日本で鍛えた採用のキャリアを活かしてマレーシア就職!原動力は「楽しく働ける環境の基礎を作る」使命感
こんにちは!
BEYOND THE BORDER ライターのペクです!
突然ですが・・・皆さんにとって日々仕事に励む原動力は何ですか?
達成すべき目標、お客様の笑顔、仕事のプロセスで感じる楽しさ・・・きっといろいろあると思います。
その原動力は皆さんのどんな経験に基づくものなのか、一度考えてみませんか?
今回のお話はきっと皆さんの原動力を紐解くヒントになるはず。
お話を伺ったのは、日本で日系・外資系企業数社で人事、なかでも採用担当者として経験を積み、そのキャリアを活かしてマレーシア就職を果たした佐藤えりこさん。
ご主人の海外赴任でマレーシアへ移ることになった佐藤さんですが、長年「海外で働きたい」という思いもあり、マレーシア就職に挑戦されたそうです。
「人事」のキャリア以外に何か武器を身に着けるべく、外資系企業への転職にも挑戦するなど、常に高い向上心を持ち、先々にも目を向けながら前に進み続けてきた佐藤さん。
マレーシア就職に際しても日本で培ってきた経験を活かせる場を探し続けた結果、現在も引き続き、採用担当者としてご活躍されておられます。
その背景にあるのが・・・「人々が楽しく働ける環境の基礎づくりをする」という使命感。
日本で数社を経る中で佐藤さんご自身が社内でのいじめに苦しみ、強い憤りを感じたのを機に、この思いが芽生えたそうです。
・そんな佐藤さんが、ご自身の経験をもとに感じている思いや今後実現したいこととは?
・マレーシアでときに難しさに直面しながらも、力強く前に進み続ける佐藤さんを支える多様な経験やそれに基づく困難との向き合い方とは?
海外就職をご検討の方は是非ご一読下さい!
目次
佐藤えりこさんとは?
大学卒業後、新卒で入社した日系企業で人事としてのキャリアをスタート。以降、日系・外資系企業数社で主に採用担当者として新卒・中途採用を担当。2019年よりマレーシアへ移住し、現在はマレーシア現地の企業で採用担当として活躍中。
※プロフィールは当日伺ったお話を基に執筆。
外資系企業でもご勤務されておられましたし、現在もマレーシア在住。
元々海外にご関心があったのですか?
いつか海外で働いてみたいという思いがずっとありました。
元々旅行が好きで外国語を勉強してはいましたが、英語力が全く追いつかなくて(苦笑)。
自分の実力をつけていかないと海外にはいけないだろうと思っていました。
いつか、いつかと願い続けていたものが今になったという感じですね(笑)。
ずっと海外で働きたいという思いはあったんですね。
海外に関心を持つようになったきっかけは何かありますか?
私の地元がハンガリーの小さな都市と姉妹提携を組んでいたんです。
ハンガリーから地元に来た留学生を家で受け入れていましたし、私自身も中学校のときにハンガリーにホームステイに1週間行きました。
それを機にヨーロッパが大好きになり、大学でもフランス語を専攻していたんです。
映画や文学を通してフランスの思想に触れたり、1ヶ月ほどフランスに語学留学もしました。
フランス語は流暢と言えるほどには究められませんでしたが、多様な文化への理解が深まり、海外にかける想いがより一層強くなりましたね。
人事や採用の仕事を日本で究める日々。そこに掛ける思いや原動力とは?
そのような中、人事職としてキャリアをスタートさせたのはなぜですか?
新卒で入社した会社の人事の方がとても素敵な方で!
就職活動中に「こんな人になりたい」とか「こんな人と働きたい」と思ったのを機に、人事職を志すことになりました。
今思うとすごく危険な判断でしたが(笑)、今の自分があるのはその方と出会ったからだと思います。
就職活動をしていた頃が、ちょうどリーマンショックの時期で・・・。
会社については行きたいところに行けるという状況ではなく、入社できる会社に行くしかないというのが正直なところでした。
私は東北出身なのですが、どうしても上京したかったんです。
リーマンショックの時期に就職活動だったとは・・・大変でしたね。
どうしても東京で働きたかったのはなぜですか?
地元では、狭い世界で常に周囲の「誰か」と比較されながら生きてきました。
特に私自身は長女なので、親の期待も大きかったようで(苦笑)。
親と同世代だと、海外はおろか地元からも出たことがなくて考え方が古い方も多いんです。
少し派手なことをするとすぐに目立ってしまいましたし、噂話や嫉妬の対象になったりもしました。
だからなのでしょうか・・・私は悔しさをバネに生きてきたと思うんです。
常に周囲の誰かよりも「何か」ができる自分でいたい、それが私の原動力でした。
勉強や英語もそうですし、容姿、(社会人になってからは)職業や収入も・・・常に比べられてきたせいか、周囲が自分よりよく見えちゃって。
そんな狭い世界を飛び出したくて、大学も県外を希望したんです。
親の希望もあって都心には出られなかったものの、充実した4年間ではありました。
ただ、みんなが地元で就職するなら、私は東京で就職したいと思いました。
悔しさを原動力に進んで来られたんですね。
一貫して人事のお仕事をされているのは・・・お仕事が楽しかったからでしょうか?
人事の仕事を続ける原動力としては楽しさもありますし、ある種使命感のような部分もあります。
私は人事の中でも基本的に採用に携わっているのですが、新卒採用が特に面白くて!
特に、若い学生の方々の希望に満ちた、キラキラしたお顔を見る瞬間が大好きなんです。
自分の言葉やアイデアで、これまで知らなかった会社に対して学生さんが興味を持ってくれるとすごく嬉しかったですし・・・。
採用担当者として是非一緒に働きたいと思いつつも、他の企業様に入社するだろうと思っていた学生さんが入社を決断してくれた瞬間もたまらなかったです!
会社のブランドを保ちつつ、いかに求職者の方に響くアプローチができるかを考え、それが上手く行ったときの達成感はすごくありましたね。
素敵な笑顔でお話されていて、楽しさや喜びが伝わってきます!
ただ・・・「使命感」とはどういうことでしょうか?
人々が日々楽しく働ける環境を作り、守っていくのが人事職の使命であり、醍醐味であると思っているんです。
実は・・・私自身、数社を経る中で先輩社員からいじめを受け、精神的に参ってしまった経験があります。
それも人事部の中で、です。
人事部は人々が働きやすい環境を作るための部署だと思いませんか?
その起点となる場所で、ハラスメントやいじめなど、仕事を楽しめなくなるようなことがあっていいはずがないと強い憤りを感じたんです。
自身の経験から、私自身は採用担当者として「人々が楽しく働ける環境の基礎づくりをする」ことを使命とし、適材適所を意識しながら日々仕事に望むようにしていますね。
単純かもしれませんが、いい人が入れば、よりいい会社になると思うので・・・。
辛いご経験をされましたね。ご自身の経験に基づく使命感や熱い思いがとても素敵です。
職種は一貫されておられますが、数社日本でご転職されているのはなぜですか?
今申し上げたような事情もありますが、常にキャリアアップしたいという気持ちで挑戦していました。
業界には特にこだわらず、人事や採用という職種を軸にした転職でしたね。
日系でもベンチャー企業に身を置けば、環境も仕事の進め方もがらりと変わります。
比較的知名度が高くないベンチャー企業の場合、採用したい人材を集めるために最適な打ち出し方を考えるところから始めなければなりません。
業界によっても採用する人材のカラーは変わるので、各社のカラーに合った人材に響く採用戦略を考えられるようになれると面白そうだと思いましたし・・・。
日系で数社勤務した後に外資系へ移ったのは、自身のキャリアを考えたときに「人事」や「採用」だけだと弱いと思ったからです。
いろいろと考えた末、元々海外にも関心がありましたし、自分のできることで英語を活かして仕事がしたいと思いました。
「人事」あるいは「採用」と「英語」を掛け合わせてキャリア形成をしていきたい、と考えたんですよね。
採用のキャリアを活かしたマレーシア就職。その楽しさと難しさに迫る!
日本でも充実した日々を過ごしていましたが、ご主人のマレーシア赴任が決まり、ご主人とともにマレーシアへ移住することに。
ここからはマレーシア就職の経緯やその背景、現在のお仕事についてお話を伺いました。
ご主人の海外赴任に際し、マレーシアで現地採用として働く道を選んだのはなぜですか?
せっかくなら、自身の身の回りに掛かる費用や友人と過ごす時間に費やす費用・・・自分の楽しみに対して、自分でお金を掛けられるようにしたいと思ったからです。
確かに駐在員として働く主人と比べると収入も少なく、そこまで家計の足しにはならないかもしれません。
それでも働くことで対等でいたいという気持ちがありました。
長年看護師として働きながら家族を支えて来た母の姿を見ていたので、私にとって働くお母さん、働く女性が当たり前だったのもあるかもしれませんね。
とてもありがたいことに、主人もそんな私の意思を尊重してくれたので、挑戦してみようと思いました。
素敵なご主人ですね!とても羨ましいです(笑)。
マレーシア就職実現にあたっては、どのような方法で就職活動をされたのですか?
「マレーシア 求人」等のキーワードでWeb検索をし、求人媒体を見て探しました。
マレーシアの求人は営業やカスタマーサポート職が多く、バックオフィス系の求人がすごく少なくて大変でした(苦笑)。
ただ、いずれ帰国して転職することも念頭に置くと、お給料がいいからといって全く関係のない仕事を選ぶ訳にはいかず、諦めずに人事や採用のポジションでの求人を探し続けました。
最終的に現在勤めている会社で採用担当者を募集しているのを見つけ、そちらでお世話になることにしました。
やはりバックオフィス系業務の求人は少ないんですね・・・。
現在のお仕事について教えて頂けますか?
マレーシア現地の企業で日本語スピーカー(日本人はもちろん、外国籍の日本語話者を含む)の採用に携わっています。
多言語でのサービスを提供している会社なので、日本語だけでなく、中国語や英語ができる人材をそれぞれ採用する必要があります。
採用チームのメンバーの中には英語や他の言語を話す方々の採用を担当するフィリピン人スタッフがいたり、バックオフィスにマレー系の方も多く在籍しているという多国籍な環境で、英語の使用頻度も上がりました。
お仕事のやりがいや楽しさはどんなところですか?
日本で働いていた頃と同様に、魅力的だと感じた候補者の方が入社してくれると嬉しいですね。
それに、自分が採用した方が入社後に活躍している様子を人づてに聞いたりするのもたまりません!
正直なところ、まだ勤務し始めて半年ほどなので、社内でのやりがいや面白みは探しているところですが、英語力が上がったのは実感しています。
なるほど。逆に、難しさや大変なことはありますか?
マレーシアで採用活動に携わるが故の難しさがあります。
マレーシアの方々は転職にとても前向きで、特に給与で比較された結果、他社へ流れてしまうことがあります。
日本からいらっしゃる日本人の方を採用する場合でも、就労ビザ取得までが採用のプロセスに含まれるので、日本であれば1ヶ月程度で完了するプロセスが2〜3ヶ月は掛かってしまうところが大変ですね。
また、マレーシア人の方々が決められたプロセスに則らず、感情で動いてしまうことがときどきあることに驚かされます。
なんだか古い日本を見ているようで・・・結構感情的になる方もいるので、法令遵守の観点など、日本の人事はすごくしっかりしているんだなと改めて感じました(苦笑)。
あとは、まだまだ英語力が足りないので、勉強と実践あるのみだなと思いますね。
日本と違う環境であるが故の難しさはやはりありますよね・・・。
日本にいた頃にも似たような傾向がありましたが、ルールを重んじる人事チームと営業的な要素を兼ね備えた採用チームで考え方が違うが故の難しさもあります。
特に現職だと、採用チームがいいと思っても、人事チームに止められることもあり、その際に協力して解決しようとせず、差し戻されることも何度かあったので、日本より難しさを感じます。
さらに、事業会社の採用というよりも人材紹介に近い採用で、どちらかというと数ばかりを見ているチームで・・・。
他のメンバーはインセンティブのために仕事をしているという雰囲気があり、正直馴染めない部分もあります。
私にとっては「人を応援したい」や「人が活躍する姿を見るのが嬉しい」という気持ちが、これまで日々仕事を頑張るモチベーションになっていました。
現状、このような理想とのギャップを感じる半面、採用という仕事の中で自分が大切にしたい価値観や仕事のスタンスに改めて考えさせられるいい機会だったと感じています。
いろんな難しさがあると思いますが、難しさについてはどのように捉えていますか?
国や会社が違えば、働き方も違うので仕方がない部分があると考えています。
日本でも日系・外資系の両方で勤務した経験がありますし、会社規模や業界の異なる複数の企業で勤務をしてきたので、そう思える部分はありますよね。
ただ、無理にすべて自分を新しい環境に適応させる必要もないと思っていて・・・。
過去に苦手な職場で「慣れよう!」や「頑張ろう!」と無理をして、上手くいかなかったこともあるので、我慢しない程度に頑張ることが大切だと思っています。
その上で、足りない部分をこれまで培ってきた社会人経験で補いつつ、今いる場所で自分のできることをしようという心持ちでいますね。
いろいろなことがありますが、主人と一緒に日本を飛び出し、海外での生活を始めたというのはひとつ大きいと感じています。
それぞれが仕事で感じている難しさや葛藤を共有できるので。
気になる今後と海外で働きたい方へのメッセージ
これまで多様な業界や会社規模の企業で様々な経験を積んだり、「人事」や「採用」と掛け合わせる「英語」という武器を新たに身に着けるべく外資系企業に転職したり・・・非常に向上心が高く、努力家の佐藤さん。
意外にもその原動力は、人と比較され続けられるが故の「悔しさ」でした。
途中、いじめ等の劣悪な職場環境で苦しんだ時期もありましたが、辛い経験もご自身の力や使命感に変えて、これまで歩んできた姿がとても印象的。
「今いる場所で自分のできることをしよう」という心持ちもとても素敵ですよね?
多様な経験をされてきた佐藤さんだからこそ、持てる心持ちなのではないかと思いました。
そんな佐藤さん、ご自身の今後についてはどのようにお考えなのでしょうか?
海外で働きたい方へのアドバイスと併せて、お話を伺ってきました!
ご自身の今後についてはどのようにお考えですか?
どんな場所、どんな環境にいても必要とされ続ける人でありたいという思いがあります。
会社に縛られず、「個」として何ができるかを考える方が個人的には面白いと感じていますね。
特に私の場合、主人の仕事の都合で日本へ帰るのか、また別の国へ移るのかが変わり、場所や環境を選べる訳ではないので。
そのために、今後勉強していきたい分野や取得したい資格、伸ばしていきたいスキルがたくさんあります。
英語はもちろんですが、人事の経験があるのでキャリアコンサルタント、先輩にいじめられて参ってしまった頃に私を救ったコーチング・・・などですね。
私はやはり「人を応援したい!」という気持ちがすごく強いのかもしれません。
自分自身がコミュニケーションを通して辛い経験を乗り越えられたからこそ、苦しい思いをされている方々が大変な時期を乗り越えられるよう手助けしたいという気持ちがあります。
そうすることで、誰もが楽しく働けるような社会や人が幸せに生きていける社会を実現できるといいなと感じています。
とても素敵な目標ですね、応援していますよ!
最後に、海外で働きたい方へのメッセージをお願いします!
意外と海外に飛び込むのは難しくなくて、勢いや挑戦したい気持ちがあればなんとかなります。
ただ、それに先立ち「なぜ海外に来たいのか」、「海外就職後にどんなキャリアを歩みたいのか」をしっかり考えながら動く必要があると思っています。
そうすることで、海外生活で吸収すべきことに意識を向けることができますし、楽しく充実した海外生活が送れると思います。
正直なところ、ときどき何をモチベーションにして頑張ればいいのかが分からなくなることがあるんです。
そんな時期を乗り越えるために、語学の習得や友人作りなど、小さな目標で構わないので、何かしら目標を持って進むことの大切さを痛感しています。
まとめ
いかがでしたか?
職種を軸に一貫したキャリアを歩みつつ、多様な業界で経験を積み、日系のみならず外資系でもご勤務された上で、これまでのキャリアを活かしてマレーシア就職を果たした佐藤さん。
常に自ら考えて行動し、多様な経験を積んできた佐藤さんだからこそ、今直面されている様々な難しさにも「今いる場所で自分のできることを」という意識で乗り越えていけるのだと思いました。
外資系企業へご転職された際のエピソードやご自身の今後に関するエピソードから、先のキャリアにも目を向けて、高い向上心を持って絶え間なく努力する姿も印象的ですよね?
また、人事のお仕事を続けて来られた背後にある、「人々が楽しく働ける環境の基礎づくりをする」という強い使命感。
ご自身の辛い経験を力に変えて、これまで真っ直ぐに歩んできた姿がとても素敵だと思いました。
そんな経験を乗り越えて来たからこその、「人を応援したい!」という気持ちや「対話やコミュニケーションを通して人々をサポートしたい」という気持ち。
今後どんな形で実現していくのかがとても楽しみです。
余談にはなりますが、佐藤さんの「人を応援したい!」という気持ちに私自身がすごく救われました。
「旅するインタビュアー」として、1年間で海外各地でご活躍されている方々100人を取材するチャレンジを始めてちょうど1ヶ月経った頃に実現した今回の取材。
私自身の活動の趣旨をお伝えした上でご面談のお願いをしたところ、なんと・・・他にも取材させて頂ける方を一生懸命探して下さりました。
佐藤さんが繋いで下さったご縁で実際に取材が実現した方もいらっしゃり、本当に感謝の気持ちが尽きません。
この場を借りて心より御礼申し上げます。
佐藤さん、改めましてこの度は素敵なお話をお聞かせ頂きまして、本当にありがとうございました!
今後の益々のご活躍を祈念するとともに、またどこかでお会いできる日を大変楽しみにしております。