転職エージェント訪問記:【インドネシア・ジャカルタ】PT. ICONIC TALENT INDONESIA(アイコニック)
目次
PT. ICONIC TALENT INDONESIA(アイコニック・インドネシア)とは?
2008年にベトナム・ホーチミンからスタートしたICONIC(アイコニック)グループのインドネシア拠点。
ICONICグループは他にもベトナム・マレーシア・シンガポール・日本(東京)に拠点を有します。
インドネシア拠点は2013年2月に設立され、インドネシア国内における人材紹介サービス及び通訳・翻訳業務を展開しています。
ジャカルタオフィス:GRAND SLIPI TOWER Office Building, 16th Floor, JI. S.Parman Kav.22-24, Slipi-Jakarta Barat 11480
ご担当の中里様にお話を伺ってきました!
今回お話を伺ったのは代表取締役の中里様。
ITシステムを導入する会社に入社し、日系のインドネシア法人のシステム導入プロジェクトに配属されたことで、1年間インドネシアに滞在。
高度経済成長の真っ只中という熱い環境に惹かれ、2013年2月にICONIC INDONESIAを設立されました。
インドネシア事情にも大変精通されており、いろいろと詳しくお話して頂きました。
インドネシアの現状について
── 最近のインドネシアの景気や経済状況について教えて頂けますか?
日系の製造業関連の進出は落ち着いてきており、日本が強かった自動車・バイク関連の売上もピークを超えて、伸びていないのが現状です。
その点、既存の日系企業に関しては若干景気が打ち止めになっている感じは正直あります。
一方、インドネシア国内でスマートフォンが一般の方にも普及し、インターネットユーザーが爆発的に増えています。
日系も日系以外のローカル企業もGojek等の配車アプリやフィンテック系アプリの開発に注力し始めており、サービスやIT系の進出が目立ちます。
当該分野でのユニコーン企業(注1)やデカコーン企業(注2)も出てきておりますし、日系大手商社が従来とは異なる分野で新規ビジネスを立ち上げたりもしていますね。
(注1)ユニコーン企業とは・・・企業としての評価額が10億ドル以上で非上場のベンチャー企業を指す。創業10年以内の企業を指すことが多い。ベンチャーキャピタル(ベンチャー企業への投資を専門的に行う投資会社)を始めとする投資家から、巨額の利益をもたらす可能性のある企業として注目されている。(コトバンク参照。)
(注2)デカコーン企業とは・・・企業としての評価額が100億ドル以上で非上場のベンチャー企業を指す。アメリカで短期間でユニコーン企業がいくつも登場する中で、2017年頃から新たな基準として使われ始めた。(金融情報サイト iFinance参照。)
インドネシアにおける日本人の求人状況について
── なるほど。それに伴って日本人の求人状況について何か変化や動きはありますか?
日系企業に関していうと、今お話したような分野についてはまだ立ち上げの段階で現地採用社員を採用しようという段階には至っていません。
したがって、市場の流れとは違って、現地採用の求人については従来と比べて大きな変化があるとは言えません。
一方、既存の製造業に関してはやや景気が良くない部分もあり、企業側もコストダウンを考える必要があるという状況です。
従来は駐在員が担っていた業務を、現地採用社員が担う形に切り替える企業様は増えていますね。
── 日本人の求人状況につき、業種別・職種別に教えて頂くことは可能でしょうか?
業種・職種別の求人状況については下記の通りです。
業種について
進出している日系企業の社数の関係で、比率としては製造業や関連商社の求人が多いという状況です。
日系のIT企業については、ベトナムやフィリピンとは違って、オフショア開発やアプリ開発に携わる企業が少なく、システムインテグレーター系の企業でやや求人があるという程度でしょうか。
これには日本からの物理的な距離が他国と比べて遠い、英語が堪能な方がさほど多くない、エンジニアの数が少ない・・・といったインドネシア特有の背景があると推測されます。
インドネシア国内の企業についてはアプリ開発やECは成長分野ではありますが・・・。
職種について
営業職が半分近くを占めています。
技術系の求人であれば、建築/建設系の施工管理・設備施工や製造業系のエンジニアのニーズがありますね。
特に、製造業系は大手メーカーで工場の自動化が進んでおり、ロボットの生産設備を導入できるようなエンジニアが求められたりすることもあります。
事務系の職種については求人は多くはなく、減少傾向にあります。
以前はインドネシア語ができるのであれば、日本人秘書や総務といった求人がありましたが・・・。
正直なところ最近は特殊な求人も多く、傾向として挙げづらいというところがあります。
── 勤務地についてはいかがでしょうか?
98%がジャカルタを含む首都圏エリア、その他のエリアが2%程度です。
首都圏エリアで勤務する場合の求人については、ジャカルタ市内の求人が4割程度、郊外の工業団地での求人が6割程度となっています。
── なるほど。求められる語学力やスキルについてはいかがでしょうか?
語学ついては一般的にさほど厳しくありません。
英語あるいはインドネシア語が日常会話レベルであれば問題ありません。
ただ、最近の傾向としてはインドネシア語を求める求人が増えてきたように思います。
また、営業系の求人であれば、業種・業態まで同じ経験が求められるということは少なく、比較的若くて、柔軟に適応できる方を求めている傾向があります。
他国も同様だとは思いますが、インドネシアで勤務する場合、上司がすべての仕事を教える余裕はありません。
自らキャッチアップできる方や自ら考え行動できる方が好まれますね。
営業以外の分野の場合は各分野のスペシャリストを求める傾向が強いです。
── ビザの発給要件について教えて頂けますか?
四年制大学卒業で、5年以上の就労経験があれば基本的に問題ありません。
ただ、上記に満たない第二新卒の方でもビザが取れているケースは実態としてあります。
インドネシアでの生活・待遇について
── 現地採用の場合の給与について教えて頂けますか?
ベトナムやマレーシア等、シンガポールを除く東南アジア諸国と比べて1割増ほどで、比較的給与水準は高いと思います。
下記は手取り額での給与(目安)になります。
- 新卒や第二新卒の場合:2,000万IDR(約16万円)
- 5年以上の経験をお持ちの方:2,500~3,000万IDR(約20〜24万円)
- マネージャークラスの方:4,000万IDR(約32万円)
*レートについては1IDR=0.008円で計算(以下についても同様)。
製造業系であれば、上記に加えて通勤用にドライバー付き社用車をつけてくれたり、住宅補助があるか社宅つきだったり・・・など、やや待遇が上がる傾向にあります。
なお、いきなり拠点長・支社長レベルで採用する求人はほとんどありませんが、中期的な目線で拠点長・支社長レベルになりうる人材を採用する目的の求人はあります。
── 賞与についてはいかがでしょうか?
レバラン(イスラムの断食明け休暇)の前に1ヶ月分の賞与を支給するよう法律で定められています。
但、それ以外の業績給については会社によって異なります。
── 現地採用の場合の家賃や住居について教えて頂けますか?
単身者の方で制約がない場合は、徒歩で会社に通勤できる距離に住むようアドバイスをしています。
ご存知の通り、ジャカルタは渋滞が深刻なので、タクシー等での移動が必要な距離に住むと、通勤が大変です。
また、現地採用の方であればコス(KOST)を基本的にはおすすめしています。
家賃が水道光熱費込みで月に2万5千円〜4万円程度と安く、月単位での家賃の支払いが可能なためです。
コス(KOST)でなければ、アパートに居住する形となります。
アパートの場合、家賃は安いもので月5万円程度ですが、一般的には8~10万円程度です。
こちらは家賃が年払いとなり、十分な資金が必要となるため、その点でもあまりおすすめしていません。
なお、郊外立地の製造業等であれば、会社が社宅としてアパートメントを借り上げてくれるケースもあります。
── 基本的に会社から徒歩圏内で住居を探されることが多いとのことですが、通勤に際しての交通費等は支給されるのでしょうか?
ジャカルタ市内勤務の場合、通勤手当が一律に支給され、その範囲内で各自で通勤する形が一般的です。
通勤手当は会社からの距離に比例する訳ではなく、固定で定められているケースが多いですね。
通勤手段についても定められている訳ではなく、各自が配車アプリを用いて通勤しています。
── 中里様ご自身もインドネシアで長く生活されていますが、インドネシアの生活はいかがですか?
日本食レストランはもちろん、日本人向けのスーパーもあるので、食材を買って自炊をすることも可能です。
工業団地で生活される場合でも、最近では日系企業の工場が集中するエリアについては日本食レストランや日本人向けサービスを提供するお店は増えております。
日系サービスレジデンスも新しく建設されたりもしていますし、ジャカルタ市内と様子は違えど、生活には困らないと思います。
最近では日系工業団地があるチカランに日本人学校も設立されました。
インドネシア就職をご検討される方へのメッセージ
── 貴重なお話ありがとうございました! 最後に、インドネシア就職をご検討される方へメッセージをお願いします!
インドネシアは成長著しい東南アジアで今後積極的に挑戦したい方にとっては非常に魅力的な環境です。
現状、営業系の求人に関しては、求められるスキルや経験のハードルはさほど高くなく、現地の方々も温厚で優しい方が多いので、海外生活が不慣れでも適応しやすいと思います。
一度お越しになって、インドネシアに根付く方も多くいらっしゃいますね。
まとめ
どんな質問にも非常に丁寧にご回答頂き、インドネシア現地事情に精通されている様子が窺えました。
中里様自身も高度経済成長の真っ只中というインドネシアの環境に魅了され、インドネシアで事業をされておられますし、今後伸びていく市場の中で自ら道を切り拓いていきたい方には非常に魅力的な環境であると感じました。
終始和やかな雰囲気の中でお話を伺うことができ、親身にいろいろとアドバイスを頂けそうな印象を抱きました。
インドネシア就職をご検討の方は、是非一度ICONIC(アイコニック)へ問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?