海外インタビュー

転職エージェント訪問記:【インドネシア・ジャカルタ】JACインドネシア

JAC 会社概要

JAC Recruitment

1975年、UKにて日本人(現会長)により設立、来年40年を迎える。
現在アジアを中心に10カ国26オフィスに展開。日本法人はJASDAQ上場している。

JAC リクルートメント インドネシア

2002年インドネシア法人設立。
インドネシア国内4事業所を展開。
従業員175(2014年12月現在)名程度(内訳は日本人スタッフ10名、現地スタッフ165名程度)
リクルートコンサルタントは100名程度、インドネシア進出コンサルタントは60名程度。
人材紹介分野以外にも、会社設立ザポート、人事コンサル、翻訳通訳、会計アウトソーシングなどを実施。
日本人の求人企業の割合は、日系:外資及び現地企業=90;10程度
住所:Menara Cakrawala (Skyline Building), 7th Floor Jl. MH Thamrin, No. 9, Jakarta, 10340 Indonesia

尾台愛絵/小林芳江

インドネシア ジャカルタの転職エージェント JAC Recruitmentの方々と
尾台愛絵さん(リクルート担当)
日本の大学を2年間休学し、インドネシア留学1年半留学。
JACインドネシアにインターン6ヶ月の経て大学卒業後、2012年に現地採用
主にリクルート業務を担当。

小林芳江さん(インターン)
茨城大学に在学。
インドネシア留学及び3ヶ月のインターンシップ中。
マーケティングを担当。

今回はインドネシア転職エージェント最大手のJACインドネシアに訪問し、リクルート担当の尾台愛絵さんとインターン中の小林芳江さんにお話を伺いました。

インドネシア就職概要

インドネシア ジャカルタの転職エージェント JAC Recruitment社が入居するビル
(スタバが目印のSkyline Building 18階に所在)

岡本:インドネシアにおける日本人求人募集の概要について教えて下さい。
尾台さん:インドネシア経済は非常に伸びており、日本企業の進出も続いているため、日本人の求人案件は堅調です。ただ、注目を浴びてきている傾向にありますが、インドネシアで働きたい日本人の数が他アジア諸国に比べ比較的まだ少ないため、売り手市場になっています。

岡本:どのような業種や職種で日本人は求められていますか?
尾台さん:インドネシアに進出している日本企業は製造業、物流業、商社、IT関係の業種が多いですね。職種については一番需要が高いのは営業マーケティングです。その他ではカスタマーサービスや生産管理、購買、総務、経理、といったお仕事もあり幅広い分野で日本人が求められています。

岡本:なるほど。どのような人がインドネシアで活躍する事ができますか?
尾台さん:そうですね。40代・50代対象の求人もありますが、一番求められているのは25歳〜35歳くらいの若手中堅層になります。ビザの関係上、新卒(25歳以下)や60歳以上ついては求人をされる際に年齢制限を設けられる企業さんが増えてきている傾向にあります。語学についは英語かインドネシア語のどちらかがコミュニケーションレベルで応募可能なケースが多いです。一番多い職種である営業の仕事は、日本企業に対しての日本語による業務になります。英語やインドネシア語が求められるのは社内でのコミュニケーションにおいてですね。英語ネイティブスピーカーでないインドネシア人とのコミュニケーションのため、TOEIC550点ほどで内定が決まられる方も沢山いらっしゃいます。

インドネシア就職で必要とされる資質ベスト5

インドネシア ジャカルタの転職エージェント JAC Recruitment オフィスの様子
(JAC事務所内の様子)

岡本:インドネシア就職で必要とされる資質は何でしょうか?やはり語学力ですかね?
尾台さん:語学力は5位くらいではないでしょうか?第1位は【サバイバル力】ですね。言葉もままならない環境で生活や仕事をスタートするためにはこの能力は必要ですね。第2位は【協調性(我慢する力)】です。インドネシア人はとても明るいのですが、中には時間や期限を守ることが苦手な方も多いです。そんな時にイライラせずに協調性を持って根気強く接する事が求められます。

岡本:なるほど。僕もフィリピンで生活していますが、ほぼ当てはまります(笑)。
尾台さん:第3位は【切り替える力】です。小さい事に捕われずに常に自分の中で選択肢を持てる事も大切です。意図しない事が起こっても柔軟に対応できると生活も仕事ももっと楽しくなると思います。第4位は【楽しめる能力】です。トラブルがあったとしても楽しめる能力があればどこででも生きていけます。どの様な状況であっても意識的に楽しめるといいですね。私もインドネシアに留学した当時は大変でした(笑)。第5位に【語学力】ですかね。もちろん語学力は大切ですが、これは後からでも努力次第でつけていけます。特にインドネシア語は日本人にとっては入りやすい言語で世界で一番簡単な言語と言われますので努力次第では半年で日常生活は問題なくできるようになります。

ジャカルタはどんな都市?インドネシア人はどんな人?


(近くのショッピングモールにはユニクロ、ZARA、H&Mなどあらゆるアパレルの店舗が進出しています。)

岡本:ほとんどの人はジャカルタ市内かその周辺の工業団地で仕事をして生活する事になると思いますがジャカルタってどんな都市ですか?
尾台さん:日本の人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、ジャカルタは大都会でとても便利な街ですよ。最近物価は上がってきていますが、不動産価格はそこまで高くなく、シェアハウス(KOST(コス))ですと4万円程度の住居費で生活をすることもできます。(ピンきりです)食事をローカルフードで済ませば生活費を抑える事もできますので生活のしようで日本で一人暮らしをするより貯金がしやすい環境です。またコストが上がってしまいますが、日本食、イタリアン、フレンチなど世界各国の食事も沢山あり楽しめます。ショッピンモールも充実していますので便利です。何より親日国ですので生活もし易いです。ただ市内の渋滞が激しいのとイスラム国なのでアルコール類は若干高いのがたまに傷ですが。。

岡本:インドネシア人と働く事についてはどうでしょうか?
尾台さん:インドネシアの方は陽気で明るい方が多いですね。人にもよりますが、仕事よりも家庭が大切と考える人も多いです。しかし、スキル・キャリアを積めば収入も上がっていく状況化ですので、責任を持って仕事に取り組む方もいます。また、特徴として、ポジティブ思考の方が多いです。他人・自分のミスにも寛容で後先をあまり考えずまずやってみる方が多く、逆に日本人の様に考えすぎてチャンスを逃すということは少ないかもしれません。また、プレゼンや人前で話すことに抵抗がなく、とても表現力を持っている方たちです。南国の方の特長だと思いますが、日本に比べると、概して時間や期日などを守る意識が日本人より低いので、こまめにフォローアップすることが必要ですね。

インドネシアはアジア就職入門


(日本食レストランの出店も多数あります。吉野家、ココイチ、山頭火、大戸屋など多岐に渡ります。)

岡本:どのような人にインドネシアでチャレンジして欲しいですか?
尾台さん:海外でチャレンジしたい人、特にバブルを経験していない若い世代の方に来ていただきたいですね。今インドネシアは昔の日本のバブル時代さながらとても成長しています。このような環境で仕事をするのはやりがいがありとても良い経験になると思います。また、インドネシアは語学面において敷居が低いので初めて海外就職をする方にとって敷居が比較的低く、アジア就職入門としても良い国だと思います。英語力はTOEIC500〜600点でもチャンスはありますし、今なら就職希望者が少ないので売り手市場です。また、若手であれば、ご経験分野以外でのキャリアチェンジのチャンスが多くあります。

岡本:いじわるな質問ですが、どんな人にはチャレンジしてほしくないですか?
尾台さん:心機一転頑張りたいと思えれば是非皆さんに挑戦していただきたいです。ただ「どうしてインドネシアで就職するのか?」という理由をきちんと説明出来る必要はあると思います。最初はある程度漠然としていても大丈夫です。ただ、就職活動でこちらに滞在してみて環境や感覚が合わないと感じる人は難しいかもしれません。やはり多くの人にインドネシアの良さを知って、来ていただきたいですね。

海外(特にインドネシア)インターンについて

岡本:海外、特にインドネシアでインターンをすることについてはいかがでしょうか?
小林さん:私は交換留学中に「インドネシアではどんな仕事があって、どんな日本人が居るんだろう」と思いインターンシップを探し始めました。そこで、様々な業種や職種とかかわることが出来るJACインドネシアでインターンシップをさせていただいています。JACインドネシアではインドネシア人・日本人だけではなく様々な国の人もいます。英語を流暢に話すことが出来ない私ですが、たくさんの方から助けていただきながら毎日活動に励んでいます。忙しく、心に余裕が無くなってしまった時には温厚なスタッフの笑顔や優しい言葉に癒されています。
インドネシアは親日国であり、日本文化も浸透しつづけています。特にジャカルタでは毎週のように日本文化のイベントが行われています。日本文化がそのまま入ってくるというよりは、インドネシア人によって解釈された新しい文化が広まっている様子も面白いです。(笑)
初めての一人暮らし・留学・インターンシップをインドネシアで経験中ですが、日本人にとって住みやすい環境が整っている国だと思います。住みやすさだけではなく、平均年齢28.9歳という若さが溢れ、更なる成長が期待できる国だと思います。就職活動前にインターンシップ活動をしたい大学生だけではなく海外就職を検討されている方も、インドネシアでのインターンシップ活動を選択肢のひとつに入れていただければと思います。

お話を伺った感想


(ジャカルタの夜景。大都会です。)

インドネシアにおける就職・転職事情について詳しくお話を伺いました。また、今回は「アジア転職読本」(森山たつを氏著)の電子書籍版のリバイズのための取材も兼ねていましたのですが長い取材を快く受けていただいてとても感謝しています。インドネシア、特にジャカルタは日本で知名度はあまり高くないかもしれませんが、生活面、ビジネス環境、給料、待遇、国の将来性の面で非常にポテンシャルの高い国だと感じました。是非、もっと日本の方にチャレンジしていただきたい国です。

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岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒