海外インタビュー

転職エージェント訪問記:【フィリピン(マニラ/セブ)】REERACOEN フィリピン

今回はフィリピン・マニラ及びセブにある人材紹介会社であるネオキャリア(リーラコーエン)の平澤さんにお話を伺いました。フィリピンに進出している日系の人材紹介会社はまだ少なく、主なプレイヤーは今回のネオキャリア(リーラコーエン)を含めても5社程度しかありません。

1.会社概要


リーラコーエンはネオキャリアグループの関連会社として多くの転職カウンセラーを要する大手の人材紹介会社です。日本を含むアジア各国に拠点を持つことで幅広い求人情報を転職希望者に提案する事が出来るのが強みです。2020年にはアジアを含めて31拠点を設置する予定です。フィリピンには2014年に進出しており、マニラとセブに拠点を持っています。人材紹介の統括はマニラ本社が行い、セブはコールセンター業務及び日本人英語留学生への海外就職の相談窓口を置いています。今回は海外就職相談の窓口業務の責任者の平澤さんにお話を伺いました。

2.平澤 拡

フィリピンの転職エージェント REERACOENの平澤さん

国内ITベンチャー(比較ドットコム)出身。同社では営業(ホテルシステム関係)、人事、ネット広告を担当。その後フィリピン・セブにてリーラコーエンに入社。コールセンターの立ち上げ及び海外就職希望者への窓口として語学学校へ説明会を実施、海外転職希望者への相談に乗るなどして数多くの海外就職希望者の就職支援を行っている。

3.フィリピン就職概要

岡本:平澤さん宜しくお願いします。
平様さん:こちらこそ宜しくお願いします。

岡本:全体として日本人のフィリピン就職の状況はどうなっていますか?
平澤さん:フィリピンの経済はここ最近、GDPベースで6〜7%で伸びており、日系企業の進出も多いため、求人も幅広く数多くあります。また英語が共通語のため、英語で業務が遂行できるのが良いですね。

岡本:なるほど。マニラとセブでの就職状況に違いはありますか?
平澤さん:マニラとセブでは求人の業界及び職種面において大きな違いがありますね。マニラの状況は下記のようになっています。

フィリピン マニラ 求人状況

平澤さん:マニラは製造業が中心ですが、幅広い業種、職種で求人があります。求人数も多いです。職種としては製造業、商社における営業職が一番多いです。次に事務職、カスタマーサービス等の職種も求められています。

岡本:セブの状況はどのようになっていますか?
平澤さん:セブの状況は以下のようになっています。

フィリピン セブ 求人状況

平澤さん:セブは、①語学学校スタッフ②オンライン英会話スクールスタッフ③BPO系の仕事(コールセンターなど)が多いです。そのため、職種としてはオンラインや対面でのカスタマーサービスの仕事が多いですね。また特徴的なところとしては、ホテルやダイビングショップなどのリゾート関係の求人もあります。

4.フィリピン就職における待遇

岡本:フィリピン就職における条件面はどのようになっていますか?
平澤さん:給与についてはマニラの方が若干高くなっています。セブは少しゆるやかな感じです。逆にガンガン仕事をしてキャリアを磨きたいのならばマニラがオススメです。

岡本:具体的な待遇はどうなっていますか?
平澤さん:他のアジア諸国と比べてフィリピン就職の待遇は若干見劣りしていましたが、最近向上しており、遜色ないレベルになりつつあります。職種や経験にもよりますが、具体的な給与相場はセブで50,000ペソ(125,000円)程度、マニラで70,000〜80,000ペソ(175,000円〜200,000円)程度です。ただ、スキルによっては100,000ペソを超える案件もあります。フィリピンは所得税が高く累進課税で32%です。そのため手取りはかなり減ってしまいますね。その分、福利厚生関係で補填されている企業もあります。

岡本:語学力や求められるスキルや年齢についてはどうでしょうか?
平澤さん:フィリピン語についてはあまり求められる事はなく、基本英語が話せればOKです。日系の現地採用ならTOEICで言うと出来れば600点あると良いですが、500点くらいからの求人もあります。一番需要の大きい年齢は若手(25歳〜33歳)くらいの層ですね。それ以上の中堅、シニア層の年齢になるとあまり求人は多くありません。役割としては現地スタッフと駐在や本社との橋渡し的な役割が求められます。

5.フィリピン就職におけるビザ要件など

マカティ(マニラ)の街並み

岡本:ビザ要件はどうでしょうか?
平澤さん:他のアジア諸国と比べてビザの要件はかなり緩くなっています。簡単な面接をパスすればビザはおります。学歴や語学、過去の経歴などについてはなくてもビザが下りるところは、近年要件が厳しくなっている他の国とは異なりますね。

岡本:なるほど、英語が通じますし、ビザの要件が低いのでかなり門戸は開かれているようですね。
平澤さん:はい。語学学校も多く日本人留学生が直接フィリピンに就職をされることも多いです。アジア就職の登竜門的なイメージがありますね。

6.目的意識が明確でチャレンジ精神を持った人に挑戦してほしい。

岡本:フィリピンに限らず、その国に溶け込むための秘訣はあるのでしょうか?
平澤さん:僕はブラジリアン柔術をやっているのですが、それはとても良いコミュニケーションツールでもあります。毎週3回ほどは道場に通っていました。柔術なだけに充実していましたね(笑)。音楽であったり、スポーツであったり、格闘技などの趣味的なことを現地の人たちとやるのはとても良いと思います。その趣味を通して現地の人たちと仲良くなれますし、彼らのことをより深く知ることができます。

岡本:どのような人にフィリピン就職に限らず海外で働いてほしいですか?
平澤さん:やはり目的意識が明確でチャレンジ精神を持った人に挑戦してほしいですね。これからますますグローバル人材が求められる世の中になっていきます。そのような外部環境の中、フィリピンで働くことそのものが自己投資であるという気概がある人は伸びると思います。

岡本:逆に海外就職に向かない人はどのような人でしょうか?
平澤さん:逃げの選択として海外就職を選ぶ場合はうまく行かないケースが多いです。日本から逃げてきたケースです。そういう方でもフィリピンであれば仕事を見つけることができる場合もあります。しかし、ずるずる何となくフィリピンに滞在してしまい、その後のキャリアに続かない場合も多いです。具体的な目標があると良いと思います。

岡本:フィリピンで就職した人はその後、どのような選択肢があるのでしょうか?
平澤さん:就職した企業内で認められて昇進していくケースもありますし、場合によっては駐在員として雇用される場合もあります。また、今よりも良い条件でフィリピン国内の他の企業に転職するケースもありますね。さらに、フィリピンで得た英語力と実務経験を武器にシンガポールや他の国に転職する場合もあります。また日本で働くことを希望される場合は、国内企業で英語を必要とする業務に就く場合もあります。また、外資系企業に転職される人もいます。

岡本:なるほど。その後の選択肢は本当に多岐に渡るわけですね。最後に平澤さんはどのようなお気持ちでお仕事をされているのか教えて下さい。
平澤さん:私の場合は、一度海外から日本を見たくなり、フィリピンのセブという地で仕事を始めることにしました。また英語を勉強して、その英語を使って仕事をしたいという気持ちもありました。日本の人たちにも私がそうであったように、海外で働く道はいくらでもあるということを伝えられるようになれればと思います。まだまだ海外就職は一般的ではありませんが、今後は社会的にもそのような流れにしていきたいな、と思います。

岡本:平澤さん、本日はありがとうございました。
平澤さん:こちらこそ、ありがとうございました。

7.インタビューを終えて

平澤さんは非常に実直で誠実な方で、海外就職希望者のサポートもとてもしっかりとしてくれます。僕と同じセブ在住ということでプライベートでも仲良くさせていただいていますので、彼の人柄は僕が保証します。マニラ、セブを問わず、フィリピンでの就職を希望される方は是非、連絡を取ってみてください。

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岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒