年齢なんて関係ない!英語を学んで40代でシンガポール就職に挑戦した男性の軌跡と成功の秘訣
こんにちは!
BEYOND THE BORDER ライターのペクです!
「もっと英語を活かした仕事がしたい!」、「海外で働いてみたい!」、「新しいスキルを身につけたい!」
そんな思いはあるけれど・・・「果たして今から始めて間に合うのだろうか?」とか「本当に私(僕)にできるのだろうか?」という不安や疑問を抱いている方も多いはず。
あるいは、思いの実現に向けて動き出してはみたものの、心が折れそうになったり、壁にぶち当たったりして身動きが取れなくなってしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
今回はそんな皆さんに勇気を与えてくれるであろうストーリーをお届けします。
お話を伺ったのは、日本でシステム開発に十数年携わった後、40歳を目前にシンガポール留学・就職を果たし、現在もシンガポールでご活躍の志知淳一(しち じゅんいち)さん。
日本でシステム開発に携わっている頃から、IT、会計、英語・・・関心を持ったことに徹底的に取り組んで行くうち、語学を学びたい気持ちや海外で働きたいという思いを抱き、シンガポール就職を果たした志知さん。
「挑戦するにあたって年齢なんて関係ない! 必要なのは時間と労力を投じる覚悟を持って、全力で臨むこと。」
この“とことん突き詰める”姿勢こそが志知さんの強みであり、成功の秘訣。
何かに挑戦するにあたって不安や恐れはあるかもしれませんが、一歩踏み出すことで見えることもあり、拓ける道だってあります。
前向きに、力強く進む志知さんのお姿や心持ちは、きっと迷える方の参考になるはず。
海外就職をご検討の方は是非ご一読下さい!
目次
志知淳一さんとは?
大学院を卒業後、新卒で日系IT企業へ入社し、行政機関が使用するシステム開発に携わる。その後、外資系のコンサルティングファームやソフトウェアベンダーでの会計システムの開発を経て、1年間シンガポールに語学留学し、英語と中国語を学ぶ。2011年から現在に至るまで、日系IT企業のシンガポールオフィスにて勤務。プライベートではゲームアプリの開発やリリースに携わったり、プログラミング教室の講師を務めるなど、多岐にわたってご活躍されている。
※プロフィールは当日伺ったお話や志知さんから頂戴したプロフィール(紙媒体)をもとに執筆。プロフィール写真は志知さんご本人から頂戴したものです。
IT、会計、そして英語・・・「挑戦したい!」気持ちでとことん突き進んできた日々
── これまで一貫してIT分野でお仕事をされていますよね。IT業界を志したきっかけについて教えて頂けますか?
まず、IT業界を志したきっかけに限らず言えることですが・・・僕の人生で僕が取り組んできたことのきっかけは、「ちょっとした偶然」だったりします。
きっかけは偶然でも「挑戦したい!」と思ったら、とことん突き詰めるタイプなので。
大学院まで航空宇宙学科に所属するほどの飛行機好きで、元々は飛行機やロケットの開発に携わりたかったんです。
だからこそ、大学や大学院では流体(空気の流れ)の数値解析をする研究に取り組んでいました。
その過程で必要だったプログラミングやコンピューター関連の知識を得るうちにシステム開発に関心を持ちました。
飛行機やロケットの開発に携わるのは正直狭き門で、諦めざるを得なくて・・・。
それなら、関心を持ったIT分野で仕事をしてみようと思いました。
── きっかけは偶然だったんですね!偶然からここまで突き詰めて進んできたところ、とても尊敬します。
思い返せば、会計システムの開発に携わったのも偶然がきっかけでした。
新卒で入社した会社では、資格取得に対して会社が補助金を出してくれる仕組みがあり、スキルや知識を習得するためにも、とにかくIT関連の資格取得に励みました。
様々な資格を取得し続けていると、取得できる資格がなくなってしまい・・。
たまたま会社が簿記の資格に関しても、取得したら補助金を出すということだったので、簿記の勉強を始めてみたら・・・夢中になってしまったんです。
そこから、会計システムの開発に携わりたいという気持ちが芽生え、転職しました。
── 会計システムの開発に携わることになったきっかけも偶然!このとき外資系企業を選んだ理由は、海外に関心があったからですか?
当時は全く海外に目は向いていませんでした。
学生時代からいずれ翻訳・通訳ソフトが出ると思っていたので、英語の勉強なんてやるだけ損だと思って生きていたぐらいです(苦笑)。
たまたま「会計システムの開発ができる企業」という軸で転職活動をしたら、外資系企業だったという感じですね。
── 元々は海外にはあまり関心がなかったんですね、意外でした! 何がきっかけで英語に関心を持ち、海外に目を向けるようになったのでしょうか?
米国公認会計士の資格に関心を持って勉強し、実際に受験のためにグアムを訪れたのがきっかけです。
会計系の勉強に励むうちに、簿記1級に合格したので、さらに極めるために米国公認会計士(USCPA)の取得を目指すことにしたんです。
試験は日本では受験ができず、日本から一番近いグアムで受けるのが一般的だったので、僕自身も受験のためにグアムを訪れました。
当然問題も英語なので、普段から英語を勉強してはいたものの・・・現地で会話が全くできないという現実に直面したんです(苦笑)。
ここで英会話の必要性を痛感したのを機に、まずは仕事をしながら日本で英会話学校に通い始めましたね。
会計知識やスキルのみでなく、英語ができた方が自分の幅や可能性が広がるとも感じました。
── 好奇心に従ってとことん突き進むうちに、海外に関心を持つようになったんですね! 実際に海外へ飛び出したきっかけについて教えて頂けますか?
米国公認会計士の資格取得にあたって、資格の活かし方や資格を取得して活躍している方について調べました。
その過程で、取得した資格や学んだスキルを活かして海外で働きたいという思いを抱くようになったんです。
当時勤めていたのは外資系企業なので、当然海外拠点もありますし、クライアントは世界中にいました。
ただ、海外出張にいけるようなポジションへの異動や海外赴任のチャンスは実際に学生時代から留学経験のあるような方にしか巡ってこない状況で・・・。
ここにいても、僕にチャンスは巡ってこないと思ったんです。
「好き!」をとことん仕事にしたシンガポール就職。充実した日々とその背景にある思いに迫る!
── 数ある国の中からシンガポールを選んだのはなぜですか?
海外で働くにあたって、まずは語学留学に行こうとしたのですが、英語だけを習得するよりもうひとつ言語を習得できた方が良いと感じました。
当時、既に40歳目前だったので、「この歳になって英語だけのために留学に行くのは・・・」という気持ちもありまして。
調べるうちに中国語を学びたいと思ったので、英語と中国を同時に学べるシンガポールを選びました。
シンガポールに来てからは、半日が英語、半日が中国語を学ぶ生活をしていました。
語学の習得に集中すべく、日本人の友人を一切作らず、基本的に中国の方か英語圏の方々と行動を共にしていましたね。
── 志知さんはご自身に課す目標が常に高くて素敵ですね! 40代目前という時期に海外で挑戦することに対して、不安や恐怖心は感じなかったのでしょうか?
「自分がしたいことをする!」が僕のポリシーであり、「挑戦すると決めた以上はとことん取り組む!」という強い気持ちがあるんです。
そこに対して不安は特になくて、悔いなく全力で向き合うだけだと思っています。
何かに挑戦するにあたって、年齢なんて関係ないとも思っています。
80歳、90歳まで仕事をし続けようと僕は思っており、そう考えると30代、40代なんてまだまだ長いキャリアのスタート地点ですよね?
新しいことに挑戦したいと思ったら、いくらでも挑戦すればいいし、遅すぎるなんてことはないと思います。
ただ、年齢によっては責任が伴う場合もあり、挑戦を続けるのは甘いものではありません。
だからこそ、時間を投入して頑張る覚悟は必要だと僕は思っています。
── 年齢は関係なく、必要なのは全力でやりきる覚悟のみということですね! ご留学後にそのままシンガポールで就職されたのはなぜですか?
1年間の語学留学を経て、学校には通わないものの、もう少し英語も中国語も自分の力で伸ばしていきながら生活したいと思っていました。
仕事でも日常生活でも英語と中国語を活かしながら生きていくにはシンガポールが最適だと思ったんです。
また、経済発展の著しい東南アジアに身を置くことで、僕自身もどんどん成長していきたいと感じました。
── 伸びゆく東南アジアで、英語と中国語を活かすという軸でシンガポールだったんですね。現在のお仕事について教えて頂けますか?
日系のIT企業で、会計システムの開発サポートに携わっています。
シンガポール人を含む外国人のスタッフの方々と協働しながら、システムの開発を日々進めています。
社内は日本人と外国人(シンガポール人を含む)の比率が1対3程度という多国籍な環境で、口頭での指示出し・メール・会議を含め、ほとんど英語で行われています。
当然日本本社とやり取りする場合は日本語ですが・・・。
── 今のお仕事のやりがいや面白みはどんなところですか?
僕にとって、自分の好奇心や向上心に従って挑戦ができていればそれが幸せで、楽しいことなんです。
今はこれまで学んできた会計システムやそれに付随する知識や経験、活かしたいと思っていた語学のスキルを発揮しながら仕事と向き合えていて、すごく満足していますね。
シンガポールに来てから人の輪はすごく広がったと思っています。
和僑会や大学のOB・OG会といった日本人コミュニティもあり、実際趣味で取り組んでいる子供達向けにプログラミングを教える活動などは、コミュニティで得た人脈や繋がりから始まっています。
また、趣味で取り組んでいるゲームアプリの開発やゲームショーへの出展を通して、シンガポールや他国の開発者や経営者の方々と交流を深めたりもしていますね。
人との繋がりから、自分の幅や可能性がどんどん広がっていくのを感じられるのがすごく楽しいです。
── 逆に、大変なことや難しさはありますか?
言葉や文化の違いによる意思疎通の難しさは感じています。
日本にいた頃は、同業者であれば分かり合えるような部分もありましたが、そうではないので念を入れて確認することが必要です。
常に自身の考えと相手の考えをきちんとすり合わせることが大切ですよね。
また、語学力を活かしたくて頑張ってきましたが、ハードルは正直まだまだ感じています。
弊社のシンガポールオフィスでは、インドまで含む東南アジア全域とオーストラリアの地域統括拠点となっており、様々な国の方々と英語でコミュニケーションをとる必要があります。
特に電話の場合、各国ごとに異なる英語のなまりを聞き取ることに苦戦していますね(苦笑)。
── 様々な難しさと向き合いながらここまで乗り越えてこられた秘訣は何かありますか?
今、僕は「自分が望むことに挑戦できている」という思いが根本にありますね。
挑戦したいと思って臨んだことに取り組めている以上、そこに伴う難しさから成長も感じられますし、難しさも楽しみのひとつとして捉えています。
目先のことだけでなく、「挑戦したい!」と思ったときに自身が描いた理想にも意識を向けながら、日々向き合っています。
気になる今後と海外で働きたい方へのメッセージ
ご自身の「挑戦したい!」という気持ちに素直になり、これまで挑戦を続けてこられた志知さん。
そこには一度決めたら全力で向き合う姿勢と時間や労力を投じる覚悟が常にありました。
ご自身の挑戦したいことや描く理想に近づくためなら、その道のりもすべて必要なものであり、楽しいものと捉え、前向きに進む姿が印象的でした。
そんな志知さんは今後についてどのようにお考えなのでしょうか?
海外で働きたい方へのメッセージと併せて伺ってみました!
── 今後についてはどのようにお考えですか?
将来的にはまだまだ伸びしろのある東南アジアで起業し、最終的には自身が手掛けたサービスを日本でも普及させたいと考えています。
東南アジアはまだまだ何かをどんどん“大きく”することができる場所だと感じていて・・・。
特に、最新技術に携わりたいという思いが強く、AR(注1)分野に軸足を置いてビジネスを展開したいと考えています。
今後数年でIoT(注2)で情報を収集し、AI(人工知能)で入手した情報を分析し、ARでどのように見せるかが重要になってくると思っていますが、ARに特化した会社はまだ少ないので。
(注1)ARとは・・・拡張現実(Augmented Reality)の略。現実の環境や物に、コンピューターで様々な情報を重ねて表示する技術のこと。(参照:コトバンク)
(注2)IoTとは・・・"Internet of Things"の略で、「モノのインターネット」と呼ばれることもある。コンピューター以外の多種多様な「モノ」がインターネットに接続され、相互に情報をやり取りすること。(参照:コトバンク)
── なるほど。現在のお仕事とはあまり関係ないように思うのですが・・・。このような思いを抱いたきっかけは何かありますか?
これもきっかけは偶然なんです(笑)。
元々持っているプログラミングスキルを活かして最新技術に関わろうと、最初はAIのプロダクトを作り始めました。
そこからAIについていろいろと調べるうちに、3Dの世界が簡単に再現できるゲームエンジンの存在を知り、実際にゲームをリリースさせたりしていました。
そのうち、使っているゲームエンジンでVR(仮想現実)/AR(拡張現実)の開発ができると知り、その将来性に気付いたんです。
最近ではこれも趣味の延長ですが、ARゲームの開発を行いながら知識・スキルを磨いています。
自分が関心を持ったことに対して、同時並行的に向き合っていく中で、最終的に今の思いにたどり着きましたね。
夢中になって取り組んでいる中で、関連する別のことにも関心が湧いてきて、そこに向かってまた全力で進んでいく・・・その繰り返しです。
── 小さな偶然を着実にご自身のものにされる志知さんのお姿、素敵です。最後に、海外で働きたい方へのメッセージをお願いします!
まず何よりも、挑戦したいことに挑戦する方が幸せであり、そこに年齢は関係ないと伝えたいです。
ただ、年齢によっては責任が伴う場合もありますので、向き合うと決めたならかなりの時間と労力をかける覚悟は必要だと思っています。
仕事でも趣味でも様々なことに挑戦してきた僕ですが、仕事に1日8時間、週5日の計40時間取り組むなら、趣味にも同じ週40時間をかけるという意気込みで取り組んでいます。
そんな風に生きるのも充実していて、すごく楽しいですよ!
また、僕自身、まだまだ英語は伸ばしていく必要があるという状況の中、経験を活かしてシンガポール就職を果たしました。
その経験から、「海外で働きたい!」と思いながらも、英語がネックで踏み出せないなら、現地の日系企業で経験を積むところからスタートするのも一つの選択肢だと考えています。
日系企業の場合、仕事の進め方に日本と同じような部分が残っていたり、同僚の日本人や日本本社と日本語でやり取りをする場面もあります。
一方で、現地スタッフの方も一定数いらっしゃるので、彼らとのコミュニケーションを通して英語のスキルや海外での実務経験を積むことができますよね?
そこで得た経験を活かして、次のステップを考えることも十分可能だと思いますし、踏み出したからこそ見える世界もあると思っています。
まとめ
いかがでしたか?
「挑戦したいことに挑戦する!」
そのお言葉通り、関心のあることにとことん挑戦し続けてきた志知さん。
きっかけは偶然でも、すべて着実にご自身のものにされる姿、とても素敵だと思いました。
「挑戦するにあたって年齢は関係なく、そこに時間と労力を投じる覚悟をきちんとした上で向き合う」
ご自身が決めたことに対して覚悟を持って全力で取り組む、それこそが志知さんの成功の秘訣だと思います。
志知さんのおっしゃる通り、まずは海外現地の日系企業で就労経験を積むのは一つの選択肢だと私も思っています。
英語が完璧にできないと海外で働けないのではなく、ある程度準備をした上で一歩踏み出し、その先で英語のスキルを磨きなら、他にも様々な経験を積んでいくのは大変有効な手段だと、今回のお話を通じて改めて感じました。
お仕事でも趣味でもまだまだたくさん挑戦したいことがあるという志知さん。
今後どんな風にチャレンジを続けていかれるのか、個人的にとても楽しみです。
志知さん、改めまして今回は貴重なお話をお聞かせ頂きまして、本当にありがとうございました!
今後の益々のご活躍を祈念しております。