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「働くって楽しいと思える社会を作る!」カナダで活躍するフリーランス・北野まなみさんの挑戦

「働くって楽しいと思える社会を作る!」

これまでカナダでキャリアを切り拓き続けてきたフリーランス・北野まなみさんの挑戦を支えた、ブレない思いです。

長年海外に出ることを夢見た末、ワーキングホリデーで訪れたカナダで、移民するチャンスを手に入れた北野さん。
一見すると順風満帆に思われる人生ですが、カナダで生活を始めた当初は、いきなり就きたい仕事に就ける訳でもなく、夢に描いた海外生活とは程遠い状態だったそうです。

そこから、自身や周りの友人の状況を客観的に見るなかで、「どこにいても幸せな自分」でいることの大切さに気づいたところから、さまざまな学びを経て、少しずつ状況が変わり始めます。
現在は、個人事業主の方向けにサービス設計のサポートを行うかたわら、さまざまなプロジェクトに関わるなど、多岐にわたってご活躍されておられる北野さん。

今回はそんな北野さんに、以下の3点についてお話を伺ってきました!

  • 「働くって楽しいと思える社会を作る!」という思いの背景
  • 紆余曲折ありながらも、カナダでキャリアを切り拓き続けてきた秘訣
  • イキイキとお仕事をされる今とこれから

これまで常に、ご自身の気持ちに素直になって挑戦し続けてきた北野さんの姿から、たくさんの勇気とヒントが得られるはず。
ぜひ最後までお読みください!

*本文中のお写真は、すべて北野さんご本人からいただいたものです。

北野まなみさん プロフィール
カナダ・バンクーバー在住のフリーランス。元看護師。看護師の仕事を退職後、カナダへ移住し、シェフとして日本食レストランで勤務するかたわら、Webサイトの制作事業や個人事業主向けのサービス設計を提供。「働くって楽しいと思える社会を作る」という思いのもと、自分の感情や価値観を大事にしながら、社会で活躍できるような支援を行っている。現在はおもに、地球に・社会に・人に・あなたにやさしいプロジェクト「E-Project」、女性向けライフデザイン事業「恋するバンクーバー」、「オンラインおやこ園」などのプロジェクトを手がけている。
*当日伺ったお話をもとに執筆。

 

なお、本記事は2020年6月時点の取材内容にもとづき、執筆しています。

 

長年の夢を叶えて渡ったカナダで、思わぬ出来事が・・・!

 

──  現在カナダでご活躍されている北野さんですが、もともと海外には関心があったのでしょうか?

 

学生時代から、日本でいう「普通」とは違った志向だったので、いつか海外に行こうと思っていました。

小学生の頃から英語を学んでいたこともあり、中学でも英語はどちらかというと得意。
そんな私は中学の頃、市町村のプログラムで1週間、中国を訪れる機会をいただきました。
中国語ができない私にとって、現地でのコミュニケーションはもちろん英語です。
そこで、英語が少し話せることで、中国の方とも会話ができることに大きな感動と喜びを覚えました。
以来、ずっといつかは海外に出て、何かができたら楽しそうだと思っていたんです。

その「何か」を考えるきっかけになったのは、高校の進路相談でした。

 

──  一体、何があったのでしょうか?

 

せっかく自分なりにいろいろと調べた上で面談に臨んだにもかかわらず、わずか3分で面談終了となってしまったんです。

というのも、高校進学当初の私は、海外に関心があることを理由に、外国語学部を志望していました。
それに対し、先生は「今後英語ができることは当たり前の世の中になるから、英語を活かして何がしたいかをもう一度考えてきなさい」とお話されたんです。

1〜2週間悩んだ末に浮かんできたのが、青年海外協力隊や医療職として海外に出ることでした。
それがきっかけで看護師を志し、日本で3年間勤務したら、海外へ出ようと思っていました。

 

──  その後、青年海外協力隊や医療職として、海外でチャレンジされたのでしょうか?

 

結局チャレンジはせず、当初の計画を途中で変えることにしました。
大学で研究を続けていく過程で、看護師として3年間勤務したら、日本の大学院へ進学した後、海外へ留学したいと思うようになったからです。

大学時代の私は、日本とアメリカの看護学生のカリキュラムや教育制度の違いについて研究していました。
ちょうど日本で特定看護師(※)の制度が導入され始める頃で、それに先駆けてNP(Nurse Practitioner)という、医師と看護師の中間にあるような資格制度を持つアメリカの看護師は、どのような教育を受けているのかが気になったんです。
研究を続けていく過程で、欧米諸国の医療事情や看護の在り方、看護師としての働き方により強い関心を持つようになりました。

実際、3年間看護師として働いた後、ワーキングホリデーでカナダに来た段階では、半年だけカナダでリフレッシュしながら、英語を学んだら帰国するつもりでいたんです。

※特定看護師とは…2015年10月に厚生労働省が施行した「特定行為に関わる看護師の研修制度」によって生まれた名称。特定行為研修を修了し、高度な知識や判断力があると評価された看護師は、医師の判断を待たずに診療補助を行える。特に、在宅医療での活躍が期待されている。(参照:特定看護師とは? 特定行為研修を修了すると業務の幅はどう広がる?|ジョブメドレーHP

 

──  そこで、なぜカナダに残ることになったのでしょうか?

 

たまたま働き始めたレストランのオーナーから、「カナダに移民しないか」と言われたのがきっかけです。

大学院へ行きたいと思っていた私は最初、その打診を受けることをためらいました。
ただ、ちょうど移民の受け入れを制限し始めている時期で、周りの友人が就労ビザを取得できる働き口を探そうと必死になっている姿を、私自身がたくさん目にしていましたし、周りの友人たちからもかなりラッキーだと言われました。

大学院にはもう少し後からでも進学できると思いましたが、移民するチャンスは限られています。
悩んだ末、最終的にはどうにかなると思って、移民してから考えることにしたんです。

私の人生で初めて、自分があらかじめ決めた人生設計から外れた瞬間でした。

 

「働くって楽しいと思える社会を作る!」思いの原点と実現までの過程に迫る!

 

──  長年の夢を叶えてカナダで生活してみて、どうでしたか?

 

「海外に出る夢を叶え、幸運なことに、移民するチャンスも手に入れた」という話だけを聞くと、順風満帆に聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。

もともと看護師だった私にとって、日本食レストランでのお仕事はまったく畑違いの仕事です。
それに加え、慣れない英語環境でのお仕事や生活。
自分自身の心や身体を、新しい環境に順応させるまでにとても苦労しました。

海外や英語が好きだからという理由でカナダへ来ましたが、最初からやりたい仕事に就ける訳もなく、忙しさに愚痴を言ったり、「レストランで働くことが、私のやりたかったことなのだろうか」と思ったりもしていました。
当時は、「夢に描いた海外生活を楽しむ自分」とは程遠い時期でしたね・・・。

 

──  その時期をどのように乗り越えたのでしょうか?

 

そのままカナダで過ごしながら、自分自身や周囲を客観的に見ていくなかで、「自分で自分を整える」ことの大切さに気づきました。

私も含め、ワーキングホリデーで来ている日本人の友人のほとんどが、「海外に来たら人生が変わる」と思って、カナダに来ていました。
もちろん、まったく変わらない訳ではありませんが、結局のところ、「どこにいても幸せな自分」に自分がならない限り、何も変わらないんだと気づいたんです。
そこから、まずは自分のためにセルフコーチングを学び始めました。

同時に、日本で再び働くことに対してネガティブなイメージを持っている人たちを目にするうちに、「もっと自分にとっても、周りにとっても、働く時間が楽しくなるようなことができないか」と思い始めたんです。

 

──  「働くって楽しいと思える社会を作る!」という思いの背景は、ここにあったんですね・・・!

 

じつは、看護師として働いていた頃も、同じような思いを抱えていました。

多くの看護師は、仕事における能力の高さはもちろん、人柄も真面目で優しい、素晴らしい方々です。
にもかかわらず、「仕事が大変で、辞めたい」と疲弊しながら毎日を過ごしており、周りから十分に評価がされていないだけでなく、自己評価が低いこともよくありました。
ほかにも、ふと自分の身近な人たちのことを思い返してみたとき、すごく能力があるにもかかわらず、みんなすごく疲弊していたことを思い出したんです。

私たちは人生の半分以上の時間を仕事に費やします。
その時間を楽しめず、どんどん消耗していく人が多いことが、本当に悲しくて・・・!

 

──  思いを実現するために、具体的にどのように行動されたかを教えていただけますか?

 

まず、いろいろな方のメルマガに登録し、多様な生き方に触れました。
その過程で、まずは私自身がフリーランスとして、自由な働き方ができるようにしたいと思うようになりました。

自分を整えるために学び始めたセルフコーチングについては、最初は何気なく職場の同僚に、学んだ知識について話していました。
すると、周りから「いいね!」と言われることが多く、コーチングや人のマインドを扱う領域で、フリーランスとして活動したいと思うようになったんです。

その実現に向けて、30歳の誕生日を迎えたのを機に、今度はビジネスに関する知識を身につけるため、勉強を始めました。
そしてここでも、フリーランスを目指していたり、フリーランスとして活動し始めた周りの友人に学んだことを話していたんです。

学んだことをアウトプットし続けているうちに、気がつけば、相談に乗ってほしいと言われることが増えていきました。

 

──  それが、お仕事に繋がっていったのでしょうか?

 

そうですね・・・!

「どうすればみんなが楽しく働けるのか」を軸に、まずはいろいろな方の相談を受けながら、企画やオンライン講座の立ち上げなどに関わらせていただきました。
仕事や講座はその方の人生を反映するものであり、誰かのライフストーリーをサービスに反映させていくのが、とにかく楽しかったです!
気がつけば、それが、今携わっている「E-Project」のように大きな団体の企画やオンライン親子園など、いろいろな方の夢をカタチにすることに繋がっていました。

今回の取材を前に改めて考えてみましたが、私、「何者」でもないんです・・・!

 

──  「“何者”でもない」について、具体的に教えていただけますか?

 

これまで、あえて自分に「職業」を作らず、そのときどきの素直な気持ちにしたがって、いろいろなお仕事に挑戦してきました。
何かひとつにこだわる訳ではなく、企画・コンサルティング・コミュニティ運営・ライティングなど、周りの方をサポートする上で必要だと感じた知識やスキルを、その都度学びながら習得し、私にできることなら、どんなことでもしてきました。
それが、次の仕事や素敵な出会いに繋がるだけでなく、自分自身の可能性を広げることにもなったと思うんです。

そんな私自身の経験から、自分の素直な気持ちにしたがう大切さに気づいたからこそ、お客様と向き合うときは、「その方が本当に伝えたいこと、心から届けたいものは何だろう」と一緒に考えることを大切にしています。

 

「働くって楽しい!」をどんどん叶えている今と次の“誰か”へ送るアドバイス


現在は、おもに個人事業主の方向けのサービス設計を提供するかたわら、地球に・社会に・人に・あなたにやさしいプロジェクト「E-Project」、女性向けライフデザイン事業「恋するバンクーバー」、「オンラインおやこ園」などのプロジェクトを手がけている北野さん。

ここからは、現在のお仕事についてやそこに至るまでの秘訣について、お話を伺っていきます。

 

──  現在のお仕事のやりがいについて、教えていただけますか?

 

基本的にはどのお仕事も、何気ない会話の中で、自分に「できること」や「やりたいこと」を素直に伝えることで実現していて、私自身が心から楽しみながらお仕事に臨んでいます。
そのうえで、多くの方の夢や明るい未来のお話を、ひたすら伺える毎日を過ごせていることが、とても幸せで、やりがいを感じています。

あえて「職業」を決めていないからこそ、自由に、クリエイティブになれており、「やりたい!」と思った仕事ができているのも楽しいです!
そして、それは自分自身の成長に繋がっているだけでなく、安心にも繋がっています。
海外に住んでいると、なんらかの事情で日本へ帰国しなければならない可能性もありますが、今のお仕事であれば、場所を選ばず働けるからです。

もちろん、「自分に選択権がある」ということには、責任が伴います。
ただ、「自分が選んだ」と思えるからこそ、頑張れる部分もあると思っています。

 

──  逆に、苦労していることはありますか?

 

まだまだスキルや経験が足りていないと思うことがあります。
さまざまな領域でご活躍されている方とお仕事をしているので、幅広い知識がないと、その方が本当に伝えたいことが伝わらないんです。
そこに楽しさだけでなく、難しさを感じたりもしますが、常にアンテナを高く張りながら、物事の本質を捉えられるよう努めています。

ほかには、集客に悩んだ時期もありました。
お客様に見つけてもらうためには発信が必要だと、ブログやSNSに力を入れていた時期もありましたが、どうしても私には合わなかったんです。
当時は、本来の私の強み以外に、エネルギーを注いでいることへの違和感が募っていました。

そこで、思いきって「発信しなければならない」という気持ちを手放し、目の前のお仕事に丁寧に向き合い続けることで、今は周りの方からのご紹介で、お仕事をいただけるようにもなりました。
発信も仕事のスタイルも、自分らしいスタイルが見つかるまでには、模索する時期があるのかもしれませんね・・・!

 

──  ほかに、理想の働き方を実現させる秘訣のようなものはありますか?

 

できることやチャレンジしてみたいことを、素直に伝えることが大切だと思います。
これまで、何気なく口にしたアイデアがきっかけで、新しいお仕事のチャンスをいただけたりもしたからです。
一方で、できないことについて、ありのまま伝えることも大切にしてきました。
それが信頼関係の構築に繋がることはもちろん、お客様にとって、アイデアが煮詰まっていない段階でも相談できる気軽さが感じられているそうです。

あとは、好きなことに執着しないことかもしれません。
好きなことって意外とたくさんあったり、逆に、なかなか見つからなかったりしませんか?
私は「ありがとう」と言われることが好きで、それがスキルアップのモチベーションになっていました。
好きなことにこだわらず、ただ「目の前の誰かの役に立つ」ことを意識し続けてきましたね・・・!

 

──  最後に、北野さんの今後について、教えていただけますか?

 

今後も多くの方々の思いがカタチになるまで応援することを通して、「働くって楽しい!」と思える人が少しでも増えるよう、活動し続けていきたいと思っています。

そして、自分が良いと思ったものや届けたいものを、社会に対して届けていきたいとも思っています。
その代表格が、今携わっている「E-Project」です。
今までお世話になった方、これからお世話になる方、周りにいるすべての方に感謝の気持ちを持ちながら、地球や社会に恩返しできるよう、「E-Project」にもより一層注力していきたいですね・・・!

 

まとめ

いかがでしたか?


自分が選んだ道が、ベストな選択肢!
自分の感じたことに素直にしたがって人生を選んでいけば、「間違い」はひとつもない。

これから海外で働きたい方に向けたエールの通り、ご自身の素直な気持ちにしたがって行動することで、チャンスを掴んでこられた北野さん。
常に「どうすれば目の前の方の役に立てるか」を意識しながら、丁寧に仕事に向き合う姿勢など、キャリアを切り拓くヒントがたくさん詰まったお話でした。

 

北野さん、この度は貴重なお話をお聞かせいただきまして、誠にありがとうございました!
今後のご活躍、心より応援しております。

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Jiyoung Baek

セブ留学がきっかけで東南アジアの虜に!! フィリピン・セブでの海外インターンを経て、ベトナム・ハノイで海外就職。約2年に渡って大好きな東南アジアで働きながら、旅をする生活をしていました。 現在は自身の海外経験を基に、旅するインタビュアーとして海外で活躍する方々を取材し、「海外で働くとは」について発信することで、海外で働きたいけど一歩踏み出せない方に挑戦のきっかけを作るべく奮闘中。 どんなときもアジアの眩しい陽射しのような笑顔を忘れず、頑張っています! 日々大事にしていること「やらない後悔よりやって後悔、何でもやってみる!」