「チャンスを掴むには常に準備を!」シンガポールで活躍中のろぺさんが語る4つの仕事の成功術
こんにちは!
BEYOND THE BORDER ライターのペクです!
突然ですが、皆さんは何か大きなチャンスがやってきたとき、すぐに決断して動けますか?
いざチャンスが舞い降りてきても、「そのまま進んでもいいのかな?」と迷ったり、「もう少しスキルをつけてから・・・」と思ったりしてしまうものですよね。
では、こんなとき〝チャンスを掴む人〟はどんな人だと思いますか?
今回お話を伺ったのは元々日本で建築士としてご活躍され、そのスキルを活かしてフィリピン・セブでの海外インターンを経て、シンガポール就職を果たしたろぺさん。
現在も引き続き、建築士として得た経験やスキルを活かして、シンガポールの日系企業でご活躍されています。
このろぺさんこそがまさに〝チャンスを掴む人〟。
「準備が9割!大きなチャンスが来たときにすぐに動ける準備しかしていません。」
そのお言葉通り、常に少し先の目標を見据えて行動し続けることで、自らの道を切り拓いてこられました。
今回はこの「チャンスに向けて徹底して準備すること」をはじめ、ろぺさんがご自身でキャリアを切り拓く過程で培ってこられた4つの仕事術を中心にお話を伺ってみました。
海外就職をご検討の方はもちろん、訪れるチャンスを掴み取りたいと思っている方は是非ご一読下さい!
目次
ろぺさんとは?
高校卒業後、数年間は地元と東京の飲食店で勤務。徐々に東京での生活に息苦しさを感じるようになり、地元へ戻ることを決意。資金を稼ぐために内装やディスプレイの仕事に携わったのを機に、自分の手で図面を描くことに関心を持つ。地元へ戻った後は派遣社員として勤務しながらCADの学べる学校に通った後、建築会社に正社員として入社し、7年間勤務。日本で積み上げた建築士としての経験やスキルを海外で活かすべく、フィリピン・セブでの海外インターンを経て、シンガポール就職。現在は展示会やイベントの空間デザインを手掛ける、シンガポールの日系企業で活躍中。 ※プロフィールは当日伺ったお話を基に執筆。
「やりたいことが見つからない」から建築士という仕事に出会うまで
── キャリアのスタートは飲食店! 今のお仕事とは全く違うので、意外でした。
実は・・・僕は自分が「これだ!」と思えるものになかなか出会えませんでした。
進学校で周囲はほとんどアルバイトをしないという状況の中、僕は高校時代からアルバイトをしていました。
学生ながら「働く」という経験をすることで、考え方が変わったり、視野が広がることを感じていたんです。
特に学びたいことも成し遂げたいこともないなら、大学には行かず、早く社会に出ていろんなことを学んだ方がいいと思いました。
何の目的もなく大学に行っても、親に負担をかけるだけだとも思いましたし・・・。
大学に行かずに働くと決めて、飲食店を選んだのはなんとなく、でしたね。
── 高校時代からご自身できちんと考えて、選択しているところが素敵ですね。そこから今の仕事に出会ったきっかけが気になります!
高校卒業後2年ほど楽しく働いてはいましたが、相変わらず自分が心から成し遂げたいことを見つけられずにいました。
このまま地元にいても選択肢の幅が狭いままだと思い、より広い世界を見るために上京することにしました。
東京でも引き続き飲食店で勤務していましたが、徐々に東京での生活に息苦しさを感じ始めたので、やはり地元に帰ろうと思ったんです。
地元に帰るための資金を稼ぐために、飲食店ではなくより給与の高い仕事を探しました。
そのときに選んだのが、内装やディスプレイに携わる仕事でした。
── 視野を広げるために上京したものの息苦しさを感じ、地元へ帰ろうと決意したのを機に転職。それが今の仕事に繋がるんですね!
資金を稼ぐにしても、少しでも興味の湧く仕事がしたくて・・・。
幼い頃から食事も忘れてプラモデルを作ったりしていて、モノづくりがすごく好きだったんですよ。
当時の仕事では、展示会の会場や店舗の内装を手掛けていたのですが、大きなモノを作り上げていくのが本当に楽しくて!
これを機に自分の手で図面を描くことに関心を持ち始めました。
ただ、展示会の会場や店舗の内装を手掛ける場合、関わるお客様は企業様が中心で・・・。
僕の中ではもっとお客様と打ち合わせ段階から密に関わりながら、完成したモノを見て一緒に感動したいと思い、以降は建築の仕事に携わることにしましたね。
〝チャンスを掴む人〟ろぺさんが語る4つの仕事術
1. 準備が9割!チャンスが来たらすぐに動く!
展示会の会場や店舗の内装を仕事で手掛けたのを機に、ようやく夢中になれる仕事を見つけたろぺさん。
十分な資金を得た後で地元へ戻った後は派遣社員として働きながらCADの勉強をし、建築会社に入社。
なんと・・・選考では「試用期間の3ヶ月間は無給で構わないので、僕の働きぶりを見た上で判断して下さい」と伝えたそうです。
── 試用期間の3ヶ月間は無給で構わない・・・?! 一体なぜですか?
前職の会社に紹介して頂いた段階では建築業界での実務経験はなく、普通なら採用は難しい状況でした。
何もスキルや経験のない段階で採用して頂くには、人間性しかありませんよね?
ただ、人間性を知ってもらうためには1日の面接では難しく、ある程度の期間が必要だと思いました。
今もそうですが、僕は準備が9割だと考えており、大きなチャンスが来たらすぐに動けるよう常に準備しています。
20代のうちから何かあっても3ヶ月は生きていけるよう貯金を続けていました。
だからこそ、人間性を見てもらえるよう無給で働きますと言えたんです。
決断してから準備しても遅くて、お金はもちろん、身も心もすぐ動けるようにしておかないと、失うチャンスは大きいと思っています。
2. 常に相手の立場に立って考え、行動する
入社した建築会社で7年間夢中で働き続けたろぺさんですが、最終的には社内ナンバー3のポジションにまで登り詰めます。
── 最終的には社内の重要ポジションを任されるなんてすごいですね! その原動力は何だったのでしょう?
仕事を通して自身を成長させたいという気持ちよりも、大好きな社長を好きなだけ遊ばせてあげたいという気持ちでした。
どうしても住宅を手掛けるとなると、一般のお客様が相手となり、土日でも予定が入ってしまいますよね?
社長はスキーや野球などのスポーツが大好きでしたが、なかなかスポーツに時間を割けない状態だったんです。
従業員、協力業者の方・・・「周囲が幸せであってこそ、自分が幸せ」という社長の考え方や人柄が大好きだったので、社長を喜ばせたくて。
── なるほど。大好きな社長が大好きなことに打ち込めるようにしたいという気持ちが原動力だったんですね。具体的にどんな風に行動したのですか?
常に「社長の仕事の中で、社長じゃなくてもできる仕事は何だろう?」という意識で仕事に臨みました。
電話でのアポイント、簡単な打ち合わせや現場の確認など、社長がされている業務の中で社長がする必要のない業務を徹底的に探して、実行し続けました。
そんな風に仕事をし続けたところ、社長にはすごく可愛がって頂きました。
質の良いサービスやモノに触れて学んでくるようにと、出張時はいつも5つ星ホテルを取ってくれましたし、セミナーに参加させて下さったり・・・。
手掛けている仕事はもちろん、社内の立ち位置でも楽しさややりがいを感じていましたね。
3. 向上心を持ち、絶えず学ぶ!
入社前はCADスキルの習得に励み、入社後は独学で2級建築士と2級施工管理技士の資格を取得。
日頃から読書も欠かさず、社内でマネジメントに携わるようになってからは、自らリーダーシップ論等についても学んだそうです。
取材中、英語も建築業界で必要なスキルも、そして社会生活の根本にあるコミュニケーションも「学びにゴールがないからこそ楽しい」とおっしゃっていました。
そんなろぺさんがフィリピンでの海外インターンに挑戦した背景にもこの「向上心」がありました。
── 充実した日々を過ごしていたように思うのですが、なぜ海外へ飛び出すことにしたのですか?
東日本大震災からの復興や東京オリンピックを受け、地元の職人さんたちが東北や東京へ流出し、現場で外国人の職人さんを目にすることが徐々に増えてきたんです。
日本で建築士として働き続けるにあたっても、今後は英語が必要になるであろうと感じました。
「建築」に掛け合わせるスキルとして「英語」を身につけるべく、海外で時間を掛けて学ぶために海外インターンに挑戦しました。
当時僕は英語なんて全くできず、普通なら難しい状況でしたが・・・ちょっとした幸運が舞い降りました(笑)。
── 「海外で仕事がしたい」よりも最初は英語を学ぶのが目的だったんですね。ちょっとした幸運とは、一体何があったのでしょうか?
長年建築士として仕事を続けてきましたが、そのスキルと経験が活かせるチャンスがやってきました。
僕が勤務することになった語学学校では、建物の設備などハード面でのトラブルの際、現地の施工業者にお願いをするものの、思ったように修理されないという問題を抱えていました。
僕は英語は話せませんでしたが、建築に関する知識はあったので、何かトラブルが起きたときにアドバイスをしたり、僕にできる範囲で修理はできると伝えたところ・・・採用して頂きました。
4. 「まずはやってみる!」の精神で挑戦する!
夢中で仕事に打ち込み、自ら努力する中で磨き続けてきたスキルと経験があったからこそ開かれた道。
チャンスを活かして臨んだ海外インターン期間中もとにかく主体的に行動し続けたそうです。
── 英語を学ぶために渡ったフィリピンですが、その後なぜ海外で働くことにしたのですか?
フィリピン現地の建築現場で働く職人の方々と接するうちに、すぐに日本に戻るのではなく、海外で挑戦したいと思うようになっていました。
インターン期間中、例えばプロモーションビデオの制作など、これまで経験がないことでも積極的に挑戦しました。
「ご満足頂けるような仕上がりになるかは分かりませんが、任せて頂けるなら是非挑戦させて下さい!」という姿勢で臨み続けた結果、マレーシアでインターンシップを続けられるチャンスを頂きました。
── とことん挑戦する精神がまたひとつ道を切り拓きましたね! 最終的にシンガポールに移った経緯について教えて頂けますか?
マレーシアでインターンシップを続けながら転職活動をしていたところ、お世話になっていた転職エージェントの方からシンガポールでの求人をご紹介頂きました。
シンガポールは求められる英語力もビジネススキルも高いですし、僕の学歴は高卒なので難しいようには思いました。
ここも「まずは挑戦してみよう!」の精神で臨んだところ、選考にも通過した上、建築のプロフェッショナルとしてビザの取得もでき、今に至ります。
- 準備が9割!チャンスが来たらすぐに動く
- 常に相手の立場に立って考え、行動する
- 向上心を持ち、絶えず学ぶ
- 「まずはやってみる!」の精神で挑戦する
シンガポールで活躍する、ろぺさんの「今」に迫る!
── いや〜チャンスを掴む瞬発力に圧巻されっぱなしのストーリーでした! 現在のお仕事について教えて頂けますか?
店舗の内装や展示会の設営を手掛ける日系企業でプロジェクトマネージャーを務めています。
僕自身はもう「作る側」ではなく、ローカルの業者の方々をはじめとした現場でのマネジメントやお客様への営業活動などを担当しています。
シンガポール国内のみにとどまらず、マレーシアやタイなどの近隣国の仕事を手掛けることもあり、とても充実しています。
昨年はドバイでも展示会を行いました!
── とても楽しそうな様子が伝わってきます! やはり業務の中で英語はよく使うのでしょうか?
業者の方とのやり取りや他国で仕事をする際に他国のプロジェクトマネージャーと話をするときには基本的に英語を使っています。
ただ、シンガポールは多民族国家という背景もあり、言語が異なることによるミスコミュニケーションを防ぐ意味でも、メールやチャットでのコミュニケーションが主流です。
良くも悪くも、直接対話をしなくても物事が進んでしまうという傾向はあります。
本当はもっと英語を実際に話しながら、英語力を伸ばす必要があるとは思っているのですが・・・(苦笑)。
── 英語の使用頻度は高いものの、メールやチャットでのコミュニケーションが主流なんですね。お仕事の楽しさややりがいについて教えて頂けますか?
他の東南アジア諸国であれば、基本的にその国の中で仕事は完結すると思います。
シンガポールにいるからこそ、他国の仕事にも携われるという点は非常に魅力的だと感じています。
また、コミュニケーションこそが人生における幸せや豊かさに繋がると僕は信じています。
前職で部下のマネジメントに悩んでいろいろと勉強していた頃、より多くの言い回しや言葉を知り、相手によって言葉を使い分けることで、他の人の能力を引き出す可能性も広がるという結論に至ったんです。
今の仕事ではシンガポールだけでなく、他国の方とも仕事をする機会があり、多様な価値観に触れることで多くの学びや気づきが得られています。
── 仕事を通じて様々な文化に関われていて、日本でのマネジメント経験もしっかり活かせる環境なんですね! 逆に、難しさや大変さはありますか?
すごくストレスを感じている訳ではありませんが、シンガポールの方々はビジネスマインドや向上心が高く、クールな印象を受けます。
海外インターン時代にいたフィリピン・セブは人々も陽気で、休みの日でも一緒に遊んだりもしましたが、シンガポールでは滅多にありません。
また、インド系はインド系、中華系は中華系・・・同じバックグラウンドを持った方同士が集まる傾向もあります。
僕自身はシンガポールの方々ともっと仲良くなりたいのですが・・・。
気になる今後と海外で働きたい方へのメッセージ
── ろぺさんご自身の今後についてはどのようにお考えでしょうか?
僕が今幸せなのは周囲の方々のおかげであり、今度は周囲に対して僕が〝与えられる人〟になりたいと思っています。
すごく壮大な話ですが(笑)、もし今僕が死んでしまったら、僕が世の中に残したプラスな影響よりも、周囲の方々からもらったものの方がまだ多いと感じます。
それって残念じゃないですか。
もらった物より世界に与えた物の方が多いと感じられるようになりたいですね。
── そ、壮大ですね(笑)!
具体的には、海外で学んだことや得た気づきを日本の職人の方々に還元したいと思っています。
大工は花形の職業であるにもかかわらず、きつくて汚くて危険(いわゆる3K)だからと言って子供達には継がせたくないという親御さんも多いんです。
僕は職人の方々に仕事も教えて頂き、たくさん助けて頂いたので、それがすごく悲しくて・・・。
職人の方々がもっと仕事に誇りを持ってもらえるような世の中を作っていきたいですね。
職人の世界には、働き口や価格競争の問題など、他の世界を知らないからこその問題がたくさんあります。
人手不足と言われていますが、才能を眠らせている日本人の職人の方々と雇用する側とのマッチングが上手くいっていないだけの場合もあるんです。
そこに対して、海外での学びを活かしながら、アプローチをしていければと思っています。
── とても素敵な目標ですね! 最後に、海外で働きたい方へのメッセージをお願いします!
「案ずるより産むが易し」という言葉もあるように、海外に出ること自体はさほど難しくありません。
ただ、海外で働くことをご自身の幸せに繋げるためにも、目的についてはよく考えた方がいいと僕は思っています。
何か成し遂げたいことがあり、その過程で海外での就労経験が活きるのであればいいのですが、「海外で働く」がゴールになるのは危険だと思っています。
僕の場合、「何をすべきか」とか「どちらに進むべきか」などと迷っている間は決断を急ぎません。
他にも決断するべき事はたくさんありますし、迷わずとも「これだ!」と思えるチャンスは必ず訪れます。
海外で働きたいと思ったとき、英語を学んだり、スキルや経験を磨いたり・・・日本でできることはたくさんあり、早く海外に出ることだけが正解ではないと思います。
チャンスが来るまで行動し続け、いつでも動ける準備をしておくことは大切ですし、それは“待ちの状態”ではないと僕は思っています。
まとめ
いかがでしたか?
取材でろぺさんにお話を伺ったとき、チャンスを掴む瞬発力に感心したことを強く覚えています。
その背景にあったのは・・・すぐに動ける準備。
常に少し先にある目的や目標を見据え、必要な努力を重ねてきたからこそ、ここまで道を切り拓き続けられたのだと思いました。
また、チャンスに備える準備以外もろぺさんが仕事で成功を収めてきた理由は3つありました。
- 常に相手の立場に立って考え、行動する
- 向上心を持ち、絶えず学ぶ
- 「まずはやってみる!」の精神で挑戦する
個人的には、「社長がしなくてもいい仕事は何か?」という発想で仕事と向き合い続けたエピソードが特に印象的でした。
今回ご紹介したろぺさんの成功術やメッセージ、是非参考にして頂けますと幸いです。
ろぺさん、改めまして今回は貴重なお話をお聞かせ頂きまして、本当にありがとうございました!
今後の益々のご活躍を祈念しております。