ベトナム経済状況
1.ベトナム経済概要
ベトナムの一人当たりのGDPは1,528ドルとまだまだ他のASEAN諸国と比べて小さく、国民は貧しい生活を強いられているといえるかもしれません。日本の一人当たりGDPでいうと1960年代後半頃でちょうど高度成長期の中頃になります。ハノイ、ホーチミンに行くとわかりますが、街は活気づき人々の給料は右肩上がりで(その分物価も上がっていますが。)購買意欲には目を見張るものがあります。
上記は2005年と2012年のGDPの金額を比較したデータです。まだまだGPDの金額自体は小さいですが、7年で2.7倍に増えているところから見ても近年急激に成長していることが伺えます。現在は賃金が上がってきている中国の次の生産拠点としての役割がクローズアップされている側面モありますが、今後は内需を中心とした企業の進出も増えていくことが見込まれています。ちなみに日本を含むGDP金額が大きい国のデータも下記に掲載しました。GDPの規模は大きいですが7年間で1.3倍の増加はかなり控えめな数値ですね。
2.日本との比較
日本とベトナムの経済力を表すGDPを比較した場合、GDP総額で日本の3%程度、一人当たりのGDPで5%程度の規模感です。まだまだ経済的にはこれからの国であるといえます。しかし下記のGDPの成長率の変化を見るとベトナム経済のこれからの可能性を窺い知ることができます。日本が0〜2%に張り付いている一方でベトナムのGDP成長率は安定して5%を超えて推移しています。
3.ベトナムの輸入及び輸出産業
ベトナムと日本の輸出入も安定的に伸びて来ています。最近は日本への輸出額が輸入額を大きく超えるようになり、(ベトナムから見て)貿易収支は黒字化しています。輸入・輸出ともに電気機械が多いのは日本から機械部品を輸入してベトナムで組み立てを行い輸出するケースが多く、輸入品の一般機械類も工場で用いられる機械を多く含みます。ベトナムは裾野産業の発展がまだまだこれからであり、タイのように工業国として発展するためには加工だけではなく、部材・部品などの製造も行うことができるようになることが課題であると言えるでしょう。
4.日本からの直接投資の推移
ベトナムへの日本からの直接投資額及び件数は近年も伸び続けており、2013年現在、ベトナムへの投資額では第1位となっています。ここからも日本とベトナムとの深い経済的な関係が見て取れます。