「英語」以外の武器を得るために新卒でマレーシア就職!明るく前向きな彼女が伝えたいこととは?
こんにちは!
BEYOND THE BORDER ライターのペクです!
「新卒で海外就職ってどうなの?」
早いうちから海外で働きたいという方の中にはそんな疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
最初のキャリアは日本で積むという方が圧倒的に多く、情報も少ないので、踏み出したい気持ちはありながらもきっと不安になりますよね。
今回は新卒でマレーシア就職を果たし、現在は日系企業のITヘルプデスクでご勤務されている、瀧澤 紗(たきざわ さら)さんにお話を伺いました。
二度のアメリカ留学を通して「海外で働いてみたい」という思いが募ったという瀧澤さん。
周囲に合わせて日本で就職活動をした時期もありましたが、「本当にこれでいいのか」と迷う気持ちがあったそうです。
そこから思い切って周囲に相談しつつ、自分なりの結論を見出した末のマレーシア就職。
未経験職種への挑戦、マレーシアで生活するのは初めてという状況で、予想以上に大変だそうですが、起こる出来事をすべて前向きに捉えながら進んでおられます。
そんなご自身の姿を通して、「一見敷居が高く感じられる海外就職でも、挑戦してみると楽しいことはたくさんある」と伝えたいとのこと。
海外就職、特に新卒で海外就職をご検討の方は是非ご一読下さい!
瀧澤 紗さんとは?
幼少期からインターナショナルコースのある学校に通うなど、英語や異文化に触れる機会を多く持つ。高校・大学時代にアメリカへ1年間留学。帰国後に日本での就職活動に臨むも、「海外で働きたい」という思いが募り、新卒でマレーシア就職へ挑戦。現在は日系企業のITヘルプデスクにてカスタマーサポート職に従事。
※プロフィールは当日伺ったお話をもとに執筆。
二度のアメリカ留学の末にマレーシア就職!
元々海外にご関心があったのですか?
元々は留学するのも嫌だと思っていました(笑)。
私の母は日本で国際幼稚園を経営しており、私自身も小学校からインターナショナルコースのある学校に通っていました。
中学に上がった頃ぐらいから母から留学を勧められたのですが、当時はなぜか行くのが嫌で・・・(苦笑)。
中高一貫校に通っていたのですが、中学3年生のときに高校のスピーチコンテストを見に行く機会があったんです。
留学経験のある先輩がコンテストの場で流暢に英語を話す姿を目にしたのを機に、留学への憧れを持つようになりました。
コンテストで英語を流暢に話す方がとてもカッコよかったんですね!
留学への憧れを持った段階で母に相談したら・・・実はなんと、母が私の知らないうちに留学プログラムに既に申し込んでいる状態で(笑)。
3日後ぐらいに説明会に行って来てと言われたんです。
さらに、説明会のつもりで行ったら・・・それが試験でした(苦笑)。
最終的に無事試験に合格し、高校1年生の夏から留学に行くことになりました。
二度のアメリカ留学で多様な価値観に触れ、英語を武器にする自信を得る
まさか既にお母様が申し込んでいる状態だったとは(笑)!
実際留学に行ってみてどうでしたか?
まず、英語のスキルがぐんと伸びた1年でした。
当時留学したのはアメリカのアイダホ州でしたが、学校にアジア人が4人ほどしかおらず、必然的に英語環境でした。
また、私自身も正しい発音を身に着けたり、自分と同世代の子たちが話すような英語を話せるようになるべく、日々勉強に励みました。
ホームステイ先のホストシスターにお願いして、何度も発音の練習に付き合ってもらったりもしましたね。
素晴らしい!目標を高く持って、日々努力されていたんですね。
また、まだまだ自分の知らないことが世界にはたくさんあり、実際目にしないと分からないものだと感じました。
アメリカは「人種のるつぼ」と言われていますが、アイダホの場合は州外に出たことのある方が少なく、同じ人種としか付き合わないとはっきり態度で示している光景を目にしたことがありました。
アメリカでは多様な人種が共存しているというイメージがあったので、やや驚きましたね。
長期での海外生活は初めて。きっと新鮮で、得るものも多かったことでしょう。
何か大変だったことはありますか?
当初はなかなかネイティブのスピードについて行けず、彼らの会話を遮るほど聞き返す訳にもいかないので、葛藤することもありました。
ただ、慣れてしまえば全く問題なく生活できましたし、語学面での苦労はさほどありませんでした。
一方で、クラスの同級生たちには長年培ってきた友情があり、深くは打ち解けられない寂しさは少しありましたね。
日本人が少なく、学校規模も大きくはなかったので、チヤホヤされてはいましたが・・・。
多少寂しさを感じる部分はあったものの、大きな苦労はされなかったのですね。
大学時代に再度アメリカへご留学されたのはなぜですか?
私にとって英語は武器になると思っていたので、大学も英語を活かして進学しました。
単に授業を通して英語を伸ばすのではなく、国際関係、経済や文化・・・幅広く国際的な学問を英語で学んでいましたね。
それに、海外留学・インターンなど、在学中に何かしら海外経験を積んでくるのが当たり前という環境だったんです。
再びアメリカを選んだのは・・・大した理由ではありません(苦笑)。
実は、高校時代に留学したアイダホ州はすごく寒かったので、次は暖かいところへ行こうと思いまして(笑)。
提携校を探したところ、タイとアメリカのテキサス州が候補に上がり、英語圏であるアメリカを選びました。
暖かい地域に行きたいという理由でしたか(笑)!
アメリカは二度目。慣れてもいたので、きっと楽しい毎日でしたよね!
現地の学生や他の国からの留学生と一緒に授業を受け、生活を共にしていましたが、遊びと学びのメリハリがきちんとある生活ができたのがとてもよかったです。
とにかくみんなパーティーが大好きで、パーティーが開かれるとみんなで全力で楽しむんです。
一方、平日は図書館にこもってしっかり勉強するんですよね。
また、アメリカの方々はもちろん、ヨーロッパを中心とした他国からの留学生とも繋がりを持てたのが新鮮でした。
パーティーで新しい友人と知り合う機会はたくさんありましたし、ルームシェアで生活していた家でも友人の輪がどんどん広がっていき、助け合いながら勉強したり・・・。
とても充実していて、最初から最後まで本当に楽しい1年間でした!
マレーシア就職で「英語」と掛け合わせる武器を身に着ける
本当に楽しそうにお話されていて、こちらまで思わず笑顔になってしまいました(笑)!
なぜ日本で就職活動をせず、新卒で海外就職をすることにしたのですか?
大学3年の3月から日本で就職活動が始まりましたが、その時期はまだアメリカにいました。
正直なところ就職活動の実感がなくて、帰国するまで何も準備ができていませんでした(苦笑)。
英語を活かせるよう、なんとなく海外営業のポジションや海外と関われる企業の求人に応募してみましたが、準備不足である上に本当にこれでいいのかモヤモヤしている部分もあり、上手くいかなくて。
「海外で働きたい」という気持ちは以前からあったので、思い切って母に相談してみたんです。
すると、「調べてみれば何か情報が出るんじゃない?」と言われまして。
実際にいろいろ調べてみると、新卒でも予想以上に求人があったんです。
だったら、最初から日本で就職しなくてもいいのでは?と思いました。
ここでもお母様の後押しが!数ある国の中からマレーシアを選んだのはなぜですか?
アメリカを視野に入れた時期もありましたが、やはりビザ取得のハードルがかなり高くて。
募集要項も「アメリカの大学を卒業していること」や「既に就労可能なビザを持っている人」という要件となっていました。
そこで、国を絞らずに調べてみると、シンガポール・タイ・マレーシアといった東南アジアの国々に求人が多いことが分かったんです。
東南アジアであれば、気候も暖かくて生活するにも問題がなさそうだと思ったこともあり(笑)、いろいろと比較検討しながら、気になる求人に応募し続けました。
最終的にはアルバイト先の先輩にマレーシアでご勤務されている方を紹介して頂き、そのご縁で現在勤めている企業に入社しました。
ご紹介頂いた方にはマレーシア生活についてお話を伺える機会も頂き、振り返ると本当に恵まれていたと感じています。
とても謙虚ですね!現在はどのようなお仕事をされているのですか?
日系企業のITヘルプデスクで、お客様からのIT関連のお問い合わせに答えるカスタマーサポートのお仕事に携わっています。
お客様はアジア周辺諸国の日系企業でご勤務されているローカルスタッフの方々なので、基本的に英語で対応していますね。
ただ、現地のスタッフさんでは解決できないような問題に直面し、先方の日本本社とやり取りをする場合は日本語で対応をしています。
また、ときに私たちでは解決が出来ない問題が出て来ることもあるので、その場合は委託先の日系企業に問題の解決を日本語でお願いしていますね。
実際にマレーシアで働いてみて、どんな楽しさややりがいがありますか?
マレーシアは多民族国家であり、こちらへ来て初めてムスリムの方々と接したり、ムスリムの文化に触れる機会ができました。
これまでのアメリカ留学では多様な価値観に触れていたとはいえ、どうしても欧米の方々との関わりが多かったので・・・。
おかげで視野も広がりましたし、一緒に外出するときにはハラルフードを選ぶようにするなど、これまで気にしていなかったことにも目を向けられるようになりました。
仕事についてはお客様の顔が見えないこともあり、やりがいについては正直模索中です。
ただ、英語でお客様の対応ができる環境に身を置き、英語のスキルを維持できているのはいいところだと思っています。
ネイティブの英語だけではなく、インド系・マレー系・中華系など、様々な訛りの英語を聞き取れるようになったこともプラスですよね。
大学時代の友人には、留学経験があるにも関わらず、英語を全く使わない仕事に就いている子も多いので・・・。
お客様のお顔が見えなくてやりがいを感じにくいこと以外に、
何か難しさや大変なことはありますか?
「海外で働く」にあたって、英語だけできても意味がないと思ったので、ITに関する知識を習得し、英語と掛け合わせられる武器にしようと思って入社したのですが・・・。
知識も経験もないところから業務に当たるのは予想以上に大変です(苦笑)。
先輩にアドバイスをもらったり、空いた時間に自らIT関連の用語集や過去のお問い合わせやその対応方法を見ながら勉強する日々です。
また、ムスリムの方々と一緒に生活やお仕事をするのは初めてのことで新鮮さを感じる反面、理解不足から無意識のうちに失礼な言動をしていないかが常に気になっています。
親しくなりたいので、いろいろな話がしたい気持ちはありますが、話題によってはどこまで踏み込んでいいものなのかが分からず・・・。
初めての環境であることに加え、未経験職種への挑戦ですし、
いろいろ難しさを感じる部分はありますよね。
クアラルンプールは生活するのに不便はないと聞いていましたが、いくら海外経験があるとはいえ、今までに直面したことのないような問題に直面することがありますね。
家に虫が出たり、街中で綺麗なトイレを探すのが大変だったり・・・主に衛生面ですね(苦笑)。
ただ、これに関しては生活をする中で徐々に慣れてきた部分はあります。
クアラルンプールへは一度も訪れることなく就職したので、生活の中で直面する問題については予想しきれていなかった部分がありました(苦笑)。
同じマレーシアでもコタキナバルへは訪れていたのですが、ホテルに宿泊し、観光地にしか訪れていなかったですし・・・。
気になる今後と海外で働きたい方へのメッセージ
ご自身の今後についてはどのようにお考えですか?
直近はITの知識を身に着けることが目標ですが、将来的には海外でもっといろんなことに挑戦していきたいと思っています。
アメリカ留学やマレーシア就職を通して、海外では周囲と違う考えを持っていても、それが個性として尊重されると感じています。
アメリカ留学時代も、自分の意思や夢を周囲は何も言わずに受け入れて、応援してくれたんですよね。
そんな風に、自らが歓迎される場所に常に身を置きたいと考えています。
最後に、海外で働きたい方へのメッセージをお願いします!
少しでも挑戦したい気持ちがあるなら、挑戦してみればいいと思います。
「海外で働く」って敷居が高いように思われがちですが、実際に調べてみるとたくさん情報が出て来ましたし、求人もたくさんありました。
そして、思いのほか楽しい部分もあります。
生まれ育った場所でずっと住み続けるのももちろん素敵ですが、全く違う世界で生きていくのも新鮮で、楽しいものですよ!
あとは・・・日本の「当たり前」がこちらでは当たり前ではないことは理解しておいた方がいいかと思いました。
確かに、日本の「当たり前」が海外では通用しないことがありますよね。
何か具体的な例はありますか?
日本人と日本人以外の方が一緒に働くことの難しさに直面している様子を目にすることがよくあります。
海外では生活のために仕事をしている方が多く、仕事における考え方や仕事への向き合い方が日本とは全然違います。
約束した時間に来てくれなかったり、決められた時間よりも長くランチタイムを取っていたり・・・。
当然私は日本で社会人経験がないので、日本の「当たり前」を知らずに海外に来たというのもあると思います。
ただ、アメリカ留学を通して異なる価値観に触れて来て、自分の考えが当たり前ではないというのは強く感じていて。
日本の「当たり前」は当たり前ではなく、日本の価値観を押し付けることが必ずしも正解ではないことを理解せずに来てしまうと、少し大変かもしれないなと思います。
まとめ
いかがでしたか?
取材中、どんな質問にも満面の笑顔で答えて下さった瀧澤さん。
一見敷居が高そうな海外就職、挑戦したら楽しいこともたくさんある
起こる出来事をすべて前向きに捉え、明るく進み続ける瀧澤さんの姿から、そんなメッセージがたっぷり伝わったのではないでしょうか?
アメリカ留学もご経験され、多様な価値観に触れる機会が多かった瀧澤さん。
決して「自分の考えや常識が絶対ではない」という意識や異文化への配慮を持って、日々を過ごす姿が取材を通して感じられました。
多民族国家であるマレーシアに限らず、海外では様々な文化的背景を持つ方と一緒にお仕事をしていくので、他者への尊重を忘れずに過ごすことが大切ですよね。
瀧澤さん、今回は貴重なお話をお聞かせ頂きましてありがとうございました!
今後の益々のご活躍を祈念しております。