海外就職における海外駐在員VS現地採用スタッフの仁義なき戦い

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海外就職をして海外で働く2つの選択肢

海外で就職して企業で働く場合、基本的には2つの選択肢があります。

①海外駐在員
②現地採用のスタッフ

「海外駐在員」とは日本企業や外資系企業の日本法人に雇用されて、会社命令で海外拠点に赴任している人のことです。一方、「現地採用」とは現地採用とは、現地の日系企業や外資系企業、現地企業などに直接雇用されている人です。海外で会社員として働くという意味では同じですが、給与や待遇、自由度の面で両者は大きく異なります。会社によっては「海外駐在員」と「現地採用」のスタッフの間にはいつも緊張感が漲っているということも。。もし海外で働くことを考えているとしたらあなたはどちらを選びますか?今回はそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

海外駐在員VS現地採用スタッフのメリット・デメリット

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①給与・待遇面

まず一番最初に気になるのは給与や待遇面の相違だと思います。これについては圧倒的に「駐在員」が有利です。「現地採用」の給与が20万円だったとして。「駐在員」は日本での給与に加えて海外赴任手当、さらには高級コンドミニアムを会社経費で与えられるケースがほとんどです。さらには日本の社会保険及び年金積立までしてもらえるとなると、これらの間接的なものを考慮すると「現地採用」の3倍〜5倍程度の報酬の違いが出てきます。

②海外で働くまでの難易度と自由度

海外で働くまでの難易度と自由度を考えると圧倒的に有利なのは「現地採用」になります。「駐在員」は通常、日本で採用され数年から10数年以上同じ会社で働き、日本での実績を評価されたり、自ら手を挙げた社員の中から、会社の方針に従って決められた国に「駐在員」として赴任されることになります。そのため、通常は国を選ぶこともできませんし、タイミングも自分で決めることはできません。しかも希望すれば選抜されるというものでもないため、「駐在員」として海外に赴任するのは一般的に難易度は高く、自由度は低いです。

一方、「現地採用」は現地の企業に直接雇用されることになります。就職・転職活動も現地企業と直接的に行われます。そのため自身で働く国や都市を決めることができます。また、企業側としても企業側の意向で現地に赴任し、なおかつコストがかかる「駐在員」よりも、現地で働くことを前提にして就職を希望してコストも数分の1で済む「現地採用」の方が採用がしやいのが現状です。よって「現地採用」は自分で国や就職先を選べる点、海外で働くチャンスを得る面で難易度が低く、自由度が高いと言えます。

③企業内での将来性

「駐在員」と「現地採用」でどちらが将来性があるかという点については、ケースバイケースになります。ただ仮にあなたがある特定の企業に雇われ続けることを望むのであるならば「駐在員」の方が良いでしょう。「駐在員」と「現地採用」の間にはけっして超えることができない大きな溝があります。「駐在員」は現地スタッフや「現地採用」の日本人をマネジメントする立場で日本から赴任しています。2年から5年で日本に戻りそこでキャリを積む場合も多いですし、現地で業績を上げれば日本側に上位のポストを用意してくれる場合もあるでしょう。あくまであなたの人事は日本国内の本社が管理しています。

一方で「現地採用」は「現地企業」に直接雇われることになります。そのため、あなたがどんなに現地で活躍したとしても、あくまでその「現地企業内」で評価されるのみで、日本の本社内で評価されるわけではありません。したがって日本本社で登用されたり、日本国内にポストを用意されるということはまずないと考えた方が良いです。また一定以上の組織が現地法人内に出来上がっており、日本からマネジメント層が出向する会社の場合、彼らより上のポジションに行けることもまずないでしょう。そのため「現地採用」の多くは現在の企業に勤め上げるというマインドを持っている人は少なく、より有利な条件での転職や独立起業を考える人が多いです。

企業側の現地採用スタッフの考え方

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企業側から見た「現地採用」を雇うメリットは、機動的に現地で日本人を雇えるという「雇用上の自由度」と「コストダウン」になります。そこで「駐在員」が現地拠点を立ち上げた後、コストダウンを測ることを目的に「駐在員」の差し替え要員として「現地採用」を登用していくとケースが最近増えています。「現地採用」の登用理由が「コストダウン」である以上、「駐在員」を待遇面で追い越すことは難しいというのも頷けます。良い意味でも悪い意味でも「現地採用」は企業側からはかなりシビアに見られていることを認識しておいた方がよいです。

海外駐在員を目指すためには

自由度は低いものの、給与面の待遇も良く安定している「駐在員」を希望する人が多いと思います。しかし、これは狙ってすぐに手に入れられるポジションかというとそうでもありません。「駐在員」はあくまで企業側の意思で海外に駐在するわけなので仕方がないと思います。ただ「駐在員」になれる可能性を広げることはできます。

まず日本で企業に入社する際にはグローバル企業か今後海外に進出可能性の高い企業を選ぶ必要があります。今後海外進出をしないと生き残りの難しい一定規模以上の製造メーカーなども良いかもしれません。そして、「海外駐在」のポストが空いた、もしくは新しく海外進出が決まった場合にすぐに手を挙げられるように英語などの語学もある程度マスターしておく必要があります。またそのような情報をいち早く入手できるような社内人脈もあった方が良いですし、もちろん普段の仕事もきちんとこなし、回りからの信頼も得ておく必要があります。そして、「海外駐在」のポストが空いたらすかさずそのポジションをゲットするために積極的にアピールします。常日頃から回りに将来的に海外に行きたいこと伝えておくことも必要でしょう。他部署や子会社での「海外駐在」のポジションが出来た情報を入手出来るかもしれません。このように海外に出る可能性を広げ続けるという意識で毎日の業務と語学の勉強に励んで下さい。

現地採用スタッフとして働くための心構え

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「現地採用」と「駐在員」を比べた場合、給与などの待遇面や安定性の面で「駐在員」が圧倒的に恵まれていることは先に述べました。でも自分で国や就職先を選べる点、海外で働くチャンスを得る面以外にも「現地採用」を選ぶメリットはあります。それは未来のキャリアを作っていく自由度です。

私がベトナムで現地採用として働いている15名程度の人たちと話をした時、彼らの8割以上の人が将来の起業することを意識していました。そしてそのためのスキルや語学、マネジメント能力をベトナムで磨いているとのことでした。彼らは現状の待遇にある程度満足しているものの、常に2〜3年後の未来のために今の仕事をしているようでした。彼らの何人かはベトナムで新会社や新しいオフィスの立ち上げメンバーでかなりの経験とノウハウ、人脈を築いていて、既に独立してやっていく自信もあるとおっしゃられる方もいました。

一方、「駐在員」としてベトナムに来ている人とも話をしましたが、ほとんどの人は今後も今の会社で働くつもりでした。3年程ベトナムで働いた後日本の本社に戻り、その後も同じ会社で働くという前提で仕事をしていました。このベトナムでの事例を見ると「現地採用」で働いている人の方が将来の選択肢を広く持ち、主体的に働いているように映りました。もちろんすべての人が独立起業を志すべきとは思いません。しかし、3〜5年、海外で多くの経験をしてきたものであるならば自分で何かをスタートさせるという選択肢も一つにいれても良いのではないでしょうか?会社に使われるのではなく、今の環境を使って将来の礎を築くという意識を持つ必要があると思いました。

→「海外で働くための心得」へ

いずれ駐在員・現地採用という括りはなくなっていく

シンガポールの転職エージェントにお伺いをしてお話を伺った時に担当者の方がおっしゃった言葉が印象的でした。それは「いずれ駐在員・現地採用という括りはなくなっていくでしょうね。」という言葉です。私もそう思います。今後日本の企業はどんどん海外に出ていかなくては生き残れない状況になってくるでしょう。そんな状況の中、グローバル化した企業において採用された場所によって待遇が大幅に異なるというのは馬鹿げています。また世界のグローバル企業では統一した尺度によって報酬が決まる流れになりつつあります。既にグローバル化された日本もそのような人事制度に移行しつつありますし、他の企業も徐々にそのような流れになっていくでしょう。その時どれくらいの日本人が今の待遇を維持して働いていくことができるでしょうか?10年後のあなたはどうですか?そして将来に対して今何ができますか?

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About Author

岡本 琢磨(Takuma Okamoto)

Beyond the Border(ビヨンドザボーダー株式会社)代表取締役 / 海外転職カウンセラー・コーチ / フィリピン・セブ英語留学クロスロード代表・公認会計士 / 1979年5月8日生まれ / 慶応義塾大学経済学部卒

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