海外インタビュー

転職エージェント訪問記:【インドネシア・ジャカルタ】RGF HR Agent インドネシア

RGF HR Agent インドネシア 会社概要

RGF(リクルート・グローバル・ファミリー)
リクルートエージェントの海外ブランド
11の国と地域に47拠点を展開。日系転職エージェントでは最大。

RGF HR Agent インドネシア
インドネシアでは2013年よりRGFインドネシアブランドとしてサービスを開始。
Bo Le、BRecruitのブランドではそれぞれ17年、5年間の実績がある。
(Bo Le、BRecruitはRGFが買収、現在一体として運営されている。)
CEO、COO等のエグゼクティブからマネジャー、担当者レベルまで幅広い求人を持つ。
強みは、日本語人材のデータベース量及びブランド力を背景にした企業からの求人数と質。
海外就職希望者の方に幅広い求人のご案内をすることが可能。
現在90名(内日本人3名)が在籍。
住所:Graha Pratama, 10th Floor, Jl. M.T.Haryono Kav. 15, Jakarta 12810, Indonesia
インドネシア ジャカルタの転職エージェント RGF社の位置

土肥幸之助(RGFインドネシア拠点長)

インドネシア ジャカルタの転職エージェント RGF社 土肥さん
タイRGFの拠点長も兼任。2008年リクルート入社。
2013年4月よりRGFインドネシアの立ち上げ時より同社の拠点長に就任。

インドネシアにおける日本人転職状況


(パシフィック・プライス・モール・ジャカルタ内、近代的で巨大なモールが市内には多数散在します。)

岡本:インドネシアにおける日本人の転職状況はどうでしょうか?
土肥さん:インドネシア経済が伸びている事もあり、日本企業の進出も盛んで日本人の求人も堅調に推移しています。しかし一方で、日本人就職希望者が少ないために売り手市場になっています。そのため日本人プレミアム(日本人転職者にとって有利な条件)がかなりあります。具体的には東南アジア諸国の中で一番給与や待遇面が良いと思います(シンガポール、香港除く)。所得税は企業が負担してくれるケースも多く、住宅手当や運転手付きの車を支給するケースも多いですね。

岡本:確かに恵まれていると思います。どのような方が具体的にインドネシア就職をされているのでしょうか?
土肥さん:大きく分けると4つグループに分かれると思います。①リタイアを視野に入れたシニア層、②パートナー(配偶者、彼氏彼女)がインドネシア人でインドネシアに住む必要がある方、③留学等である程度インドネシアに滞在経験がある方、④日本からインドネシア転職を志す若者層。全体に的にはやはり②③のインドネシアにゆかりがあり、多少なりともインドネシア語が話せる方が就職が決まり易いとは思います。①のシニア層については近年、求人は減ってきています。④については増えていますが、まだまだこれからですね。

岡本:④日本からインドネシア転職を志す若者層はまだそんなに多くないんですね?
土肥さん:はい。まだまだインドネシアで働くという選択肢が日本国内で一般的ではないことと、現地日本企業内でもインドネシア国外から日本人を雇う事に保守的な考え方を取る会社さんもあります。やはり雇う側としてはインドネシアのことをわかっている人やインドネシア語を話せる人、またインドネシアという国にコミットメントしてくれる人を採用したいという思いはあるのだと思います。

岡本:なるほど。日本人としては売り手市場であるとも伺いましたが。。
土肥さん:もちろんすべての企業がこのような考え方をしているわけではありません。また、このように考えていると日本人を採用する事はいつまでたってもできません。ただ日本人であれば誰でも良い、というわけではないということです。やはりこの国にコミットメントする、という意識は必要だと思います。

インドネシアは真面目にビジネスに腰を据えて取り組みたい人に向いています。


(ジャカルタ名物の交通渋滞)

岡本:具体的にはどのような人が一番採用され易いでしょうか?
土肥さん:まずは目的意識が明確な人ですね。正直軽い気持ちでは来ていただきたくありません。企業様は事業を前に進めるためにインドネシア人の何倍もの給料を払って日本人を採用することになります。だから少なくとも「どうしてインドネシアで仕事をしたいのか。」「ここで何を成し遂げたいのか。」ということについては説明出来る必要があります。

岡本:将来起業を志す人はどうでしょうか?
土肥さん:必ずしも起業を志す必要はないと思います。インドネシアにはタイほど大きな日本人マーケットもありませんし、ベトナムほど法規制等が緩くもありません。規制面でも事業を興す事はそんなに簡単ではないかもしれません。企業側も長く働いてくれる人を望んでいます。インドネシアには真面目に腰を据えてビジネスに取り組みたいという人が向いていると思います。

岡本;職種や能力面はどうでしょうか?
土肥さん:一番多い職種は製造業の営業になります。B to Bの営業になりますのできちんとビジネスマナーを身につけている必要があります。また日本企業のメインの顧客は日本企業になりますので、日本人同士のネットワークを作れる人である必要があります。少なくとも今あるネットワークを保てる人ですね。語学についてはTOEIC600点くらいあればチャレンジ出来ます。年齢としては25歳〜35歳がメインとなります。入社して比較的すぐに成果を求められるのでバリバリ働ける人が求められています。

インドネシア就職の可能性(メリット・デメリット)


(イスティクラル・モスク、インドネシア国立モスク)

岡本:インドネシアで働く事のメリットは何でしょうか?
土肥さん:5つ挙げるとすると以下になります。
【①日本人の希少性が高いので給与・待遇が良い】
これまで述べてきた通り、日本人プレミアムがまだまだ存在するため待遇は他のアジア諸国よりも良いでしょう。
【②裁量権を与えられるため成長できる】
比較的すぐに責任のある仕事を任せてもらえるので成長する機会が多いです。
【③国民が若く、人口も多いため伸びゆくマーケットで仕事が出来る】
将来性豊かな国で仕事が出来るのでキャリアの可能性や良い人脈を形成出来ると思います。
【④優秀な人が多く、彼らと仕事ができる】
インドネシア進出に当たって日本企業もエース級の人材を投与するケースが多いです。彼らと仕事ができるのも魅力の一つです。
【⑤真面目にビジネスをしたい人が集まっている。】
他のアジア諸国よりも真面目にビジネスに取り組みたいと思う人が多いと思います。成長意欲がある人にとっては凄く良い環境ですね。

岡本:ありがとうございます。逆にデメリットを挙げるとするとどうなりますか?
土肥さん:そんなに大きなデメリットはないと思いますが強いて挙げるとすると以下でしょうか。
【①街中の渋滞がひどい】
特に朝と夕方のラッシュは酷いですね。
【②狭い日系社会内でお付き合いをする必要がある】
特に営業の仕事をされる方は人付き合いが必要だと思います。
【③日本から遠い】
まだLCCの直行便が出ておらず、日本からの時間的金銭的な距離はありますね。
【④お酒が高い。食事が脂っこい】
イスラム教徒の方が多いのでお酒は高いです。また料理が脂っこいので太ります(笑)。
【⑤日本人として生活するとコストがかかる】
日本並みの生活を送ろうとすると日本並みの生活コストがかかってしまいます。特に食事面では。

岡本:ありがとうございます。インドネシアで働き生活することのイメージがつきました。
土肥さん:こちらこそ、ありがとうございました。

インタビューを終えて

現状日本人が売り手市場であること、インドネシアの国としての将来性を考えると、今インドネシア就職を選ぶ事は非常にメリットが大きいと感じました。一方で気楽に軽い気持ちでチャレンジすべきでないとも思いました。(日本を含めてどの国に就職するにせよ)肚を据えて仕事に取り組むべきです。土肥さんの言葉の端々にそのような思いを感じました。敢えて少し厳しめに言われたとのことでしたが、良い事も悪い事もきちんと説明する事はプロフェッショナルとして求められる資質だと思います。そしてそれがフェアーな態度だと思います。インドネシアで働く事は簡単ではありませんが、同時に大きな可能性があります。是非挑戦してみて下さい。

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岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒