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海外就職転職エージェントのビジネスモデルと闇

転職エージェントは海外就職をする際に、頼もしいパートナーにもなりますし、あなたのキャリアを台無しにするような存在にもなり得ます。

こんにちは!ビヨンドザボーダー、海外キャリアコンサルタントの岡本琢磨です。

今回は、転職エージェントのビジネスモデルと闇というテーマでお話をします。

具体的には転職エージェントのビジネスモデルや問題点、彼らを利用する際の留意点についてお話をさせていただきたいと思います。

皆さんの海外就職の成否を分けるような内容になっています。正直、お伝えしにくい部分もありますが、きちんとお話をしますので是非、最後までお聞きいただければと思います。

今回の動画の内容はこちらになります。

・転職エージェントのビジネスモデル
・実際の海外就職失敗事例
・転職エージェントを利用する際の留意点

私は職業柄、多くの転職エージェントの方とお話をしますが、素晴らしいスキルと倫理観をお持ちで私自身尊敬している方もいらっしゃれば、残念ながらそうでないケースもあります。

転職エージェントにも様々な方がいて、非常に求職者想いの方もいれば、ビジネスライクな方、どちらかと言えば、求人会社の方ばかりを見ている方もいます。

もちろん、素晴らしい方の方が多いのですが、皆さんが出会う転職エージェントが必ずしもそうである保証はありません。

素晴らしい転職エージェントの方と出会えて、海外就職を成功させた人もいれば、残念ながら逆のパターンもありました。

ですから、まずは転職エージェントのビジネスモデルや立ち位置を知った上で、上手にお付き合いをしながら、最高のキャリアを手に入れていただきたいと思います。

それでは転職エージェントのビジネスモデルについて解説しますね。


転職エージェントのビジネスモデル

こちらの図で解説をしていきたいと思います。

左には【求職者】である皆さん、右側には皆さんが転職を希望する【求人会社】があります。その真ん中で両者を取り持つのが転職エージェントになります。

転職エージェントは、【求職者】である皆さんに求人票という形で【求人紹介】を行います。また一方で、皆さんが提出した履歴書や職務経歴書を【求人会社】に渡すことで【人材紹介】を行います。

その後、【求人会社】と【求職者】の間で面接が行われ、最終的に【マッチング】が成立すれば、内定が出され、【求職者】は【求人会社】へ入社することになります。

ここまで行われて、初めて【求人会社】は【転職エージェント】に対して人材紹介の対価として【報酬の支払い】を行います。

そして、この報酬が転職エージェントの主たる収入になります。

これが転職エージェントのビジネスモデルです。

ここで注意していただきたいのは2点です。

1点目は、マッチングが成立して、求職者が求人会社に入社しなければ報酬が支払われないという点。

もう1点は、報酬を支払うのはあくまで求人会社のみであり、求職者は一切の支払いをしない点。

これは何を意味するのかと言うと、転職エージェントにとってのクライアントは求職者である皆さんではなくて、求人会社になります。

理由は、わかりますね??

転職エージェントに支払いをするのは皆さんでなくて、求人会社のみだからです。

転職エージェントは皆さんのエージェントではありません。求人会社の人材獲得を補助するために雇われた求人会社にとってのエージェントになります。

そのため、転職エージェントは、皆さんではなく、求人会社の利益のために行動します。

少しややこしいのですが、まずはこの点についてよく理解をしてください。

そして、このビジネスモデルから大きな問題が生じます。

まずは事例からみていきましょう。

実際の海外就職失敗事例

以前、ベトナムのホーチミンに出張をした際に、ホーチミンの現地日系企業に就職をされた方にお会いしました。

彼の仕事は工業部品を扱う製造商社の拠点長という仕事でした。この方の学歴やご経歴はとても素晴らしいものでした。

大学卒業後、日本で大手商社に入社され、その後シンガポールでMBAを取得、知財関係の学位を取得して卒業されたとのことです。

MBA時代には様々な友人ができて、近い将来、その友人たちと芸術品の販売・流通・知財関係の権利を取り扱うビジネスで起業をしたいと熱く語ってくれました。

詳細を聞いても私の乏しい知識ではさっぱり理解できなかったのですが、どうやらすごそう!ということだけは理解できました。

一通り、お話を伺った後、私は一つ気になったことを質問しました。それは「どうして、あなたはここベトナムのホーチミンであなたの夢とは全く異なる職種の仕事についているのですか?」という質問です。

彼の答えを聞いて私は混乱してしまいました。

彼の答えはこんな内容だったと思います。

「今、ベトナムの製造商社で仕事をしている明確な理由はないです。特にベトナム語が必要なわけではないですし、できれば英語を使って仕事がしたいと良いと思っていました。この仕事を選んだ理由は、転職エージェントの方にこちらの仕事を進められたからです。私の経歴や英語力などではシンガポールや他のアジアの英語圏で職をさがすことは難しいと言われました。」

これを聞いた時、私は絶句してしまいました。まず、ベトナムで仕事をする理由が全くありません。留学で磨いてきた英語力をさらにブラッシュアップできる国への就職のほうが良かったはずです。

また、将来起業の夢があるのなら、その夢に一歩でも近づける仕事をすべきだとも思いました。もっと言うとシンガポールや他の英語圏での就職も全然できたはずだとも思いました。

ではなぜ、転職エージェントは彼に他の選択肢を提示せずに、ベトナム就職を促したのでしょうか?

その理由は明らかです。

その転職エージェントは、優秀な彼を欲しいと思うベトナムにある企業に転職させることで、利益を得ることを優先したのでしょう。

彼を欲しいという企業があれば、その企業の利益と自分達が得られるエージェントフィーを優先することは、転職エージェントのビジネスモデルを考えると当然かもしれません。

しかし、これこそが、転職エージェントの闇と言えるものだと感じました。

そんな理由で彼の大切なキャリアが台無しにされてしまったとしたら、、そう考えるとその転職エージェントに対して怒りを覚えました。皆さんには、そんなことに絶対になってほしくはありません。

もちろん、これは一部の転職エージェントがしたことで全てのエージェントがこのような行動をとるわけではありません。ただ、このようなケースをよく耳にすることも事実です。

長期的に見て、この方がすぐに会社を退職してしまえば、会社も不利益を被りますし、転職エージェントも報酬の一部を返還する義務を追う可能性もあります。

あくまで一つの例としてご理解をいただければと思います。

転職エージェントを利用する際の留意点

さて、それではどのようにすれば、今回のケースを防ぐことができたのでしょうか?

それは転職エージェントのビジネスモデルを知り、次の留意事項に気を付けた上で彼らと上手に付き合うことです。

  • 転職エージェントは求人企業の利益のために行動をせざるを得ない
  • 転職エージェントの担当者は自らの利益のために行動する可能性
  • エージェント、個々の担当者によって質とスタンスのバラツキが大きい
  • その国の専門家であり、アジア全体の専門家ではない
  • 人材紹介の専門家であり、キャリアの専門家ではない
  • エージェントによって持っている求人を全く異なる
  • 担当者によって提案する求人が全く異なる

そして転職エージェントを利用する際に、必ず行って欲しいことはこちらです。

それは「複数の転職エージェントに登録してなるべく多くの求人情報をもらいつつ、彼らからの情報を比較検討する」ということです。

皆さんがやるべきことは、ご自身のキャリアの方向性にぴったりな就職先を見つけて転職することです。

そのためには、複数の転職エージェントから多くの求人情報を得て、情報の取捨選択をすることが重要です。

けして、1人の転職エージェントの担当者にあなたの大事なキャリアの選択を依存してしまってはいけません。


いかがだったでしょうか?

本日はこちらの内容についてお話をさせていただきました。

・転職エージェントのビジネスモデル
・実際の海外就職失敗事例
・転職エージェントを利用する際の留意点

今回の内容は海外就職をする上で、最重要の課題の一つと言っても過言ではありません。是非後悔のないように、複数の転職エージェントに登録をするようにしてください。

本日は以上になります。

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岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒