コラム

起業を志すなら「国内起業」より「海外起業」の方が難易度が低い5つの理由

日本で起業するよりも海外で起業する方が難易度は低い!?


僕は現在、フィリピン・セブでCROSS×ROAD(クロスロード)という英語学校を営んでいます。
まだ設立してから2年程度と短いのですが一応海外での起業を経験させていただきました。

また日本では公認会計士として6年間コンサルティングファームで実務にあたりました。

そこではIPO(株式公開)支援業務、内部統制構築(社内管理体制)業務、財務・事業デューデリジェンス(調査報告)などの業務を行いましたが、メインは「事業再生業務」でした。簡単に言うと事業が難しい状況になった会社に赴き、財務、会計、マーケティングなどの知識を使ってクライアント企業様をサポートして事業の再生を図っていく業務です。一介のコンサルタントに出来ることは限られていますが、クライアント企業の社長や役員、企業を取り巻く関係者(銀行など)とも協力しながら仕事をする経験をすることができました。

まだまだ経営者としてはひよっこですし、偉そうなことを言える立場にはありませんが、現在の海外起業と国内でのコンサルティングファームからの経験からある程度、起業(特に海外)について自分の経験から書かせていただきますね。

海外で事業を起こしてみて僕が率直に思ったことは、「競争が激化し、縮み行く日本のマーケットで起業をするよりも、今現在どんどん成長していて今後も成長が見込まれる海外で起業する方が難易度が低いのではないか?」ということです。もちろん海外で起業するにあたって特有の留意事項や難しいこともあります。しかし「チャンス」という視点で見たとき、海外での起業は日本での起業と比べて優れていると考えられます。今回はその理由についてまとめてみました。
(海外で起業するのに気をつけるべきことは左記をご参照下さい。→「海外起業をする際に絶対に気をつけるべき5つリスク」

①市場が成熟しておらずしかも伸びているのでチャンスが山ほどある。


僕は2011年4月から1年間、世界を旅して回りましたが、海外特にアジアにはチャンスが山ほどあると感じました。上記にアジア各国のGDPの伸びを掲載しましたが日本がほとんど伸びていないにも関わらず、アジア各国の成長率は著しいものがあります。また下記の日本とASEAN諸国との人口ピラミッドを見て下さい。

日本は高齢化を迎えていますが、アジア各国は消費が旺盛な若い人口がますます増えていくことがわかります。どちらにチャンスがたくさんあるかは一目瞭然です。ビジネスをするにせよ、投資をするにせよ、どちらに身を置いた方が今後可能性があるのか、考えてみてください。あなたは「上りのエスカレーター」と「下りのエスカレーター」のどちらに乗りたいですか?

(参考記事)
→「海外就職という選択肢」
→「あなたが海外就職をすべき6つの理由」

②日本で起業するよりも競合が弱い、もしくは少ない。


今僕はフィリピン・セブに住んでいるのですが、ここには足りないものがあり過ぎます。そしてそれを提供している企業が少なすぎます。例えばセブには近年格安の語学留学が注目を集め、数多くの若い日本人が1ヶ月〜3ヶ月単位で住んでいますし、かなりの数の在留邦人がいます。しかし、日本食レストランが少ない。そしてレベルが低い。最近は少し数も増えてきましたしレベルも上がってきましたがまだまだ日本人に対して数が少ないように感じられます。例えば若者に人気のラーメン店ですが、食べられるレベルのラーメン屋は本当に数えるほどしかありません。わざわざ激戦区の日本にラーメン屋を出すくらいならここセブに出店して下さい(必ず毎週行くのでお願いします。)。絶対に受けると思いますよ。

③日本のサービスを提供すれば質がそこそこでも売れる。


上記②「日本で起業するよりも競合が弱い、もしくは少ない」でも述べましたが、競争が少ないということは、質がそこそこでも売れるということです。あなたは超一流のスキルを持っていなかったり、サービスを提供でいないかもしれません。でも海外ではそれでも欲しいと言う人は十分いるわけです。日本では競合が強くてスタート出来ないビジネスでも海外でスタートさせて経験と実績を積んでいけば、まだまだチャンスはあります。
海外に住んでいると日本のモノやサービスのレベルがどれだけ高いかが身に染みて感じられます。是非、日本で身につけたスキルやサービスを海外で展開して下さい。買ってくれる人は必ずいるはずです。

④物価が安いので初期投資が安く済む。

個人がビジネスを始めるに当り、一番苦慮するのが初期投資だと思います。しかし、アジア諸国の物価は大体日本の3分の1から5分の1(シンガポールと香港は除く)のため、日本でビジネスを始めるのと比較すると当然初期費用の金額はかなり圧縮した形でスタートをきることができます。これは個人にとって朗報です。成長著しいアジア諸国で3分の1から5分の1のコストでビジネスオーナーになることができるのですから。下手な話、100万円を日本でバイトでも何でもして貯めてこれば、国によってはそれは日本の300万円〜500万円に相当します。その金額があればスモールビジネスであれば何とかスタートを切ることが可能です。

⑤物価が安いので生活維持コストが非常に低い。


これも地味に助かります。ビジネスを始めた当時はなんだかんだで軌道に載せるには時間がかかります。そのため最初の元手をいかに切らさずにビジネスを軌道に乗せられるかが非常に大切です。日本で起業をした場合、生活に必要なコストはなんだかんだで10万円以上はかかるでしょう。しかし物価が安いアジアではそのコストを数分の1まで減らすことが可能です。海外によらずビジネスを自分で興す場合、収入がない(少ない)状態でもどれだけの期間持ち堪えることが出来るかをチェックすることが非常に重要な指標になりますが、海外で事業を行うとその期間をかなり伸ばすことができます。もちろん、毎食日本食レストランに外食して高級コンドミニアムに宿泊すると日本レベルの生活維持コストがかかってしまいますが、地元の人が通う食堂で彼らと接するのもとても楽しくて良い経験になりますよ。

ここまで海外で起業をするメリットを述べてきました。しかし全員が起業を志すべきとは全く思いません。ましてや海外での起業では日本では考えられないようなリスクも存在します。この辺りのチャンス(リターン)とリスクを比較してから海外起業を目指して下さいね。出来れば既に海外で起業した人にアドバイスをもらうのが良いでしょう。海外で起業する上でのデメリット(注意点)については別の記事に掲載します。

→「海外起業をする際に絶対に気をつけるべき5つのこと」

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岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒