海外就職成功事例

「自分らしく働くとは?」インドの人材紹介会社で活躍する中村優里さんに聞いてみた!

「結婚・出産しても、大好きな仕事を続けたい!」

やりがいの大きな仕事に就き、とても楽しい毎日。
一方で、家庭を持つことは諦められないし、家族のことも大切にしたい。
このように、ライフイベントとキャリアの両立に悩む女性もきっと多いはず。

今回お話を伺ったのは、インドの人材紹介会社でコンサルタントとして活躍されている、中村優里(なかむら ゆり)さん。
中村さんにとって、仕事は「自分を表現するための手段」であり、必要不可欠なもの。
キャリアとライフイベントをいかに両立させるかで葛藤した時期もあったそうです。

現在はご結婚され、夫婦そろってインドでご活躍をされている中村さん。
今回はそんな中村さんに、以下の3点についてお話を伺ってみました。

  • インドで働くことにしたきっかけとは?
  • インドでチャレンジを続ける先に描く未来とは?
  • 今までの人生で大切にしてきた考え方とは?

常に向上心を高く持ち、イキイキと挑戦を続ける中村さんの姿は、自分らしくキャリアを歩みたい女性たちの励みになるはず。
ぜひ最後までお読みください!

*本文中のお写真は、中村さんご本人からいただいたものです。

中村優里さん プロフィール
新卒で占いコンテンツ業界No.1の株式会社ザッパラスへ入社し、美容専門ECサイトのバイヤーをはじめ、マーケティングや営業など幅広い業務を担当。約6年間勤務した後、主婦に特化した人材紹介会社・株式会社ビースタイルに転職し、広報・ブランディングを担当。2018年、ご主人のインド起業がきっかけでインドへ移住。現在は日本で培った人材業界での経験を生かし、インドに特化した独立系人材紹介会社Miraist Private Limitedでジャパンデスクのマネージャーとして活躍中。
*当日伺ったお話をもとに執筆。

 

人材業界に関心を持ったのは「女性がもっと自分らしく働ける社会を作りたい」という思いから

 

── 最初はIT業界でお仕事をされていたんですね!

 

新卒の就職活動では、今後伸びていくIT業界に身を置きたいと思っていたんです。

もともと、女性ひとりでもきちんと自立できるようにしたいと考えていた私は、自分らしく働ける仕事と出会うことは必要不可欠だと思っていました。
そこで、社会で幅広く活躍できるスキルを身につけられるようにするためには、どうしたらいいのかいろいろと考えていたんです。
そうするうちに、大学時代にさまざまな社会人の方たちと出会ったおかげで、将来性の高い業界に身を置くことが大切だと気づかされました。

 

── 中村さんの向上心の高さが伝わってきます。そこからどのような軸で、就職先を選んだのでしょうか?

 

幅広い業務にチャレンジしながら、自分を高めていきたいと思い、IT業界の中でも、スタートアップ企業を選びました。

入社後は手を挙げれば、どんどんいろいろなことに挑戦できる環境で、毎日とても充実していました!
バイヤー・マーケティング・営業など、多岐にわたる業務に携わりながら、自分のスキルを磨ける環境にとても満足していました。

特に営業の仕事は、自分の性格や志向性にも合っていて、大好きでした。
自分が価値を感じているサービスの魅力を、自分の手で直に伝えられることに大きなやりがいを感じていたからです。

 

── 仕事が順調だったにもかかわらず、なぜ転職を意識するようになったのでしょうか・・・?

 

仕事をするうちに、社内に女性管理職がいない点が気になり始めたんです・・・!
営業の最前線で活躍していた女性の先輩たちが、結婚や出産がきっかけで、他の部署へ異動する様子も目にしていました。
その人たちにとって大切なライフイベントによって、大好きな仕事を諦めざるをえない状態が、本当に「自分らしく働く」と言えるのだろうかと思ったんです。

仕事は自分を表現する手段のひとつとして、私には必要不可欠なものです。
何があってもずっと仕事は続けるつもりで、キャリアを手放すなんて考えたこともありませんでした。
とはいえ、家庭を持つことを諦めたい訳ではなくて・・・!

 

── そのお気持ち、私もよくわかります!

 

「結婚して家庭を持っても、大好きな営業の仕事では、最前線で活躍したい!」
その気持ちに気づいた瞬間、思いきって環境を変えようと思いました。
そこで関心を持ったのが、人材業界でした。

「結婚・出産した女性も大好きな仕事を続けながら、自分らしく働ける社会を作りたい!」
一人の女性として、キャリアとライフイベントの両立を模索しながら葛藤した経験を、仕事に活かしたいと思ったんです。
まさに「私の叶えたい未来」をサポートし続けているのが、2社目の主婦に特化した人材紹介会社・株式会社ビースタイルでした。

 

── 中村さんの強い思いが伝わってきました。当時のお仕事について教えていただけますか?

 

当時は広報担当者として、主婦の方々が時短でも自分らしく働けるようにサポートする取り組みについてメディアを通して発信していました。
社会的な意義が高い自社、そして事業の魅力を多くの方に伝えられることが、楽しくてたまりませんでした!
自分が発信することで、誰かが一歩踏みだすきっかけを作れていることにも、大きなやりがいを感じていました。

また、社内で営業やキャリアアドバイザーとして奮闘する仲間の姿や、その努力を世の中に伝えられる喜びもありました。
サービスや事業の魅力を伝える広報活動に専念できるのも、メンバーが毎日コツコツ頑張り続けているおかげだと思っていたからです。

同僚にも恵まれ、退職した今でも交流を続けています。
夫のインド起業に伴って、インド行きを決意しなければ、ずっと働きたいと思っていた会社でした。

 

「インド大嫌い!」だったのに、インドで働く決意をした理由

ご主人の会社のみなさまと(中村さんは写真中央)

 

── ご主人のインド起業がきっかけでインド移住を決意。もともと海外に関心はあったのでしょうか?

 

まったくありませんでした(笑)!
むしろ日本が大好きな人間だったので、「まさか自分が海外で生活するとは・・・」と思っていました。

もちろん海外経験もなくて、ときどき海外旅行へ出かけるだけ。
そして、英語や異文化交流にもほとんど関心がなく、恥ずかしながら英語力もほとんどない私が、インドへ移住したのは今でもびっくりしています。

 

── 私は、インドでイキイキとお仕事をされている中村さんしか知らないので、とても意外でした!

 

そう言っていただけて嬉しいです!
じつは、移住する以前に旅行で訪れたときのネガティブなイメージが強く、「インドなんて大嫌い!」と思っていたぐらいだったんですよ。

現在の夫(当時は彼)にインド起業の話を打ちあけられたときも、最初は猛反対しました。
当時も一緒に生活していましたが、インドを連想させるからという理由で、カレーを1年間も作らなかったぐらいです(笑)。

ただ、彼とは一生一緒にいると決めたパートナーだったので、将来彼が40歳、50歳になったときに、「あのとき挑戦しておけばよかった…」という後悔だけはしてほしくなかったんです。
私なりに葛藤を繰り返した末、最終的には夫の決断を応援することにし、まずは夫が単身でインドへ渡ることになりました。

 

── なんと、1年間カレーを作らずに、ご主人のインド行きを阻止されたとは・・・(笑)!

 

それから、先にインドへ渡った夫を見ているうちに、自分が少し意地を張り過ぎているのではないかと思い始めました。

インドで頑張る夫は、ときに大変な思いもしていましたが、とにかく楽しそうに仕事をしていました。
その姿を見るうちに、彼をこんなにも魅了するインドのことを、私自身がもっと知りたいと思うようになったんです。
そこで、まずはもう一度インドを訪れ、現地で働く方々にお話を伺うことにしたんです。

あのとき、もし意固地になったまま、きちんとインドを知ろうとしなければ、きっと後悔することになっていたと思います。

 

── 実際にインドを訪れたことで、何か心境の変化はありましたか?

 

大きく変わりました!
旅行で見たインドのイメージを強く持ち過ぎていて、勘違いしている部分も多かったと気づきました。

インドで働く起業家の方たちのお話から、インドはビジネスチャンスで溢れていると感じられました。
また、名の知れた日系企業も多数進出しており、日本製品が多くのインド人に愛されている様子を直接目にする機会もありました。
当時の私はインドについてほとんど知らなかったので、それだけでとても新鮮な気持ちでした!

 

── 旅行で訪れたときのイメージは、現地で働く方たちとお話をする中で大きく変わったんですね!

 

まさにそうですね!
いろいろと考えた末、現在の夫と結婚してインドへ渡ることにしました。

夫は長年、仕事を通して自己実現を図りたい私を応援してくれていました。
インドというタフな環境で、インド人をターゲットに起業家として挑戦する夫を、今度は私がそばで応援したいと思ったんです。

それに、インドに行っても自分らしく生きる方法はあると思いました。
そんな私が自分らしく働ける環境として選んだ場所が、現職の人材紹介会社Miraistでした。

 

── それは、なぜでしょうか?

 

理由は3つあります。

  1. 弊社代表関野の思いやミッションへの共感
  2. 人材業界での経験が活かせる環境
  3. 爆発的な成長可能性

いろいろな起業家の方たちのお話を伺いましたが、関野は特に情熱をかけて、インドでビジネスを展開していました。
関野の思いやミッションを聞く中で、日本で培った人材業界での経験も活かしながら、一緒に働きたいと強く思ったんです。
当時は関野と私を含め4名のみというスタートアップ企業だったので、そこに身を置くことで、大きく成長しそうだとも感じました。

 

「インドで働きたい!」思いを後押しするために奮闘中! インドで働く中村さんのリアルに迫る

Miraist社のみなさまとのお写真(中村さんは前列左)

 

── 現在のお仕事について教えていただけますか?

 

インド人と日本人を採用したい日系企業様の採用支援と、インド就職を希望する求職者様向けのキャリアアドバイザー業務の両方を担当しています。
また、私が入社した頃よりも社員数が増えてきたので、マネージャーとして社内全体を見ながら、全員が活躍できる環境づくりに務めています。

同時に、個人としての活動ではありますが、ブログやYouTubeでインドについて発信しています。

 

── なぜインドに関する情報発信を始めたのでしょうか?

 

私自身がインド就職を考えていた頃、欲しい情報にたどりつくまでに苦労しました。
実際に求職者の方と向きあう中で、過去の私と同じような悩みを持つ方もいらっしゃいます。
過去の自分が欲しかった情報を発信することで、次の「誰か」が一歩踏みだすきっかけを作りたいと思ったんです。


*中村さんのブログ

人が正しく、そして納得感を持って選択するためにも、情報収集はとても大切だと思っています。
「インド=危ない」というイメージをお持ちの方が多いのも、インドに関する生の情報が少ないからだと思うんです。
インドで働く私自身のリアルな声を伝えることで、誰かの見方が変わったり、決断を後押しできていれば嬉しいです!

もちろん、自分の可能性や幅をまだまだ広げたいと思ったからでもあります。
最近始めたYouTubeも、発信の幅を広げるためにチャレンジすることにしました。

 

── 向上心を持って、常に努力をされる姿がとても素敵です! お仕事のやりがいについて教えていただけますか?

 

誰かの“きっかけ”になれていることが何よりも大きなやりがいです。
人材紹介会社として、企業様の採用支援・求職者様の就職支援を通して、人生の転機に関われる喜びは大きいです。

また、インド人スタッフと仕事をする毎日がとても楽しいです。
インド人は徹底的に議論をするところがあり、論理的に話ができないとすぐに論破されてしまいます。
その過程で粘り強く議論に臨む精神力や論理的な思考力が身につきました。
インドに来て、これまでとは違った価値観に触れることで、視野も広がるなど、大きく成長したと思っています。

 

── 逆に、難しさはありますか?

 

インド在住3年目ですが、インド人と英語で交渉するときに、いまだに言いたいことが言えず、もどかしさを感じることがあります。
日系企業がお客様とはいえ、人事担当者がインド人の場合もあり、弊社のサービスに関する説明や人選における細かい調整にあたって英語でお話をする機会があります。
インドで働き始めてから英語を学び始めたこともあり、もっと英語力を伸ばす必要性は痛感しています。

このほかに挙げるとするなら、長年日本で生活してきたので、インド人と「常識」が違うことですかね・・・!
成果物の質や働き方はもちろん、言葉の定義や解釈が違うこともあり、ひとつずつすり合わせていくことの難しさはあります。
想定外の意見や論理に直面することも多いので、もっと幅広く予見する力をつけ、堂々と構えられるようになりたいとも思っています。

 

── 仕事の中で心がけていることはありますか?

 

インド人と話をする際は、共通認識を持つためにも図解しながら、論理的に話を進めるよう心がけています。
これまでの経験上、根気強く向きあえば、必ず理解しあえます。
インドで活躍する他の日本人の方にお話を伺っても、地道にコツコツと向きあうことを大切にされている方が多いように思います。

また、インド人の価値観や考え方を理解し、お互いの強みを上手く活かしながら仕事を進めようとしています。
インド人は短期的な視点で物事を考えることが多い一方、日本人は中長期的な視点で物事を考えます。
目標の実現に向けて行動する瞬発力や積極性には驚かされることも多く、インド人から見習うべきところだと思っています。
お互いに弱みを補いながら仕事ができると理想ですよね!

 

── とても素敵な心構えですね!

 

ありがとうございます!
私たちがインドで働けるのは、インドという国やインド人のおかげなので、常に感謝の気持ちは忘れないようにしています。

あとは、仕事以外でも、インド人の友人と一緒に過ごす時間を作るようにしています。
インド人の価値観や考え方に触れる機会になることはもちろん、英語力向上にも繋がっています。
人材業界以外の話を英語で伝える力や英語での雑談力を、友人とのコミュニケーションを通して鍛え上げているところです。

 

── 中村さんがインドで頑張る原動力について教えていただけますか?

 

夫がインドで起業していることもあり、私には日本に帰るという選択肢がなくて、「インドで生きていく」という覚悟を持って生活しています。

その上で、将来的には起業することも視野に入れています。
インドで起業するハードルはとても高いですが、選択肢として持っておくのは良いと思っているんです。
そのためにも、直近の課題として挙げた交渉力をはじめ、必要な能力をどんどん高めていきたいと思っています。

また、短期的な目標だけでなく、中長期的なビジョンについても、定期的に整理するようにしています。
その際、夫とも一緒に話し合いをしながら、お互いのビジョンを共有しています。
お互いの目標について理解し、応援しあえることが大切だと思っているからです。

 

気になる今後と海外で働きたい方へのメッセージ

 

── 常に高い目標に向かって努力を重ねる姿が印象的なお話でした。今後についてはどのようにお考えでしょうか?

 

子供がいても自分らしく、仕事を通して自分を表現しつづけることが目標です。
自分を表現する手段はたくさんありますが、私にとってはそれが仕事です。
目標を叶えられるような環境を自分で創り出せるよう、今からしっかりと準備をしようと思っています。

また、男女を問わず、何かしらの方法で自分を表現したい方は多いと思います。
自分だけでなく、誰もが思いっきり自己表現できるような環境や機会の創造にも関わっていきたいと思っています。

 

── 最後に、海外で働きたい方へのメッセージをお願いします!

 

「”今しかできないこと”なんてきっとない。ただ、そう思えるチャレンジをしたい。」
日本で転職したとき、インドに移住したときをはじめ、どんなときも私が大切にしてきた考え方です。
結果はどうあれ、行動することで得られる学びがきっとあり、それを次に繋げられるかは自分次第だと思っています。

海外で働きたいと考えている時点で、挑戦してみたいと思っているはず。
だったら、叶えずに後悔するよりは、一歩踏み出して挑戦してみませんか?
あとから振り返って、「あのとき挑戦しておけばよかった」という後悔だけはしてほしくないと思っています。

 

まとめ

いかがでしたか?

「仕事を通して自分を表現したい!」
そう強く思っているからこそ、ライフイベントに左右されず、自分らしく働きつづけたいという中村さん。
自己実現だけでなく、誰かの背中を押すことに大きなやりがいと喜びを感じながら、向上心高く臨みつづける姿が印象的でした。

最後の「”今しかできないこと”なんてきっとない。ただ、そう思えるチャレンジをしたい。」というメッセージも、中村さんの生き方に通ずる部分があったと思います。
大嫌いだったインドに飛び込み、成長を実感しながらイキイキと働く中村さんの姿から、私自身たくさんの刺激をいただきました。

中村さん、今回は貴重なお話をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました!
今後のご活躍はもちろん、今後も中村さんが発信する“リアルなインドの情報”を心から楽しみにしています。

*今回ご紹介した中村さんのSNSはこちら>ブログTwitterYouTube
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Jiyoung Baek

セブ留学がきっかけで東南アジアの虜に!! フィリピン・セブでの海外インターンを経て、ベトナム・ハノイで海外就職。約2年に渡って大好きな東南アジアで働きながら、旅をする生活をしていました。 現在は自身の海外経験を基に、旅するインタビュアーとして海外で活躍する方々を取材し、「海外で働くとは」について発信することで、海外で働きたいけど一歩踏み出せない方に挑戦のきっかけを作るべく奮闘中。 どんなときもアジアの眩しい陽射しのような笑顔を忘れず、頑張っています! 日々大事にしていること「やらない後悔よりやって後悔、何でもやってみる!」