海外就職成功事例

“普通”とは違う道を選んだ勇気ある挑戦!公認会計士の資格取得後、新卒でインドへ渡った新井辰和さんのストーリー

今回は、公認会計士の資格を取得後に新卒でインドの会計事務所に就職した、新井辰和(あらい たつお)さんにお話を伺いました。
大学時代になんとなく参加したインターンシップで、インドの成長可能性を強く感じ、インドで働くことに関心を持った新井さん。
一方、公認会計士の資格取得後は、日本の監査法人で3年間実務経験を積むのが一般的。
資格取得のために4年間勉強してきた上で、「“普通”の道とは違う生き方を選んで良いものだろうか」と、何度も悩んだそうです。

どんどん伸びていくインドの姿が頭から離れず、最後は勢いでインド就職を決意した新井さん。
これまで苦労したこともありましたが、成長を実感しながらイキイキとお仕事をされています。
今回は、そんな新井さんの「今」を徹底的に取材してきました!

充実した毎日を過ごす新井さんの姿から、インドで働く魅力だけでなく、怖さを乗りこえて一歩踏みだす勇気をもらえるはず。
ぜひ最後までお読みください!

新井辰和さん プロフィール
大学在学中にインドでの海外インターンを経験し(2回)、インドの将来的な成長可能性の大きさに心惹かれる。2018年に公認会計士資格を取得後、大学卒業後の2019年に新卒でインド就職を果たす。現在は、インドに進出する日系企業向けにコンサルティング事業を展開する、スズキグローバルコンサルティング株式会社でジャパンデスクのマネージャーとして奮闘中。
*当日伺ったお話をもとに執筆。

 

海外インターンでインドの虜に。「普通」の道から外れる怖さを乗りこえ、新卒でインドへ!

 

── 新卒でインド就職、とても勇気のある挑戦だと思います! もともと海外に関心はあったのでしょうか?

 

周りで海外に目を向けている人がおらず、英語や海外に関心を持つきっかけはまったくありませんでした。
そんな僕にとって転機となったのが、SNSでたまたま見かけた、インドでの海外インターン参加者を募集する案内でした。

当時の僕は、公認会計士の資格取得を目指して予備校に通っていました。
案内をよく見ると、当時通っていた予備校でも説明会が開催されるとのことだったので、軽い気持ちで参加したんです。
そこで「行ってみたら面白そう!」と参加を即決し、インドを訪れたのが初めての海外経験でした。

 

── 参加を即決した背景について、もう少し詳しく教えていただけますか?

 

当時の僕は、「他の人とは違った生き方をしたい!」と思っていました。
日本で公認会計士の資格を取得すると、日本の監査法人で実務経験を積むのが一般的です。
一方、僕は周りと同じような道を進むのではなく、別の道を模索したい気持ちがあったんです。

ちょうど募集していたインターンの主な活動が、インドで働く公認会計士や弁護士の方へのインタビューでした。
活動を通して、現地で活躍する専門家の方々の生き方に触れることで、何か今後のヒントが得られそうだと思ったんです。

 

── 実際インターンに参加してみて、どうでしたか?

 

今後伸びていくであろう、インドの可能性や活気が強く感じられた2週間でした。
日本の高度成長期やバブルを教科書でしか知らない僕にとって、勢いよく成長を続けるインドの様子は新鮮だったんです。
このインターンを通して、インドに身を置いて、日本ではできない経験をしたいと思うようになりました。

また、現職の代表ともインターンを通して出会いました。
日本に帰国後も何度かやり取りをする中で、代表から現職の会社でのインターンに誘われたんです。
それがきっかけで、大学4年の夏にもう一度インドへ渡りました。

 

── その段階で既にインドで働きたいと思っていたのでしょうか?

 

じつは、この段階ではまだとても悩んでいました。

公認会計士の場合、資格取得後は監査法人に就職するのが普通です。
なぜなら、監査法人で3年以上の実務経験を積まないと、「会計士」とは名乗れないからです。

このような事情もあり、資格取得のために4年間も勉強を続けてきたのに、別の道を選ぶのはもったいないように感じていたんです。
周囲も反対していましたし、僕自身にも“普通”の道を外れる怖さは強くありました。

 

── 最終的に何がきっかけになったのでしょうか?

 

日本でも就職活動をしましたが、ずっとモヤモヤした気持ちが残っていました。
就職活動をしながらも、頭の片隅にはどんどん成長するインドの姿が常に浮かんでいたんです。
だったら、「行くしかない!」と最後は勢いで決めました(笑)。

また、現職の代表と何度も話をするうちに、「一緒に働きたい!」と強く思いました。
インドの日系会計事務所でトップを目指すという熱いビジョンに共感したんです。
それに、弊社はまだ設立3年目で、自分の手で組織を作り上げられるところも魅力的でした。
就職活動を通して見る監査法人のイメージとは、真逆なところに心惹かれたんですよね・・・!

 

変化の幅が大きなインドで、チャレンジを重ねながら成長中

ある日のオフィスにて(新井さんは写真中央)

 

── 現在のお仕事について教えていただけますか?

 

日系会計事務所のインド支社で、インドに進出する日系企業向けの会計・財務・税務に関するサポートや新規会社設立のお手伝いをしています。
インドの法律にもとづく細かい規定の確認や計算については、インド人会計士が担当しているので、僕はお客様となる日系企業様とインド人会計士の橋渡しをしています。
このような業務をする上で、会計における基本的な考え方や計算方法はインドでも同じなので、公認会計士を目指して頑張った経験や知識が活きていると思います。

また、代表と同行し、お取引先となる日系企業様の新規開拓活動も行っています。
現状1年目なので、営業先でもお客様と話をするのは代表が中心ですが、いずれは一人で新規開拓活動ができるように努力しているところです。

 

── お仕事のどのようなところにやりがいを感じますか?

 

何よりも変化の幅が大きく、何が起こるか分からないという環境で仕事ができることに面白みを感じています。
日本ではあらゆるリスクを考慮した上で物事を進めていきますが、インドでは「まずはやってみよう!」の精神を大切にしています。
おかげで、スピード感を持って物事が進みますし、どんどん挑戦できる環境がとても魅力的だと感じています。

また、日本人は代表と僕の2名しかいないため、任される業務の幅や裁量がかなり大きいんです。
新卒で日本の企業に就職するよりも、圧倒的に成長しているのではないかと思っています。

とはいえ、最初の3ヶ月間は、日本の商習慣やビジネスの基礎知識が身についておらず、代表によく弱音を吐いていました。
これについては、目の前のことに一生懸命取り組む中で身につけるしかないと思っているので、模索することを楽しみながら、今もなんとか頑張っているところです。

 

── ほかに、苦労していることはありますか?

 

同期がいないので、比較対象や基準になる人がいないことが、ときどき不安になります。
同世代の仲間が、日本で僕よりはるかに活躍していたらどうしようと焦ったりもします。
少しでも不安や焦りを解消するためにも、インドで出会った方たちとカフェで勉強会を開催するなど、休日もスキルアップに励んでいます。

また、仕事よりも家族を大切にする傾向がある、インド人スタッフとの価値観の違いには苦労しています。
仕事で納期があるにもかかわらず、何度言っても納期前の忙しい時期に休んでしまうこともあります。
お客様が日系企業である以上、押さえるべきところは日本の文化に合わせていかないと、お客様の満足には繋がりません。
インドの文化や考え方を尊重しながら、いかに日本の文化や考え方と折り合いをつけていくかは難しい部分ですよね。

 

── 価値観の違いを乗りこえるために、何か心がけていることはありますか?

 

「なぜ日本人スタッフが納期に厳しいのか」など、何かを伝える際はその背景にある意図まできちんと説明するようになりました。
一緒に仕事をする中で、日本特有の「暗黙の了解」は通用せず、思ったことはきちんと伝える必要があると気づいたからです。
説明をし過ぎると、面倒臭がられてしまうのが難しさでもありますが・・・!

伝えたことで意識の変化があったときはとても嬉しかったです。
インド人スタッフはお客様とのミーティングにもカジュアルな服装で出席したりもします。
ただ、日系企業がお客様ということもあり、フォーマルな服装で出席した方がいいと伝えたんです。
次からスーツを着てミーティングに臨むようになったときは、きちんと伝わった喜びを感じました。

 

気になる今後と海外で働きたい方へのメッセージ

インド人スタッフと新井さん(写真右端)

 

── 今後についてはどのようにお考えでしょうか?

 

正直なところ、まだそこまで具体的なビジョンが描けている訳ではありません。
いろいろと行動を続けているうちに、変化していく部分もあると思います。
ただ、今はインドで目の前の仕事に全力で向きあい、成果を残したいと思っています。

なぜなら、僕は将来インドが必ず大きくなると信じており、成長の可能性に期待を寄せているからです。
成長を見込んで、今後より多くの日系企業がインドに進出してくると思うので、何か困ったら、一番に相談してもらえる存在になりたいと思っています。

そう思えるのは、前向きでフレンドリーなインド人と、毎日楽しく仕事ができているおかげでもあります。
自分の思いにまっすぐなインド人と一緒にいることで、僕自身も変に気を遣うことなく、自分らしく過ごせている気もしています。

 

── 最後に、海外で働きたい方へのメッセージをお願いします!

 

僕自身がインドに来て約1年とまだ短いので、自分の選択が正しかったのか結論が出ていないのが正直なところです。
最初の3ヶ月間は本当に大変で、来ない方が良かったと思っていた時期もありました(笑)。

ただ、チャレンジしやすい時期に行動した方が良いとは思っています。
僕はまだ家庭を持っている訳でもなく、両親も健康なので、海外で働くにあたって何もしがらみがない状態でした。
もしある程度キャリアを積んで、他のしがらみもできていたら、挑戦したくてもなかなか難しかったのではないかと思っています。

 

まとめ

いかがでしたか?

インドで働く決意をするまでは、“普通”の道を外れてしまう不安や恐れもあったという新井さん。
どんどん成長を続けるインドの姿が頭から離れず、最終的にインドで挑戦する道を選びました。
そんな新井さんがインドで毎日たくさんのことを学び、ワクワクしながら進む姿が印象的でした。

「インドのことなら新井さんに相談しよう!」という存在になりたいとお話されていた新井さん。
目標に向けて一生懸命仕事と向き合う新井さんが、今後どのように目標を実現していくか、私もとても楽しみです。

新井さん、今回は貴重なお話をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました!
今後のご活躍を心より応援しています。

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Jiyoung Baek

セブ留学がきっかけで東南アジアの虜に!! フィリピン・セブでの海外インターンを経て、ベトナム・ハノイで海外就職。約2年に渡って大好きな東南アジアで働きながら、旅をする生活をしていました。 現在は自身の海外経験を基に、旅するインタビュアーとして海外で活躍する方々を取材し、「海外で働くとは」について発信することで、海外で働きたいけど一歩踏み出せない方に挑戦のきっかけを作るべく奮闘中。 どんなときもアジアの眩しい陽射しのような笑顔を忘れず、頑張っています! 日々大事にしていること「やらない後悔よりやって後悔、何でもやってみる!」