コラム

新型コロナウイルスの影響による海外就職の現況を読み取る!転職エージェント11社に聞いたアジア7ヶ国の労働市場の変化

現在、世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルスにより、私たちの働き方は変化を迫られています。
実際、転職サイトを運営する「株式会社ビズリーチ」のアンケート調査によると、約6割のビジネスパーソンのキャリア観に変化があり、そのうち9割以上が、企業に依存せず、自律的なキャリア形成の必要性を感じているとのことでした。 (参考記事:新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、約6割がキャリア観に変化 うち9割以上が「企業に依存しないキャリア形成が必要」と回答|株式会社ビズリーチ

「企業に依存せず、自律的なキャリアを歩む」ためには、どのような環境でも活躍できる、価値の高い人材になる必要があります。
私たちは最近、「海外で働く」ことで自分の可能性を広げ、人材としての希少価値を高めたいという方たちから、たくさんのお問い合わせをいただきました。

  • 新型コロナウイルスの感染拡大による、各国の状況はどうなのか?
  • 海外での就職を希望しているが、コロナ禍の状況で求人はあるのか?
  • 新型コロナの影響で今後の海外でのキャリアのあり方はどう変わるのか?

みなさんのお問い合わせに対し、「各国の転職エージェントの方々から伺った現地のリアルな様子をもとに、より的確にアドバイスをしたい!」という思いから、私たちは今回、オンラインでアジア7ヶ国・転職エージェント11社にお話を伺いました。

【ヒアリングの概要】
・ヒアリング対象国:タイ・ベトナム・マレーシア・シンガポール・フィリピン・インドネシア・インドの7ヶ国
・ヒアリング対象:現地転職エージェント11社
・ヒアリング実施時期:2020年5月15日〜2020年5月28日

今回の記事は、各転職エージェントの方がお話された内容と調べた情報をもとに作成しました。
あくまで2020年6月10日(公開日)時点の情報が元になっている点、予めご理解ください。

なお、アジア7ヶ国の情報がぎっしりと詰まっているため、お時間がない方については、ご関心のある箇所だけ、ご覧いただければと思います。
今後の最新情報については、オンラインコミュニティでご案内していく予定なので、詳細については本文の最後、またはこちらの記事をご覧ください!

 

目次

新型コロナウィルスによる日本国内の労働市場の変化

日本国内でも新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、4月7日には緊急事態宣言が発出されました。
これにより、不要不急の外出自粛や施設・店舗の営業規制が求められ、多くの企業が活動を縮小することになりました。

ウイルスの感染は日本のみならず、世界的に拡大したことから、需要や消費が世界的に低迷したことはもちろん、人の流れや物流が滞ったことによるサプライチェーンや生産活動の寸断、金融市場の混乱などにより、各企業の経済活動に大きな影響が出ています。
これに伴って、休業や従業員の一時解雇に踏みきる企業も出てきました。

以下は2020年4月までのデータですが、感染拡大に伴って、失業率が上がっていることが見てとれます。 統計局HP「労働力調査」をもとに著者が作成(作成日:2020年6月7日)。

同様に、有効求人倍率についても、感染拡大に伴って、徐々に低下していることがわかります。 厚生労働省HP「一般職業紹介状況」をもとに、著者が作成。値は季節調整値を使用(作成日:2020年6月7日)。

 

業種別の傾向

リモートワークなどの新しい働き方や巣ごもり需要の拡大を受け、IT業界やWeb上のプラットフォームを通じてサービスを展開する企業は、コロナ禍でも事業を拡大し、積極的に採用活動を進めています。
また、製薬・ヘルスケア・ライフサイエンス業界は以前から積極採用を進めており、ベンチャー企業も含め、求人が伸びています。

一方、消費活動の冷え込みや外出制限に伴う需要の落ち込みから、耐久消費財を中心とした製造業や小売業、飲食・旅行関連産業への打撃は大きく、採用を無期限停止とする企業も出ています。
これらの業種については、新型コロナウイルスの収束後、抑えていた消費行動が爆発的に高まるにつれて、求人が増える可能性もあるとされていますが、あくまで現段階では上記の通りとなっています。

 

職種別の傾向

特別な場合をのぞき、人と対面する営業職や販売職の採用は見送られる傾向にあります。
一方、新型コロナウイルスの影響を受け、テクノロジーによる経営効率改善の動きが加速すると考えられていることから、ITエンジニアの需要は高い水準を維持しています。

今後もオンライン化の流れが続くと予想されるため、企業の業績向上を非対面で支援するインサイドセールスやマーケティング、エンジニア、コンサルタントの需要は高まると予測されます。
また、どのような状況でも企業のバックオフィスは存続することから、人事や経理、法務など高い専門性を持った人材は、今後もニーズがあると考えられます。

【参照記事の紹介】
type転職エージェント「新型コロナウイルスの影響を受けている業種・職種」
株式会社アクシアム「新型コロナウイルスが、労働市場・転職市場に与えた変化」
PRESIDENT Online「あなたは大丈夫か…「コロナ失業リスク」が最も高い業種は?」

 

新型コロナウィルスによる海外市場の変化:タイ編

 

新型コロナウイルスの感染状況

6月8日12時現在の情報によると、タイにおける新型コロナウイルスの感染者数は3,112名、死者は58名となっています。

3月中旬からバンコクを中心に感染者が急増したことから、3月26日より非常事態令が発令されており、現時点で6月30日までの延長が決まっています。
発令当初は夜間外出禁止令の発令や各種施設の閉鎖、県をまたぐ移動の自粛、大規模集会の禁止など、厳しい措置が取られました(現在は一部緩和)。

【7月3日追記】
その後、非常事態宣言は7月31日までの延長が決まっています。
なお、夜間外出禁止令については、6月15日以降は解除されています。

【参照記事の紹介】
・新型コロナウイルスの感染状況について
厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月8日版)」
・3月26日の非常事態令発令について
JETRO ビジネス短信(2020年3月26日)
・非常事態令の延長について
JETRO ビジネス短信(2020年5月28日)
・非常事態令に基づく措置について
JETRO ビジネス短信(2020年3月30日)
・非常事態宣言のさらなる延長について(7月3日 追記部分)
在タイ日本国大使館HP「新型コロナウイルスに関するお知らせ(非常事態宣言の延長及び規制緩和の発表について)」
・夜間外出禁止令の解除について(7月3日 追記部分)
在タイ日本国大使館HP「新型コロナウイルスに関するお知らせ(タイ政府による規制緩和:6月15日から)」

 

経済活動

非常事態令はこれまで2度延長となったものの、経済活動の制限については5月3日以降、徐々に緩和の動きを見せています。
5月17日には第2段階の緩和措置として、大型商業施設や屋内のスポーツ施設などで、営業の再開が認められ、6月1日からは商業施設の営業制限をさらに緩和するなどした、第3段階の緩和措置が適用されています。
COVID-19状況管理センター(CCSA)によると、今後も2週間ごとに感染拡大の状況に応じて、段階的に規制緩和を進めていく方針のようですが、順調に行っても、すべての施設の再開までには約2ヶ月かかる見通しだとされています。

新型コロナウイルスの拡大により、タイ経済も打撃を受けており、5月18日の国家経済社会開発委員会(NESDC)の公表によると、2020年第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比マイナス1.8%と、2014年以来6年ぶりに四半期のGDP成長率がマイナスに転じました。
また、外国資本によるタイへの直接投資についても、金額ベースで約7割減となっています。

バンコク日本人商工会議所(JCC)がJETROと共同で、日本人商工会議所会員企業1,764社を対象に行った3月の緊急アンケート調査によると、回答を得た552社のうち8割の企業が業績にマイナスの影響が出ていると回答していました。

JETRO HPをもとに著者が作成。調査対象はバンコク日本人商工会議所会員企業のうち552社。なお、データは3月9日〜13日(調査期間)時点のものであり、「大きな影響」については「売上の5%以上程度」と定義しています。

【参照記事の紹介】
・5月3日以降の規制緩和の動きについて
在タイ日本国大使館HP「新型コロナウイルスに関するお知らせ(COVID-19問題解決センター(CCSA)による発表(今後の各種規制内容及び運用について))」
JETRO ビジネス短信(2020年5月7日2020年5月19日2020年6月02日
・2020年第1四半期のGDP成長率について
JETRO ビジネス短信(2020年5月20日)
・2020年第1四半期の外国資本による直接投資について
JETRO ビジネス短信(2020年5月20日)
・バンコク日本人商工会議所とJETROの共同調査について
JETRO ビジネス短信(2020年3月27日)

 

就労ビザ発給状況・入国制限

3月25日にタイ政府より発令された非常事態令に基づき、外交・公用旅券または労働許可書を所持する場合をのぞき、外国人の入国は禁止されています。
入国が許可されている場合でも、以下3点の書類を入国時に提出した上で、入国後は政府指定施設での14日間の隔離措置(自己負担)を受ける必要があります。

  • 出発国のタイ王国大使館ないし総領事館が発出するタイ王国入国許可書 (Certificate of Entry into the Kingdom of Thailand)
  • 渡航前72時間以内に発行された飛行可能健康証明書 (Fit to Fly Health Certificate)
  • 出入国カード

なお、タイ民間航空局の発表によると、現時点で6月30日23時59分まで、タイ行きのフライトは一部をのぞき、運行禁止となっています。

ビザについても、現時点でタイ政府から入国を許可されている方以外は申請不可となっており、新規の就労ビザ発給もできません。
現地の転職エージェントによると、新規就労ビザ発給について、現時点では再開の見通しが立っていないとのことです。

【7月3日 追記】
タイ民間航空公社(CAAT)の6月29日の通達により、7月1日から入国制限が一部緩和されています。
上記に加え、以下の方はタイへの入国が可能となりました。

  1. 労働許可書を所持する方やタイに駐在する外交官・国際機関職員等の帯同家族
  2. 永住者
  3. タイ人の配偶者・親・子どもがいる場合
  4. 新型コロナウイルス感染以外の治療措置をタイで受ける必要がある外国人とその付添人
  5. タイ当局に認められた教育機関の留学生とその保護者
  6. 特定の目的のため、帰国日時が決まっている状態で入国するクルーメンバー
  7. 外国との特別な取り決めにより、入国を許可された方

ただし、7月1日以降もタイ行きフライトは条件付きでの許可となっているため、タイ人帰国のための臨時便・特別便に同乗することになります。
そのため、実際の入国についての詳細などについては、事前に出発国のタイ王国大使館・総領事館へお問い合わせください。

【参照記事の紹介】
・外国人の入国規制について
在タイ日本国大使館HP「非常事態令:第9条に基づく決定事項(第1号)(第3項:王国への越境入国の閉鎖の抜粋)
・入国時の必要書類・入国後の措置について
在タイ日本国大使館HP「新型コロナウイルスに関するお知らせ(タイ入国時に求められる提出書類の追加)」
・タイ行き航空機の飛行禁止措置について
在タイ日本国大使館HP「新型コロナウイルスに関するお知らせ(タイ行き航空機の飛行禁止措置期間の再延長:6月30日まで)」
・ビザ申請の受付停止について
タイ王国大阪総領事館HP 「日本からタイへの渡航者へのお知らせ」
・7月1日以降の入国制限の一部緩和について(7月3日 追記部分)
外務省 海外安全HP「新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国後の行動制限)」
JETRO ビジネス短信(2020年6月30日)
在タイ日本国大使館「新型コロナウイルスに関するお知らせ(「国際的な人の移動に関する」官報の公布)」

 

求人の状況・採用プロセスの動向

現地の転職エージェントによると、求人は平時の約半分程度とのことです。
コロナウイルスによる打撃はさほど大きくない業界でも、今後の見通しが立たない中、現段階では一旦採用を控える動きをする企業が多いという印象のようです。

転職活動については、新規就労ビザの発給再開や外国人入国制限の撤廃の見通しが立っていないこともあり、現状ではタイ国内での転職希望者の方が有利に働くケースが多そうです。
一方、タイ国外からの転職においては、平時より厳しくはなりますが、現地法人のマネジメントができる・特殊なスキルを有しているなど、求人が減少している状況でも、採用ニーズがあるようなポジションに就ける人材であればこの限りではなく、内定が出た事例もあったと伺っています。

また、現地の転職エージェントによると、今回の状況はネガティブな側面だけでなく、ポジティブに捉えられる側面もあるとのことです。
これまでの就職活動では、タイ現地で面接を受けられることから、タイ在住者に有利な側面がありました。
一方、現在はオンラインのみで選考を進めている企業もあり、タイ国外在住者もタイ在住者と同じ土俵で戦えるという見方もできるとのことでした。

 

新型コロナウィルスによる海外市場の変化:ベトナム編

 

新型コロナウイルスの感染状況

6月8日12時現在の情報によると、ベトナムにおける新型コロナウイルスの感染者数は329名となっており、死者は出ていません。
4月17日以降、市中感染は発生しておらず、新規感染者は海外から帰国した隔離対象者のみとなっています。

感染拡大に伴い、4月1日から全国規模の社会隔離措置が一時的にとられましたが、4月23日0時以降、感染リスクが高い特定の地区をのぞき、段階的に緩和され、5月8日には感染防止措置の緩和も発表されました。

【参照記事の紹介】
・新型コロナウイルスの感染状況について
厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月8日版)」
・4月23日からの社会隔離措置の段階的緩和について
在ベトナム日本国大使館「ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(社会隔離措置の緩和)
JETRO ビジネス短信(2020年4月28日)
・5月8日に発表された、感染防止措置の緩和について
在ベトナム日本国大使館「ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(感染防止措置の緩和)

 

経済活動

5月8日以降、感染予防策を講じた上で、スポーツイベントや祭典などのイベントの開催が認められ、カラオケやディスコを除くサービス施設の営業も再開しています。
同日の発表により、飛行機・バス・船・列車などの公共交通機関についても制限が緩和され、現地転職エージェントの方によると、国内出張も可能なようです。
お話を伺った限りでは、比較的平時に近い生活に戻りつつあるという印象を受けました。

新型コロナウイルスの感染拡大により、ベトナム経済にも影響が及んでいます。
ベトナム統計総局の3月27日の発表によると、2020年第1四半期の実質GDP成長率(推計値)は3.8%と、第1四半期としては過去10年間で最も低い成長率となっています。

また、ベトナム外国投資庁によると、2020年第1四半期の対内直接投資(認可ベース)は新規・拡張の合計件数で前年同期比6.6%減、認可額で見ると前年同期比28.8%増となってはいますが、シンガポール出資の大型案件を除くと、前年同期比を大幅に下回っています。
今後さらなる投資認可の遅延や停滞が懸念されており、入国規制によって、外国人投資家が出張できず、投資決定が遅延したり、見直しになる事例も実際に起きているとのことです。

JETROとホーチミン日本商工会議所(JCCH)が3月に共同で実施した調査によると、新型コロナウイルスにより6〜7割程度の企業が業績に影響が出ると見ています(以下の図を参照)。

JETRO HPをもとに著者が作成。調査対象はホーチミン日本人商工会議所会員企業のうち359社。なお、データは3月25日〜30日(調査期間)時点のものです。

【参照記事の紹介】
・5月8日以降の営業再開について
JETRO ビジネス短信(2020年5月25日)
・公共交通機関の制限緩和について
在ベトナム日本国大使館HP「ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(感染防止措置の緩和)」
・2020年第1四半期のGDP成長率について
JETRO ビジネス短信(2020年4月8日)
・外国資本による直接投資の状況について
JETRO ビジネス短信(2020年4月17日)
・ホーチミン日本商工会議所(JCCH)会員企業への影響について
JETRO HP「新型コロナウィルスの影響に関する緊急アンケート調査」

 

就労ビザ発給状況・入国制限

ベトナム政府は、3月22日からすべての外国人の入国を停止しています。
大使館の情報によると、ベトナム政府は外交・公用目的、他の特別な場合(重要な外交活動に参加・従事する外国人、専門家、企業管理者、高技能労働者)についてはこの限りではないとされていますが、ベトナムが認める、居住国の権限あるCOVID-19ウィルスの陰性証明書の提示や14日間の集中隔離が義務付けられており、入国は極めて困難だとされています。

入国が認められている「専門家、企業管理者、高技能労働者」について、ベトナム政府の公表上は査証(ビザ)発給が認められるとされています(※)が、現地の転職エージェントからは、新規の就労ビザ発給は停止していると伺っています。
なお、就労ビザの更新については、基本的に認められるとされています。

3ヶ月以上の就労に必要な労働許可書(ワークパーミット)については、現時点では大使館も政府当局に取扱いを明確にするよう要請中であり、今後も大使館からの情報を注視する必要があります。

※大使館の案内にも記載の通り、申請者が公表された要件に該当するか否かは判断できかねますので、大使館情報に記載のお問い合わせ先(ベトナム公安省出入国管理局)へ各自でお問い合わせ下さい。

【7月3日 追記】
日本・ベトナム両政府は6月19日、自国の新型コロナウイルス感染症対策に関する規制を十分に厳守した上で、今後両国間の往来を部分的・段階的に緩和していく方向で一致しています。
また、6月25日から27日間の3日間にかけて、日本人ビジネス関係者約440名がベトナムに入国しました。

【参照記事の紹介】
・外国人入国停止措置・査証(ビザ)の発給について
在ベトナム日本国大使館 よくある質問に対する答え(FAQ) *最終更新日:2020年5月14日の問1-(1), 問1-(2), 問4-(1), 問4-(4),問5
・日本・ベトナム両政府の合意について(7月3日 追記部分)
在ベトナム日本国大使館HP「日本・ベトナム間の往来の再開に向けて」
・日本人ビジネス関係者の入国について(7月3日 追記部分)
在ベトナム日本国大使館HP「日本人ビジネス関係者のベトナムへの入国について」

 

求人の状況・採用プロセスの動向

現地の転職エージェントによると、求人は平時の約7〜8割となっているとのことです。
完全に求人が動いていない訳ではありませんが、積極的に採用する動きにはなっていないのが現状のようです。

採用の動向については、業界ごとにバラつきがあるようです。
旅行・ホテル業といったサービス業や飲食業が冷え込む一方、IT業界については新型コロナウイルスの影響が比較的少なく、採用プロセスも進んでいるとのことでした。
また、自動車産業やその周辺部品メーカーについては、今後影響が出てくる可能性があるとも言われています。

 

新型コロナウィルスによる海外市場の変化:マレーシア編

 

新型コロナウイルスの感染状況

6月8日12時現在の情報によると、マレーシアにおける新型コロナウイルスの感染者数は8,322名となっており、死者は117名となっています。

マレーシア国内外での新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マレーシア政府は3月18日から6月9日まで全土に活動制限令(但、5月4日以降は条件付きの活動制限令)を発令していました。
今後、6月10日から8月31日までは、回復のための活動制限令(RMCO)を施行することが発表されています。

【参照記事の紹介】
・新型コロナウイルスの感染状況について
厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月8日版)」
・マレーシア政府による活動制限令の発令について
在マレーシア日本国大使館HP「【新型コロナウイルス】マレーシア政府による活動制限令の発表について」
・5月4日以降の条件付き活動制限令について
在マレーシア日本国大使館HP「【新型コロナウイルス】5月4日からの多くの経済活動・社会活動の再開」
・6月10日以降の回復のための活動制限令(RMCO)について
在マレーシア日本国大使館HP「【新型コロナウイルス】条件付き活動制限令(CMCO)の終了及び回復のための活動制限令(RMCO)の発令について」

 

経済活動

3月18日の活動制限令発令時には、政府機関・民間企業ともに、主要インフラをのぞき全て閉鎖となりました。
4月10日に再延長が発表された段階で、もともと許可されていた業種以外にも条件付きで操業が許可され、4月29日には操業承認を得ている企業に対する人員と操業時間の制限も緩和されました。
さらに、5月4日からは政府が定めた規制内容(SOP)を遵守することを条件に、ほぼすべての経済活動が認められました。

今後6月10日以降に施行される、回復のための活動制限令下においては、一部地域をのぞいての越境移動や国内旅行を含む、ほぼすべての社会・経済活動が許可されるとされています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、マレーシアの経済成長は鈍化しています。
2020年第1四半期(1〜3月)の実質GDP成長率は前年同期比0.7%となっており、リーマン・ショック時の2009年第3四半期(7~9月)の1.1%以来の低水準を記録しました。
5月中旬の段階では、活動制限令の継続により、第2四半期(4〜6月)はさらに悪化、第3四半期(7〜9月)以降、段階的に回復すると予測されています。

【参照記事の紹介】
・3月18日段階での民間企業への影響について
在マレーシア日本国大使館HP「【新型コロナウイルス】マレーシア政府による活動制限令の発表について」(発表内容−8)
・操業が許可される特定業種が追加された4月10日の発表について
JETRO ビジネス短信(2020年4月13日)
・4月29日から施行された、操業承認済み企業への人員・操業制限の緩和について
JETRO ビジネス短信(2020年4月30日)
・6月10日以降の経済活動について
在マレーシア日本国大使館HP「【新型コロナウイルス】条件付き活動制限令(CMCO)の終了及び回復のための活動制限令(RMCO)の発令について」
・2020年第1四半期のGDP成長率や今後の経済成長見込みについて
JETRO ビジネス短信(2020年5月19日)

 

就労ビザ発給状況・入国制限

3月18日以降、マレーシア国民とその配偶者及び子女(※)・永住者・外交官・マレーシアにおいて必要不可欠なサービスに従事する者(※)をのぞき、外国人渡航者の入国は禁止されています。
なお、5月17日からマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)パス保有者については、再入国が許可されました(但、事前の許可制)。
現時点では、一時就労バス・就労パス(駐在者〔Expatriate〕パス)・学生パス、及び(長期滞在パス保有者の)扶養家族〔Dependent〕パスの保有者の入国はできません。

5月4日よりマレーシア入国管理局の一部サービスが再開されました。
現地転職エージェントの情報によると、新規就労ビザ発給状況については、平時より時間は掛かってはいるものの、プロセス自体は進んでいるとのことです。

※両者はいずれも一定の条件を満たす必要があります。

【7月3日 追記】
6月10日から、国籍を問わず、主要又は技術的ポストにある企業職員・技能労働者・知識労働者とその帯同家族・メイドの入国が許可されました。
また、6月24日から、高等教育機関やインターナショナルスクールへの留学生や医療ツーリズム目的の渡航者の入国も許可する方針となっています。
※なお、入国時の手続・条件等については、パスの種類によって異なります。詳細は大使館のHPをご参照ください。

【参照記事の紹介】
・外国人入国規制の状況について(7月3日 追記部分も含む)
外務省 海外安全HP「新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国後の行動制限)」
在マレーシア日本国大使館HP「マレーシア入国管理局による入国地点での活動制限令の履行のためのガイドラインに関する報道声明」
・外国人入国規制の例外について
在マレーシア日本大使館HP「【新型コロナウイルス】活動制限令期間中にマレーシアに帰国した,永住権を有する外国人に対する義務的隔離措置の費用負担額について(※2020年5月18日更新)」
・MM2Hビザ保有者の再入国許可について
在マレーシア日本国大使館HP「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)パス保有者の再入国許可(2020年5月25日更新)」
・マレーシア入国管理局の一部サービス再開について
在マレーシア日本国大使館HP「【新型コロナウイルス】マレーシア入国管理局の一部サービス再開(2020年5月6日更新)」

 

求人の状況・採用プロセスの動向

現地の転職エージェントによると、経済活動や企業活動が認められたものの、ほとんどの企業で出勤する人材が削減されており、募集したいポジションはあるものの、社内で協議できないことにより、保留になっているケースが多いとのことでした。

求人については、現段階ではBPO(コールセンター)を除き、平時の約2〜3割ほどに留まっているようです。
一方BPOについては、活動制限令による外出自粛に伴う、オンラインでのカスタマーサポートの需要増加から、人員を積極的に募集する動きがあり、採用プロセスもどんどん進んでいるとのことでした。
一部企業では内定が出た場合、就労ビザ取得プロセスを進める間、日本にいながらオンラインで研修を実施する企業もあるようです。

現地の転職エージェントによると、新型コロナウイルス収束後のマレーシアでの日本人需要については、近年のビザ取得の難化も相まって、全体として縮小傾向と見る一方で、IT業界など、業界によっては今後需要が増える可能性もあるとのことでした。
また、これまで駐在員を配置していたポジションが、現地採用の日本人社員にリプレイスされる動きになれば、海外就職を希望される方にとってはチャンスになるという見方もありました。

 

新型コロナウィルスによる海外市場の変化:シンガポール編

 

新型コロナウイルスの感染状況

6月8日12時現在の情報によると、シンガポールにおける新型コロナウイルスの感染者は37,910人、死者が25人となっています。

シンガポールでは、3月中旬から4月頭にかけて、1日あたりの新規感染者数が平均50人に昇る日が、2週間ほど続きました。
4月には、低熟練外国人労働者が頻繁に利用する商業施設や専用ドミトリー、建設現場などで感染クラスターが確認され、外国人労働者の間で急速に感染が拡大しました。
シンガポールでは現在も引き続き、外国人労働者間での感染がほとんどで、5月19日の発表でも、新規症例451件のうち、450件が外国人労働者となっています。
一方、低熟練外国人労働者をのぞく1日あたりの新規感染者数については、5月下旬以降、減少傾向をたどっています。

【参照記事の紹介】
・新型コロナウイルスの感染状況について
厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月8日版)」
・3月中旬の感染状況について
JETRO ビジネス短信(2020年4月6日)
・4月以降の外国人労働者間での感染状況について
JETRO ビジネス短信(2020年4月16日2020年4月21日
・5月以降の外国人労働者間での発生状況や全体の感染拡大状況について
JETRO ビジネス短信(2020年6月1日)
在シンガポール日本国大使館HP「新型コロナウイルスに関する注意喚起(その24)」

 

経済活動

感染拡大に伴い、4月7日から6月1日まで職場閉鎖措置が取られ、医療やスーパーマーケット、飲食店、銀行など生活に必要不可欠なサービス以外、ほぼ全ての職場が閉鎖されました(但、5月5日から段階的に緩和)。
事業閉鎖が解除された6月2日以降については、3段階で職場閉鎖を解除する計画となっており、感染状況次第では、早ければ6月中旬に、ほぼすべての経済活動の再開を認める、第二段階へ移行する可能性が示唆されています。

シンガポール貿易産業省(MTI)によると、新型コロナウイルスの感染拡大により、経済環境は急速に悪化していると見ており、2020年通年のGDP成長率予測を「前年比7.0%減~4.0%減」へと下方修正しています。
GDP成長率は、これまで2月・3月に続き、3回下方修正されており、2020年の経済成長率は、1965年の独立以降で最大の落ち込み幅を記録した1998年のアジア経済危機時のマイナス2.2%を下回り、史上最悪となる見通しとなっています。

【参照記事の紹介】
・職場閉鎖措置の延長と段階的緩和について
JETRO ビジネス短信(2020年5月7日)
・6月2日以降の職場閉鎖措置の段階的解除について
JETRO ビジネス短信(2020年5月21日2020年6月1日
・シンガポールの今年度のGDP成長率について
JETRO ビジネス短信(2020年5月28日)

 

就労ビザ発給状況・入国制限

3月23日23時59分より、短期渡航者の入国はトランジットを含め禁止されています。
エンプロイメント・パス(EP)などの就労パス保有者とその帯同ビザ保有者についても、医療や輸送など公益サービスの従事者を除き、入国停止となっています。

現地の転職エージェントによると、新規の就労ビザ発給については停止されている一方、平時より時間がかかる見通しではありますが、シンガポール国内での更新や切替については可能なようです。

【7月3日 追記】
6月2日以降、トランジットについては条件付きで許可されています。
現時点では、日本(成田・関西)を含む一部の都市発のシンガポール航空グループ運航便の搭乗者のみ、トランジットが可能となっています。

また、長期滞在ビザ(労働ビザ・帯同ビザなど)をお持ちの方の入国は許可されていますが、事前に当局の承認を受ける必要があります。

【参照記事の紹介】
・短期渡航者の入国制限について
JETRO ビジネス短信(2020年3月23日)
・外国人入国規制について(7月3日 追記部分を含む)
在シンガポール日本国大使館HP「重要なお知らせ」
・トランジットの条件付き許可について(7月3日 追記分)
外務省 海外安全HP「新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国後の行動制限)」

 

求人の状況・採用プロセスの動向

現地の転職エージェントによると、現時点では実際に動いている求人は約1〜2割とのことでした。
この背景には、上記の職場閉鎖措置があるため、段階的に経済活動が再開されていく過程で状況も変わると見ており、6月以降の動きを注視する必要がありそうです。

実際動いている求人の業種や職種については、特段大きな傾向がある訳ではありませんが、業種であればIT業界や物流、職種であればリモートでも勤務可能なカスタマーサポートなど、新型コロナウイルス感染拡大の影響が比較的少ないか、今回の措置を受けて需要が増えた業界・職種での求人が中心となっているそうです。
また、平時より人事・経理などの求人が増えているという転職エージェントもありました。

現状では、新規就労ビザ発給の再開、外国人入国規制の撤廃の見通しが立たないことから、シンガポール国内で転職を考えている方が有利になりそうです。

また、5月1日より、就労ビザのうちEPの発給基準が、以前の3,600SGD(約26万6,400円)から3,900SGD(約288,600円)に引き上げられました。
今回の新型コロナウイルスによる経済的な打撃に加え、ビザ取得の難化も相まって、シンガポール就職のハードルはさらに上がりそうです。

一方、現地転職エージェントによると、国内経済が外資系企業に支えられている側面を持つシンガポールでは、今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、外資系企業の撤退を避けるための動きも見せているようです。
外資系企業が存続する限り、外国人雇用のニーズも一定数あるはずだという視点で考えると、ある程度長い目(約2〜3年)で見ると、今よりチャンスが増える可能性もあるという見方をされている方もいらっしゃいました。

※レートは1SGD=約74円で計算。

【参照記事の紹介】
・就労ビザ(EP)発給基準の変更について
JETRO ビジネス短信(2020年3月9日)

 

新型コロナウィルスによる海外市場の変化:フィリピン編

 

新型コロナウイルスの感染状況

6月8日12時現在の情報によると、フィリピンにおける新型コロナウイルスの感染者数は21,895人、死者は1,003人となっています。
5月28日には1日あたりの感染者数が539人と過去最高を突破し、度重なる隔離措置にもかかわらず、マニラ首都圏を中心に感染拡大が続いています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、フィリピン政府は3月12日、3月15日からマニラ首都を封鎖すると発表しました。
さらに、3月17日からは首都マニラのあるルソン島全域に、強化されたコミュニティ隔離措置(ECQ)として、自宅隔離や出入国・国内移動の制限など、厳しい措置が課されました。
マニラ首都圏での措置に伴い、セブ州をはじめとしたその他の地域でも強化されたコミュニティ隔離措置(ECQ)の措置がとられました。

5月16日以降、各地でのコミュニティ隔離措置は変更され、マニラ首都圏及び周辺諸州等に、修正を加えた強化されたコミュニティ隔離措置(MECQ)が、セブ市・マンダウエ市(いずれもセブ州)に強化されたコミュニティ隔離措置(ECQ)が課され、それ以外の州等については一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)が課されました。
なお、6月1日からは、マニラ首都圏やセブ州など、一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)が課される地域と、修正を加えた一般的なコミュニティ隔離措置(MGCQ)を課す地域に分かれています。

【7月3日 追記】
フィリピンでは引き続き感染の拡大が続いており、6月15日にセブ市は強化されたコミュニティ隔離措置(ECQ)に引き戻され、現時点で7月15日までの延長が決まっています。
マニラ首都圏においても、一時さらに規制を緩和した、修正を加えた一般的なコミュニティ隔離措置(MGCQ)への移行も検討されましたが、引き続き7月15日まで、一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)が課される予定です。

【参照記事の紹介】
・新型コロナウイルスの感染状況について
厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月8日版)」
・新型コロナウイルスの感染拡大状況(5月)について
JETRO ビジネス短信(2020年5月19日2020年6月2日
・3月15日からのマニラ首都圏封鎖について
在フィリピン日本国大使館HP「【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その11)」
JETRO ビジネス短信(2020年3月13日)
・3月17日からのコミュニティ隔離措置について
在フィリピン日本国大使館HP「【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その15:ルソン地域全域へのコミュニティー隔離措置等)」
・セブ州やその他地域でのコミュニティ隔離措置について
在フィリピン日本国大使館HP「【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その26:セブ州の強化されたコミュニティ隔離措置等)」
・6月1日以降の措置について
在フィリピン日本国大使館HP【感染症情報】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その46:コミュニティ隔離措置の変更等)」
・6月中旬移行の状況について
JETRO ビジネス短信(2020年6月18日2020年7月2日

 

経済活動

3月に決定された、強化されたコミュニティ隔離措置(ECQ)下では、電気・ガス・水道といった公益事業、スーパー、物流、銀行といった必要不可欠な業種の操業が認められており、輸出型産業やアウトソーシング産業については、従業員の出勤用のシャトルバスと宿泊施設の自社での確保など、条件付きでの操業のみ認められていました。
コミュニティ隔離措置が変更された5月16日以降、マニラ首都圏のショッピングモールでは、衣類や日用品といった生活必需品のフロアの営業が再開し、6月1日以降は乗客数を限定した上で、鉄道などの公共交通機関の運行も再開しています。

フィリピン統計庁(PSA)は第1四半期(1~3月)の経済成長率がマイナス0.2%と、1998年以来のマイナス成長を記録したと発表しました。
5月に入っても、感染拡大による操業規制がマニラ首都圏やセブ州などの一部地域で続いていたことから、フィリピン経済は、第2四半期(4〜6月)も新型コロナウイルスによる影響を受けるとされています。

フィリピン日本人商工会議所が会員企業に対して行った、4月のアンケート調査結果は以下の通りで、多くの企業が条件付きあるいは在宅勤務での稼働となっています。

JETRO HPをもとに著者が作成。調査対象はフィリピン日本人商工会議所会員企業622社(うち、有効回答数は264社)。なお、データは4月2日〜4日(調査期間)のものです。

また、3月の調査では、ほとんどの企業が経常収支5%以上程度のマイナスの影響があると回答しています。

JETROのHPをもとに、著者が作成。調査対象は、フィリピン日本人商工会議所会員企業622社のほか、セブやミンダナオの日本人商工会議所計160社(うち、有効回答数は351社)。なお、データは3月20日〜24日(調査期間)のものです。

【参照記事の紹介】
・強化されたコミュニティ隔離措置下での企業の操業状況について
JETRO ビジネス短信(2020年5月14日)
・外出制限地域の変更と商業施設の再開について
JETRO ビジネス短信(2020年5月19日2020年6月2日
・フィリピン統計庁の発表と経済成長に関する今後の見通しについて
JETRO ビジネス短信(2020年5月18日)

 

就労ビザ発給状況・入国制限

3月22日からすべての在外公館における新規ビザ発給を停止、日本を含むビザ免除対象国からの入国を停止しています。
既に発給されたビザについては、フィリピン国内の滞在者(3月19日時点)と駐在外交官の分をのぞき、無効となります。
なお、フィリピン人の外国人配偶者・子弟、船舶・航空機の乗務員はこの限りではありません。

【参照記事の紹介】
・外国人入国制限について
外務省 海外安全HP「新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国後の行動制限)」
・新規ビザ発給停止について
在フィリピン日本国大使館HP「【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その21:査証発給停止等について)」

 

求人の状況・採用プロセスの動向

現地の転職エージェントによると、求人は平時の半分程度のようです。
採用プロセスについても、選考を見合わせている企業が半数に昇っているとのことです。

フィリピンの日本人採用のニーズとしては(1)製造業、(2)サービス業(国内向け)、(3)留学・観光業、(4)IT関連業に大別されますが、現在いずれも大きな打撃を受けています。

その中で、特に人材ニーズの戻りが遅いと懸念されるのは(3)留学・観光業で、かなりの期間は人材ニーズが激減すると考えられます。
一方で、最も打撃が少なかった(4)IT関連業では、引き続きある程度の求人が見込まれます。
(1)製造業、(2)サービス業(国内向け)については、各企業個別の状況によりますが、求人の状況が回復するのにはしばらく時間がかかりそうです。

【7月3日 追記】
選考プロセス自体は進んでいる企業もあり、一部では内定も出ているようです。
ただ、外国人入国規制の解除の見通しが立たないことから、内定が出た場合でも、入社・赴任時期は未定となっています。
一部企業では、日本本社で一時的に勤務しているとのことです。

 

新型コロナウィルスによる海外市場の変化:インドネシア編

 

新型コロナウイルスの感染状況

6月8日12時現在の情報によると、インドネシアにおける新型コロナウイルスの感染者数は31,186人、死者は1,801人となっています。
4月と比べて1日あたりの新規感染者数が200人を超える日は見られなくなったものの、依然100人前後の感染が続いています。

3月2日にインドネシアで初の感染が確認され、3月15日時点で117人が感染、5人が死亡したことを受け、3月15日に新型コロナウイルスに関する声明が発表され、同日にジャカルタ州知事により、「Social Distancing Measure」(人との距離を取り、物理的接触を避ける等の対応)が要請され、外出・移動・集会などが制限されるようになりました。

4月10日からは首都ジャカルタ全域で大規模社会制限が実施され、各地へ拡大していきました。
ジャカルタ州では、大規模社会制限が6月4日まで実施されていましたが、6月5日から6月末までは「安全で健康的、生産的な社会」に向けた移行期間第1フェーズとされています。
なお、一部地域では、7月2日まで大規模社会制限の延長が決まっています。

【7月3日 追記】
大規模社会制限は7月16日までの延長が決まっており、ジャカルタ首都特別州においては、引き続き「安全で健康的、生産的な社会」に向けた移行期間を継続することが発表されています。

【参照記事の紹介】
・新型コロナウイルスの感染状況について
厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月8日版)」
・3月の感染状況と政府声明について
JETRO ビジネス短信(2020年3月17日)
・3月15日からの「Social Distancing Measure」について
JETRO ビジネス短信(2020年3月17日)
・ジャカルタや各地での大規模社会制限について
JETRO ビジネス短信(2020年4月10日2020年4月21日
・大規模社会制限の延長とインドネシアにおける最近の新型コロナウイルスの感染状況について
JETRO ビジネス短信(2020年5月25日)
・ジャカルタ首都特別州における6月5日以降の措置について
在インドネシア日本国大使館HP「ジャカルタ首都特別州における大規模社会制限(PSBB)の延長及び「安全で健康的、生産的な社会」に向けた移行期間の指定」
・西ジャワ州の一部地域での大規模社会制限の延長について
在インドネシア日本国大使館HP「西ジャワ州の5つの県・市(ボゴール県、ボゴール市、デポック市、ブカシ県及びブカシ市)における大規模社会制限の延長」
・大規模社会制限のさらなる延長について(7月3日 追記部分)
在インドネシア日本国大使館HP「ジャカルタ首都特別州及び西ジャワ州の5つの県・市(ボゴール県、ボゴール市、デポック市、ブカシ県及びブカシ市)における大規模社会制限の延長(州知事の発表)」

 

経済活動

4月10日から6月4日まで大規模社会制限により、学校施設・公共施設の閉鎖、公共交通機関の運行制限が行われ、一部の業種を除き、在宅勤務が義務付けられていました。
大規模社会制限中の経済活動への制限は地方自治体ごとに異なりますが、期間中に国内線旅客便が停止となるなど、国内移動への制限やジャカルタへの入境規制も強化されていました。
首都のジャカルタについては、6月5日より「安全で健康的、生産的な社会」に向けた移行期間となり、オフィス・倉庫・工場は6月8日から、従業員数の半数を上限に、出勤できるようになりました。
ジャカルタでは今後、6月15日にショッピングモール(但、一部対象外のテナントも有)の営業も許可される予定です。

新型コロナウイルスの影響により、インドネシアの経済成長も鈍化の動きを見せています。
インドネシア中央統計庁(BPS)によると、2020年第1四半期(1~3月)のGDP成長率が前年同期比2.97%となっており、これまで安定的に維持していた5.0%前後の成長率を維持できず、2001年第1四半期以来最低の水準となりました。
インドネシアの経済成長については、4月以降の大規模社会制限の実施により、今後さらに下降するという見方が強くなっています。

現地日系企業にも影響が及んでおり、現地に多く進出している自動車関連産業は、大幅な需要減から、特に深刻な影響を受けています。
4月末・5月頭にJETROが開催した緊急ウェビナーの参加者へのアンケート調査(111社が回答)によると、約8割の企業で売上が減少したとされています。

JETRO HPをもとに著者が作成。データは4月27日および5月6日に実施したアンケートを参照しています。

【参照記事紹介】
・4月10日からの大規模社会制限について
JETRO ビジネス短信(2020年4月10日2020年4月14日
・大規模社会制限の各地への拡大について
JETRO ビジネス短信(2020年4月21日)
・移動規制について
JETRO ビジネス短信(2020年4月30日2020年5月25日
・6月5日以降の経済活動再開について
JETRO ビジネス短信(2020年6月8日)
・インドネシアのGDP成長率について
JETRO ビジネス短信(2020年5月13日)
・現地日系企業の売上減について
JETRO ビジネス短信(2020年5月21日)

 

就労ビザ発給状況・入国制限

4月2日午前0時以降、一部の例外をのぞき、全ての日本人を含む外国人のインドネシアへの入国及びインドネシアでの航空便乗り継ぎ(トランジット)が禁止されています。
また、例外に該当する場合でも、インドネシアの入国に際しては、5月25日現在、英文の健康証明書の持参・到着時の迅速抗体検査並びにPCR検査が求められ、入国後は14日間の自主隔離が求められています。

インドネシア大使館がすべてのビザ発給を当面の間停止しているため、新規就労ビザの発給もできません。
なお、ジャカルタ入国管理局から許可が承認された国家戦略事業の業務に就く外国人についてはこの限りではありません。
現地転職エージェントによると、新規就労ビザ発給再開の見通しは立っていないそうです。

【7月3日 追記】
インドネシア投資調整庁(BKPM)は6月11日付で、外国からの投資家がインドネシアへの入国を希望する場合、事業の重要性が認められれば推薦状を発行し、入国支援を実施すると発表しています。

国際協力機構(JICA)のBKPM投資促進政策アドバイザーオフィスによると、実際にこの推薦状を利用して、推薦状申請時点でビザ発給手続きがほぼ完了していた新規駐在予定者の入国が許可され、入国後に滞在許可を取得したとのことです。
一方で、ビザ未申請の状態で、制度を利用して入国が許可された事例はまだないとのことでした。

今後、申請数の増加により、入国可否の基準が判明していくだろうとされています。

【参照記事紹介】
・外国人入国制限について
在インドネシア日本国大使館HP「新型コロナウイルスに係るインドネシア政府による追加的な入国規制措置(外国人の入国禁止等について)」
・新規ビザの発給停止について
在本邦インドネシア共和国大使館HP
・BKPMの推薦状を利用して入国した事例について(7月3日 追記分)
JETRO ビジネス短信(2020年7月2日)

 

求人の状況・採用プロセスの動向

現地の転職エージェントによると、現時点での求人は平時の約2割となっているそうです。
これは、ジャカルタを中心に大規模社会制限が続いたことで、経済活動が止まっていることが原因であり、現地の転職エージェントは、新型コロナウイルスの感染が収束してくると、再び動き始める求人もあると見ていました。
また、入国制限が課されていることもあり、あくまで現時点では、インドネシア国内での転職希望者の方が有利になるようです。

一方、新型コロナウイルス感染拡大を受け、駐在員が多く帰任しています。
そのような中、マネジメントに課題を抱えている日系企業は多く、今後従来駐在員を配置していたポジションに、現地採用社員を登用する動きが出てくる可能性もあるとのことでした。
長い目で見た場合、今後現地採用社員としてインドネシアで挑戦したい方に、チャンスは多いのかもしれません。

 

新型コロナウィルスによる海外市場の変化:インド編

 

新型コロナウイルスの感染状況

インドにおける新型コロナウイルスの感染拡大は歯止めがかかっておらず、6月8日12時現在の情報によると、感染者が246,628人、死者は6,929人に昇っています。

感染拡大を受け、インドでは3月25日から全土でのロックダウンが行われています。
ロックダウンは緩和措置を取りながら、これまで3回延長されましたが、5月30日の発表によると、封鎖ゾーンを除き、ロックダウンは段階的に解除される見通しとなっています。
ただし、州政府が独自にガイドラインを設けられるため、今後も中央政府・各州政府の発表を注視する必要があります。

【7月3日 追記】
引き続き、インドでは感染が拡大していますが、6月29日には、段階的ロックダウン解除(Unlockdown 2.0)が発表され、活動制限のさらなる緩和が進んでいます。
一方で、封じ込めゾーンでのロックダウンは、7月31日までの延長が決まっています。

【参照記事紹介】
・新型コロナウイルスの感染状況について
厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月8日版)」
・3月下旬に始まったロックダウンについて
JETRO ビジネス短信(2020年3月26日)
・3回にわたるロックダウンの延長について
JETRO ビジネス短信(2020年5月19日)
・ロックダウンの段階的な解除について
在インド日本大使館HP「インドにおける新型コロナウイルスに関する注意喚起(その45:ロックダウン措置の段階的解除ほか)」
・7月以降の状況について(7月3日 追記分)
JETRO ビジネス短信(2020年7月1日)

 

経済活動

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月中旬から各州で移動や操業に関する制限が出され、必要不可欠なサービス以外の操業に制限がかかり始めました。
3月25日のロックダウン開始直後は、「必需(essential)」と自治体から認定された物品を製造する工場のみ部分操業が可能、物流も生活必需品等に限定、生活に必要な食料品店や医薬品店のみ営業が許可されるなど、厳しい措置がとられましたが、第2期、第3期となるにつれて部分的な緩和が進んできました。

第4期のロックダウンにおいては、国内線・国際線旅客機やメトロの運行、ホテルや教育機関、映画館、ショッピングモール、ジムなどの運営は引き続き全土で禁止されていましたが、国内線旅客便については、平常時の約3分の1をめどに、5月25日から運航が再開しています。
また、封鎖ゾーン以外のエリアでは、6月8日からホテル・レストラン・ショッピングモールなどが営業を再開しています。
しかしながら、各地で引き続き感染が拡大していることもあり、一部の州では、独自のガイドラインが発表されています。

新型コロナウイルス感染拡大により、現地日系企業も大きな影響を受けています。
JETROが4月24日〜28日にかけて実施した調査によると、現時点で約8割の企業が事業に何かしらの支障があると回答、約2割の企業が今後支障が生じる可能性があると回答しました。

JETRO HPをもとに著者が作成。なお、データは2020年4月24日〜28日(調査期間)のものです。

【参照記事紹介】
・ロックダウン開始前の操業制限について
JETRO ビジネス短信(2020年3月24日)
・ロックダウン開始直後の経済活動の制限について
JETRO ビジネス短信(2020年3月26日2020年5月25日
・ロックダウン第4期について
JETRO ビジネス短信(2020年5月19日2020年5月25日
・ロックダウン第5期についって
在インド日本大使館HP「インドにおける新型コロナウイルスに関する注意喚起(その45:ロックダウン措置の段階的解除ほか)」
JETRO ビジネス短信(2020年6月3日)

 

就労ビザ発給状況・入国制限

インドでは、3月22日から6月30日まで、国際線民間旅客便の着陸が禁止されており、全ての国境における入国が禁止されています。

なお、インド政府による国際旅客便運行禁止が解除されるまで、外交官、公用パスポート所持者、国連や国際機関職員に発給されたビザ、雇用ビザ、プロジェクトビザ、民間航空会社の定期便乗務員に対して発給されたビザを除き、インドビザは一時的に無効となります。

現地の転職エージェントによると、新規の就労ビザ発給については、現時点でオンライン申請も含めてすべて停止されているとのことです。

【7月3日 追記】
国際線民間旅客便の着陸は、現時点で7月15日まで禁止されています。
しかしながら、ビジネスマン・医療関係者・技術者などで、以下に該当する方については、非定期商用便またはチャーター便での入国が許可されています。

  1. ビジネスビザ・就労ビザを新規で取得する場合
  2. 過去に取得したビジネスビザを在外インド公館で再有効化する場合
  3. 現在も有効な就労査証を所持している場合

【参照記事紹介】
・外国人入国規制について(7月3日に追記した、「一部入国規制の緩和」に関する記述も含む)
外務省HP「新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国後の行動制限)」
・国際線民間旅客機の着陸禁止の延長について
在インド日本大使館HP「インドにおける新型コロナウイルスに関する注意喚起(その45:ロックダウン措置の段階的解除ほか)」
・新規のビザ発給停止について
在日本インド大使館HP「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防止・管理に関する渡航及びビザ情報(改訂)」

 

求人の状況・採用プロセスの動向

現地の転職エージェントによると、直近4〜5月の新規求人については平時の約1割とのことで、約7割の企業が現段階では採用活動を一旦保留にする動きになっているそうです。
求人のある業界や職種については、伺った転職エージェントによっても状況が異なりますが、バックオフィスの求人が平時よりやや少ない印象を持たれている担当者の方もいらっしゃいました。

採用プロセス自体は進んではいるものの、オファーレターを出すのは、ある程度先の見通しが立ってからにしようという企業が多いようです。
なお、インドについては、国内転職の場合でも、一旦日本で新しく就労ビザを取得する必要があるため、就職活動の時点でインド国内にいるか否かで選考が有利に進む訳ではないとのことでした。

今回の新型コロナウイルス感染拡大により、6〜7割程度の企業で駐在員の帰任があったと伺いました。
しかしながら、インドではまだ駐在員と現地採用社員の役割分担が明確なため、駐在員のポジションがすぐに現地採用社員にリプレイスされるという動きはなさそうとのことでした。

 

Withコロナ時代を生き抜くための新しい働き方!キャリア戦略の5ステップ

先行きが不透明な時代の中、今後ますます「どのような環境でも活躍できる、自走できる人材」が求められますし、所属企業だけに依存していては立ちいかなくなる可能性もあります。
そのような時代の流れを受け、「個の力」の重要性はさらに高まると思われます。
その点、海外就職には以下のような意義があると考えています。

  • 少数精鋭の環境の中で幅広い業務を任されることにより、問題解決能力が培われる
  • コロナ禍の影響で一時下火になることも予想されるが、海外でも活躍できるグローバル人材には根強いニーズがある
  • 日本ではできない経験を積むことで、人材としての希少価値を高め、キャリアの可能性を広げることができる

今回の新型コロナウイルスの影響により、米国と中国のように国家間の分断が進み、グローバルな企業活動に支障をきたすようになるという議論が一部あります。
一方、今回の新型コロナウイルスのような感染症など、今後国際社会で強調して向きあっていくべき問題が増えてくるとも考えられます。
すると、協調した国家間の中での結びつきは深まり、引き続き、企業におけるグローバル人材のニーズは高まっていくという議論もあります。

どのような未来が私たちの前に広がっているかはわかりませんが、「世界を舞台に活躍できる人材」への期待と可能性が減退することはないと思います。
その点で引き続き、アジア海外就職は有用な選択肢と言えるでしょう。

最後に、アジア海外就職にあたって、絶対に外してはいけないポイントをお伝えします。
詳細はこちらの記事に譲りますが、以下でも簡単にご紹介させていただきます。

 

ステップ1:自己分析をした上で、海外就職すべきかを判断する

海外就職自体は優れたキャリア戦略のひとつではありますが、ご自身のキャリアの方向性や大切にしている価値観によっては、最善の選択ではない可能性もあります。
ぜひこの機会にこれまでのキャリアを振り返り、今後のキャリアの方向性について検討してみてください。
なお、今後のキャリアの方向性は、大きな方向性が定まればよく、仮のもので構いません。

その上で、海外就職をご自身のキャリア選択に加えていきたいと思った場合、海外就職について情報収集をしっかりと行った上で、海外就職すべきか否かを判断します。
判断の材料として、これまで私たちが提供してきた情報などを参考にしていただき、ご希望の際は、こちらからオンラインでのご相談も承っております。

 

ステップ2:海外就職先となる、国および都市の選定

どこに就職するかによって、今後数年間のみなさんの仕事内容や生活、付き合う人はもちろん、その後のキャリアの方向性も決まってしまいます。

位置関係や概要を理解することはもちろん、経済状況、日本人の就・転職状況、生活環境、キャリアの方向性など、複数の観点から検討しましょう。

 

ステップ3:転職エージェントへの登録、求人票の検討

いよいよ候補国の転職エージェントに連絡を取り、個人情報の登録や選考書類を送付の上で、まずは転職エージェントの担当者と面談を行います。
選考書類や面談内容にもとづき、送付される求人票から応募先を絞ります。

なお、私たちは複数の転職エージェントに登録することをおすすめしています。
エージェントによって持っている求人が異なり、可能な限り多くの選択肢から選んだ方が良いからです。

 

ステップ4:現地企業との電話面談および現地での最終面談

ここから、応募した企業と直接の面談がスタートします。
なお、アジア海外就職の場合、採用担当者が海外にいるため、通常はまずSkypeなどを用いて遠隔による面談(電話面談)を行います。
電話面談で企業がみなさんに興味を持ったら、現地での最終面談となり、アジア就職の実現も目前です。

※新型コロナウイルス感染拡大により、最終面談までオンラインで実施するケースもあります。

 

ステップ5:現地での仕事・生活をスタートさせ、自分らしいキャリアを歩む

無事に希望した企業から内定が出たら、いよいよアジア海外就職を実行に移すことになります。
会社側と話し合いを行い入社日を決め、入社日から1週間程度前に入国し、現地での生活の基盤を整えてます。

ここで大切なことは、「なぜ海外で働こうと思ったのか」という目的を常に忘れないことです。
海外で仕事をしていると、楽しいことや刺激的なことも多いのですが、辛い思いをしたり、苦労することもあります。
だからこそ、目的意識をしっかりと持ち、自分らしいキャリアを歩むことが大切です。

海外就職実現までの5つのステップ
  1. 自己分析と海外就職をすべきかどうかの選択
  2. 海外就職先となる、国および都市の選定
  3. 転職エージェントへの登録、求人票の検討
  4. 現地企業との電話面談および現地での最終面談
  5. 現地での仕事・生活がスタート

 

まとめ|今後もWithコロナ時代のリアルな情報発信を続けていきます!

いかがでしたか?

現段階では、外国人入国規制や新規就労ビザの発給が停止されている国がほとんどであり、再開の見通しも立っていないことから、今は海外就職に向けて動くべき時期ではないと思います。
一方、国にもよりますが、駐在員の帰任等により、新型コロナウイルス収束後にアジア就職のチャンスが増えるという見方もあります。
「新型コロナウイルスの影響で動きづらい」と諦めてしまうのではなく、今は英語学習や自分と向き合う時間をとるなど、できる範囲で準備を進め、来たるべきチャンスに備えてほしいと思っています。

また、既に海外現地で働いている方も、これを機にご自身の今後のキャリアを今一度考えてみるのはいかがでしょうか。
一部の国を除き、現時点では国内転職が有利に働くケースもあります。
また、収束後にこれまで海外で培ったキャリアを活かして、より可能性の広がる国でチャレンジすることもひとつの選択肢かもしれません。

 

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Jiyoung Baek

セブ留学がきっかけで東南アジアの虜に!! フィリピン・セブでの海外インターンを経て、ベトナム・ハノイで海外就職。約2年に渡って大好きな東南アジアで働きながら、旅をする生活をしていました。 現在は自身の海外経験を基に、旅するインタビュアーとして海外で活躍する方々を取材し、「海外で働くとは」について発信することで、海外で働きたいけど一歩踏み出せない方に挑戦のきっかけを作るべく奮闘中。 どんなときもアジアの眩しい陽射しのような笑顔を忘れず、頑張っています! 日々大事にしていること「やらない後悔よりやって後悔、何でもやってみる!」