タイの経済状況

1.タイ経済概要

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1997年にアジア通貨危機で大きな打撃を被ったタイ経済でしたが、その後の構造改革を経て2000年代はASEAN諸国の中でも突出した製造拠点として発展してきました。タイの一人当たりGDPが5,678ドルと5,000ドルを超えたタイは、これまでのASEAN諸国内の製造拠点としての位置づけから、市場としても注目を浴びるようになってきました。特にバンコクなどの都市部は高層ビルが立ち並び、人々の需要は活発です。

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タイ経済の流れはGDP成長率の推移を見ると非常によくわかります。タイの潜在成長率は4〜5%はあると言われていますが、年によってはブレ幅が大きくなっています。1つの要因としては、タイ経済がインドネシアや日本と違い内需中心ではなく、外需中心の輸出牽引型の経済であることがあげられます。また、1990年代後半のアジア通過危機、2009年のリーマンショック、2011年の欧州の経済危機及び洪水、2014年の軍事クーデーターなどの政治混乱などの影響により一時的に景気が低迷し、回復するということを繰り返しています。ただ、これらの不安定要素はあるものの、全般的に見れば今後も底堅く成長していくことが予想されています。

2.日本及びASEAN諸国との比較

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日本を100%とした場合のタイのGDPは8%と経済規模で見ると日本に遠く及びません。しかし、GDPの伸び率で見ると様子は随分と変わります。

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タイの2005年から2012年までのGDPの伸び率は約2倍と他のASEAN諸国と比べて平均的かむしろ、低い伸び率となっています。これは先に述べたように、他国と比べて経済が不安定になる要因が影響していると考えられます。

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一方で、日本のGDPの伸び率1.3倍と比べた場合、タイの成長率は著しく高いことも見てとれます。タイの首都バンコクに行くとよくわかりますが、高層ビルを縫って鉄道やモノレールが走り、地下鉄を含めた公共交通機関は発達していますし、ほとんどの人々がスマートフォンを使っている姿は東京の光景と何ら変わりません。

3.タイの産業

スクリーンショット 2015-07-18 1.22.01(総務省統計局より)

タイの産業を見るとやはり大きいのは鉱工業であり、全体の32%を占めています。そのうちの製造業の割合は大きく26%となっており、自動車産業やコンピュータ産業、それに関係する部品の製造が大きなシェアを占めています。ただ、最近のサービス業の占める割合の増加から鉱工業の全体に占める割合は減少してきています。このことからもタイの内需が拡大していることが見てとれます。

4.タイの輸入及び輸出産業

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(ジェトロHPより)

タイの輸出及び輸入相手国を見ると日本は輸出で2位、輸入で1位とタイの重要な貿易相手国であると言えます。ここで注目したいのは中国の存在感の増大です。輸出で見ると中国の割合は2000年には4%程度でしたが、2010年に最大輸出相手国になりました。一方輸入でも2000年には輸入全体の 5.5%でしたが、2012年には 14.9%で2位となっています。また他のASEAN諸国との貿易も活発です。

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(ジェトロHPより)

タイの輸出品の中身を見ると、自動車、コンピューター及びその同部品が大きな割合を占めています。また、輸入品を見ると原油、機械、電気部品と続きます。ここからも輸入した原材料を加工して中国や日本、米国、EU、ASEAN諸国に輸出している製造立国の姿が見えてきます。

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(ジェトロHPより)

日本との貿易を見ると2012年をピークに輸入、輸出ともに貿易額が減っています。これは前述したように中国との貿易が圧倒的に増えてきていることが大きな理由です。しかし、参考として記載したベトナムと比べての依然として貿易額は大きく、タイにとって日本は最も重要な貿易相手国であると言えます。

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(ジェトロHPより)

日本との貿易の中身を見ると、輸入は一般機械、電気機器、輸送用機器、鉄鋼と製造加工に必要な部品類が主になっています。これらを製造加工することでタイはASEAN諸国内で製造立国としての地位を固めています。一方日本への輸出は、食料品、電気機器、一般機械となっています。

5.タイへの直接投資の状況

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日本からタイへの投資額及び投資金額は2012年をピークに減少していますが、依然として金額、件数とも非常に多くなっています。

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旺盛な直接投資を示すデータとしては上記が挙げられます。2014年における日本からタイへの直接投資額はアジア内で見てもシンガポール、中国に続き第3位となっています。シンガポールへの投資が同国を経由した他国への迂回投資額も多く含んでいることから実質的には中国に継ぐ第2位の直接投資国となっています。

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