インドの経済状況
1.インドの経済概要
その大きな人口規模から「第二の中国」と呼ばれることもあるインドは、現在世界のGDPランキングで第七位に位置しています。中国の成長率が近年緩やかですが落ち着いてきていることもあり、今後は中国と差を縮めていくと予想されています。さらには、その巨大な人口規模から近い将来日本のGDPを抜くことは確実と言われています。 インドは2050 年まで人口が増え続けると言われ、若年層の人口、労働力人口の拡大がしばらく続くことが見込まれているため、そのような人口ボーナスにより経済成長が進めば、いずれはポスト中国として世界経済の中心的プレイヤーになることも可能な国です。
近年のインドのGDP成長率は安定して7%程の高い水準を維持しています。2014年に就任したモディ首相の取り組みによって変化の時期を迎えているインドは、その政策によって今後も物凄い勢いで経済成長することが見込まれています。
一方で、一人当たりのGDPはアジア諸国と比較して未だに低い水準にあります。他のアジア諸国と比べても低く、インド国民全体の生活はまだまだ豊かとは程遠いレベルにあり、世界銀行ではインドを低所得の分類にみなしています。実際にインドに行ってみると、綺麗とはいえない街並みや、物乞いがいる様子など多くの貧しい光景を多々目にします。
2.インドと日本およびアジアの新興国との比較
日本との比較で見た場合、インドのGDPは5割弱ほどですが、年々ものすごい勢いで差を縮めています。インドが人口を武器にかつての中国のようなスピードで経済成長したら、日本のGDPを超える日は近いでしょう。その一方で、一人当たりのGDPは非常に低いです。インドは国民全体の所得が20%強ほどが所得上位1%の人々の所得という世界的にみても所得分配率が高い国の一つですが、中間層の割合が近年増えてきているため消費も同時に増えてきています。
アジア新興国とのGDPの比較は上記の通りになります。10年間で2.4倍もGDPが増加しています。他のアジアの新興国と比較してもインドの伸び率は高い部類です。
また、日本のGDPの伸び率1.09倍と比べた場合、インドの成長率は非常に高いと言えます。人口ピラミッドが非常に綺麗なインドは今後も順調に人口が増え経済成長を続けると考えられています。
→インド概要「4.インドと日本との比較」を参照
3.インドの産業
インドの産業構造は他の先進国と同様にサービス業(第3次産業)の割合が53.2%と大きな割合を占めています。インドのモディ首相が、メークインインディアという世界の製造・輸出拠点を目指す公約を掲げており、今後はサービス業メインから製造業メインの産業構造を目指しています。
4.インドへの直接投資の状況
インド向け外国からの直接投資は、1991年の経済改革以降、順調に拡大してきました。2012 年以降は毎年流入額が増加しており、2015 年度の対インド直接投資(実行額ベース)は 2000 年以降で最も多い555 億ドルで前年度比 23%増となりました。2015 年の直接投資流入額は世界11 位で、アジアでは、香港、中国、シンガポールに次いで4番目の直接投資受入額になりました。
インドの投資環境を一部修正
日本からインドへの直接投資は2008年以降リーマンショックの影響で一時低下していましたが、2014年のモディ政権誕生後に活発化しています。近年はインド政府が積極的な外交、参入障壁の緩和や撤廃などに取り組んでおり、さらなる外資系企業の誘致に重点を置き政策を進めているため、日系企業もどんどん進出しています。
5.GST法案の可決
インドの直接投資額は年々増えてきていますが、同様の人口規模を持つ中国と比較してその差は大きくあります。莫大な人口という大きな経済成長の要素を持ちながら、今までインフラの不整備や、複雑な税制度などが原因でなかなか外資系企業を誘致できない側面がありました。そのような中で、2017年に外資系企業の進出の際のネガティブ要因として大きかったインドの煩雑な税制度が改正となり、GST(15種類以上ある税制度を一本化する制度)を導入することになりました。それにより企業の納税事務コストを減らすことができるようになり、外資系企業がインドに拠点を置く際の大きな一つのマイナスの要因が解決しました。今後はより多くの外資系企業の参入が期待されています。
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