以上の人材サービスを提供する、John Clements社との事業提携により、人材紹介のみならず、人材育成や労務コンサルティングなど、幅広く人材サービスを展開している。
オフィスはマカティ中心部のLKG Towerの14階に位置する。
*情報コミュニケーションサイト フィリピン・プライマーを参考に執筆。
ご担当の方にお話を伺ってきました!
今回お話を伺ったのは深田様(写真左)と泉水様(写真右)。
深田様は看護師からキャリアチェンジをされており、マニラ在住歴5年の経験を活かして日々企業様・求職者様に寄り添ってお仕事をされておられます。
一方、泉水様はマニラ在住歴は1年ほどですが、フィリピンと日本のハーフで、幼い頃にフィリピンで生活した経験をお持ちです。
数年日本でお仕事をされた後、ご自身のルーツでもあるフィリピンで生活すべく、フィリピンで就職されたそうです。
親しみやすく、お話しやすい雰囲気の中で、様々な質問に大変丁寧にご回答頂きました。
そんなお二人にフィリピンでのお仕事や生活について、たっぷりとお話を伺ってきました。
是非ご一読下さい!
フィリピンにおける日本人の就職・求人状況について
── 最近のフィリピンの日系企業の進出状況や採用の動向について教えて頂けますか?
フィリピンは比較的進出しやすい印象はありますが、一方で撤退する企業も多いという印象がありますね。
以前と比べて、大手企業よりも中小企業、IT系ベンチャー、BPO等の求人が増えています。
*当日頂戴した資料(出典:John Clements社)に基づき作成。
IT分野については、人材が獲得しやすいことから、特にオフショア開発拠点として注目されています。
これにはフィリピン政府が国民のIT知識の習得に力を注いでおり、フィリピン人の開発スキルが年々上がってきているという背景がありますね。
── なるほど。業界・職種別の求人状況について教えて頂けますか?
業界について
日系企業は1,440社ほど進出しており、そのほとんどは製造業が占めております。
そのため、製造業での求人は多くなりますね。
一方で、フィリピンの特徴としてはやはりBPOビジネス(サービス業)の成長が著しいということが挙げられます。
BPOと聞くとコールセンターをイメージされる方も多いかもしれませんが、コールセンターの案件はさほど多くありません。
建設業界においてCADセンターでのブリッジ業務に携わる人材やECサイト運営のマーケティングに携わる人材など、BPO拠点でコールセンター以外の求人も多々あります。
職種について
業界・会社により求められる職種は変わってきます。
一般的に、営業・カスタマーサポート、秘書・通訳、事務、経理、購買、ブリッジ・管理、生産管理等の求人が多いですね。
最近はODAプロジェクトの増加により、経理のサポートや出張者対応のできる事務スタッフの求人が以前より増えています。
勤務地について
弊社の場合、基本的にマニラが属するルソン島を中心とした求人が中心ですが、ここ最近でセブでの求人も少しずつ増えてきています。
ルソン島における求人の中でも、マカティ、ボニファシオ・グローバルシティ(BGC)、オルティガスでの求人が圧倒的に多いという状況です。
*当日伺ったお話を基に執筆。メトロマニラはマカティ・BGC等を含むマニラ首都圏を意味します。
── フィリピン就職で求められる語学力について教えて頂けますか?
英語力に関してはいきなりビジネスレベルの英語力を求められる求人は少なく、日常会話レベル(フィリピン人スタッフに対して質問や指示ができる程度)があれば望ましいとされています。
なお、求められる語学力がさほど高くない求人につきましても、最低限ご自身でホテルの予約ができる・レストランでオーダーができる程度の英語力は必要です。
── 求められる年齢層についてはいかがでしょうか?
当然20代の若い方も求められてはいますが、特に求められる層としましては、30代〜40代前半の方が求められています。
30代以上の方となると、現場での経験も十分お持ちですし、しっかりとマネジメントもできる方々であり、駐在員の後任として、あるいはいずれ拠点長になるポテンシャルを持った人材として採用したいという企業様側の意向があります。
── ビザ取得に関する要件についてはいかがでしょうか?
最終学歴や経歴に関する要件はなく、他国と比べて取得しやすいとは言われています。
PEZA(経済特区庁)のように、日本人の営業が必要など、日本人が必要な理由が明確な企業様については取得しやすいという印象があります。
フィリピンにおける生活や待遇
── 現地採用の場合の給与について教えて頂けますか?
未経験・第二新卒の場合でも額面10万ペソ(約21.5万円)・手取りで7万9千ペソ(約17万円)前後スタートです。
当然マネージャー等の役職がついた場合やコンサルタント等の専門職であれば、さらに給与は上がります。
*レートについては、1ペソ=約2.15円で計算(以下についても同様)。
── 現地採用の場合、どの程度の家賃でお住まいになることが多いのでしょうか?
マカティ中心部の家賃につきましては、年々上昇しているのが正直なところです。
これには、外資系のBPOの増加により中国人労働者の方が増え、今まで1人で住んでいたお部屋に複数人でルームシェアをするようになったという背景があります。
参考までに、3年前のマカティ中心部の家賃については1万5千ペソ~2万5千ペソ(約3.2万円~5.4万円)程度でしたが、現在は3万ペソ(約6.5万円)ほどに高騰しています。
ただ、マニラ近郊の現地の方々が住むようなエリアであれば、まだ2万ペソ(約4.3万円)台の物件もあると聞いています。
渋滞もあるので多少大変にはなりますが、中心部から少し離れた場所に住み、公共交通機関を用いて出勤すれば、家賃を抑えること自体は可能だと思います。
── 通勤についてはいかがでしょうか?
基本的には会社から徒歩圏内にお住まいの方が多く、徒歩圏内でない場合はGrabなどの配車サービスを利用する方もいらっしゃいます。
一部UV Expressというヴァンをお使いになる方はいらっしゃいますが、ジプニーでの通勤はあまりおすすめしていません。
郊外でご勤務される場合で、マカティ周辺にお住まいの場合につきましては、ドライバー付きの車や会社からの送迎車で通勤する形となります。
── 現地採用の場合、日本と比べて待遇等が下がる場合もあると思いますが、貯金等は問題なくできそうでしょうか?
正直に申し上げると…家賃価格の高騰により、1年目から貯金をするのは難しいかもしれません。
しかしながら、2年目以降は昇給があり、大体5~10%のレンジで昇給するので、以降については貯金をする余裕も出てくると思います。
また、食事につきましては、例えば弊社の入っているビルの中にも食堂があり、1食150~200円程度で食事ができたりします。
自炊をする場合もローカルのスーパーマーケットを上手く活用すれば、コストを抑えて自炊をすることもできます。
以前と比べて流通もよくなっているので、食材も手に入りやすくなり、随分日本に近いような形で自炊ができるようになったと思っています。
── なるほど。余暇や生活の利便性等についてはいかがでしょうか?
余暇については、マニラ中心部から2時間程度のところに綺麗なビーチもありますし、安価に楽しめることからゴルフやマリンスポーツを楽しまれる方が多いですね。
生活の利便性については、多少値段は高くなりますが、日本食や日本人を対象としたスーパーマーケットもありますし、中心部については問題なく生活できると思います。
やや南の方にあるラグーナという地域にも、最近日本人の方が住まわれるケースが多くなってきましたが、そちらも都心部ほどではないものの、ショッピングモールもありますし、生活には困らないと思います。
フィリピン就職をご検討の方へのメッセージ
── 最後に、フィリピン就職をご検討の方へ何かメッセージがあれば、お願いします!
深田様:特に、若い方の場合は英語+αの「何か」を持って欲しいと思っています。
正直なところ、「英語で業務をする」だけであれば、日本でも実現可能なところはたくさんあります。
ではなくて、英語を使って発展していく国の勢いを感じながら事業の開拓にチャレンジしたい、異文化のなかでマイノリティとして日本人としてのバリューを出したいなど、英語を使って「何がしたいか」を明確に持って頂ければと思います。
「英語」はあくまでツールであり、「なぜそれが日本でできないことなのか」という部分は企業様側からかなり問われる部分だと思います。
泉水様:同じようなお話になるかもしれませんが、明確な「目的」を持っている方であれば、内定も獲得しやすいですし、その後フィリピンでご活躍頂けると思っています。
「英語のスキルを上げてキャリアアップしていきたい」、「英語を使ったマネジメントを学びながら、次のキャリアに繋げていきたい」など、常に向上心を持って取り組んでいる方がご活躍されているように感じます。
まとめ
英語が公用語として用いられているフィリピン。
英語力を伸ばすことはもちろん、日常業務の中で異文化コミュニケーションやマネジメントについても学べる、大変魅力的な環境です。
ただ、同時にそれは自らが目的に向かって、常に向上心を持って日々を過ごすことで実現可能なことでもあります。
お二人が仰る通り、フィリピンで英語を使って「何を」実現したいのか、フィリピン就職の目的について今一度考えてみて頂きたいと思っています。
お二人とも大変丁寧に、親身にお話をして下さり、とても相談しやすい雰囲気でした。
フィリピン就職をご検討の方は、是非一度John Clements PERSOL Philippinesへお問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?